参加/支援のしかた

生物多様性はビジネスの礎 ~All business depends on biodiversity.~

今や企業活動でも生物多様性は注目の的。
「生物多様性はビジネスの礎」では、NACS-Jや地域のNGOと協力し、生物多様性保全を経営の中心から志す企業のリーダーの方々へインタビューします。

Interview No.7
インタビュー実施:2011年12月

「自然もステークホルダーの一員だと、社員全員の価値観として共有していきたい」

ロペライオ
代表取締役

早水彰<はやみず・あきら>

Profile

1971年生まれ。大学中退後、現ロペライオの前身となる、輸入中古車販売会社を起業。子どものころは毎朝クワガタを採りに裏山に通い、物心ついたころから釣りが最大の趣味となり、魚や川、自然と人との関係を常に意識するように。

早水 彰 氏
Q.企業としての社会的貢献(CSR)の目標はどんなことでしょうか?

企業にとってCSRという意識はなくてはならないと考えています。わが社は小さい企業ですから、CSR活動というとまだまだ発展途中なのが現状です。どうしても一人ひとりが担当している仕事に追われてしまうことが多く、恒常的なCSR活動にまで時間をさけず、企業としても人材を投入する余裕がないのです。

震災後の社員有志のボランティア活動

今後は一人ひとりの生産性をあげるなどして、CSR活動を担当できる人材を確保していくことが必要だと痛感しています。そのためのルールづくりなどを今は考えているところです。ただ震災後には、被災地への支援物資の配布や炊き出しのボランティア活動(社内でのプロジェクト活動として行われたもの)に全社員の3分の1が自ら手をあげて参加してくれ、土壌は十分できたと思っています。

私個人としては、人間も自然も一部である、という強い自覚があります。ですから自然の原理原則は、商売や経済の世界にも共通するものだと感じていて、経営を考える際にも、自然環境に対して常に今、何を還元できるか、つまり、自然に対する人のあり方を頭に入れて判断したいと思っています。そうしないと経済だって必ずバランスが損なわれるだろうという危機感を持っています。最終的には社員のCSRへの意識も、「自然もステークスホルダーの一員なのだ」という価値観を当たり前のように共有してくれることが目標です。

震災後の社員有志のボランティア活動

Q.日本自然保護協会に寄付をするようになったきっかけは?

寄付を始めたのは、この会社を起業して7年目の2000年からです。まだ今ほど経営規模も大きくなく、社員からは「寄付することに意味があるのか?」という声もありました。

が、私どもは輸入中古車の販売会社です。中古とはいえ、当時も話題になりはじめていたエコカーなどと比べて、燃費も悪く、排気量も多い車を多く販売しています。当然排気ガスは地球温暖化にもつながります。せめても日本の自然環境の保護に貢献できればということで日本自然保護協会さんに寄付を続けさせてもらっています。

日本自然保護協会さんが、地道な活動をしていたことも決め手のひとつでした。天下りを入れていないということも大きなポイントでしたね。実のところは、社内の反対の声があっても、オーナー会社なので、私が「やりたい」といえば、ある程度意志を通せてしまうというところもありました(笑)。

ロペライオウェブサイトでのNACS-Jの紹介ページ

ロペライオウェブサイトでのNACS-Jの紹介ページ
http://www.loperaio.co.jp/nacs-j.html

経営判断でも、自分の人生においてもそうですが、何か決断を迫られたときは、「常にその決断が人として正しいのか?」という原点に立ち戻って考えるようにしています。扱うのは欧州車が多いのですが、車自体は非常に長持ちするし、中古でも大事に使われ続けていく文化があるものです。長期的に見ればすぐスクラップになってしまうような使われ方よりも自然に対してよい、という見方もできますが、今、現実に販売した車が出している排気ガスに対してバランスを取るのだ、という姿勢を持ちたかったですね。

なので今も買っていただく車1台につきいくら、という形で寄付をお客様にお願いしているのですが、ほぼ100%のお客様が我々の活動に賛同いただいて寄付に対して承諾をいただいています。

おかげさまで今では社員も、寄付活動について理解が深く、中途採用で幹部候補生などを採用する際の面接でも、よい社会貢献をしているとコメントをもらうことが多いですね。

Q.今後、生物多様性保全にどう取り組まれますか?

現在、生物多様性に貢献する意味でのCSR活動は、日本自然保護協会さんへの寄付だけですが、今後はCSR活動に対する理解を深めるために月1回の全社員での定例会議でCSR活動について話し合うことを進めようと思っています。わが社の目標である「社員どうしの夢の共有」の中に、当たり前のように自然環境を守る活動に結びつく「夢」が出てくるようになる、といったことを実現させていきたいと考えています。

世田谷のロペライオショールーム

NGO・地域との取り組み

2011年3月11日の震災後、すぐに早水さんが全社員に社内LANで呼びかけて、被災地支援プロジェクト「HOKORI」を始動。ちなみにこのネーミングは日本人としての「誇り」を忘れないようにしよう、というところからきているそう。震災から約2週間後の3月28日にはバンに救援物資を詰め込んで、宮城県石巻市でボランティア活動を行った。

以後4月には福島県いわき市で3回炊き出しを行うなど、積極的に被災地支援に取り組んでいる。この4回のボランティア活動には全社員の3分の1の人数が参加したそう。 「今までも自然観は強いほうだと思っていましたが、現場の余りにも大きな自然の猛威を目の当たりにして、自然の力というのを今まで以上に痛感しました」

現在も「今、何ができるか?ということを常に考えています」と早水さん。2011年の9月には、車を10台、被災地に持っていって無料でレンタルする、という活動を開始しようとしたところ、すでに交通網が回復してきていて、そういった支援は不要だという結論に到達。

「現状を把握して、何が必要なのかをリアルタイムに見極めるのはとても難しいことを痛感しました。今は現地で活動しているNGOの方などと一緒にプロジェクトを進めているところです」

インタビューを終えて

ロペライオ

高級輸入中古車販売会社として都内に4店舗を構える。展示車両にはNACS-Jへの寄付金が車両価格に含まれるスタイルで販売。購入者の寄付に加え、収益の一部からも寄付を続けているが、18期連続増収を達成するなど、その経営手腕は同業種以外からも注目を浴び続けている。そのほか、コンサルティング事業、修理保証事業、貴金属販売・買取事業なども展開。

ロペライオ
http://www.loperaio.co.jp/

ロペライオ 早水彰のブログ (日本自然保護協会 NACS-J)
http://ameblo.jp/loperaio/entry-11113154685.html

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