生物多様性の道プロジェクト

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生物多様性の道プロジェクトとは

3月11日の東日本大震災と原子力発電所事故は、都市住民の快適な生活のために原子力発電所のリスクを地方が負うという構造的な問題をはっきりさせました。同じように地方が抱える中山間地の高齢化や獣害問題なども、くらしのありかた、都市と地方のあり方を根本から見直さないと解決できない生物多様性の問題です。
生物多様性の道プロジェクト2011では、全国で策定が始まった「生物多様性地域戦略・行動計画」を手がかりに、生物多様性の保全に向けた、社会システムづくり、地域づくり、人づくりを目指します。

このプロジェクトは、2010年に愛知県名古屋市で開かれた生物多様性条約締約国会議(COP10)を契機に、地域の自然を再発見し未来に引き継いでいくプロジェクトとして始めました。
2010年は、私たちのくらしや文化と生物多様性の関わりが希薄化している状況を明らかにしたほか、“生物多様性を実感できる人”を増やすためのエコツアーや研修会を実施。また、いつまでも大切に残したい自然を「生物多様性の道」として登録し、ずっと見守っていこうとよびかけました。

4つの活動

生物多様性の道プロジェクト2011は、4つの活動を計画しています。

1.地域戦略づくりへの提案

生物多様性の保全には、国家戦略だけではなく現場に近い地域の自治体の役割がとても重要です。日本自然保護協会では、これまでの自然保護活動の経験からよりよい生物多様性地域戦略にするための提案をまとめ、発信していきます。

2.地域の事例~はじめの一歩・市民がつくる地域戦略

「生物多様性地域戦略」づくりは、ほとんどの人が初めて取り組むもの。よく知られていない「地域戦略」を広めるために、まずは実践事例づくりに取り組みます。 NACS-Jが自然保護問題でかかわってきた現場で、セミナーや調査などを行ったり、行政による戦略づくりに参加しながら、どんなふうに地域戦略が形になっていくか、その取り組みのようすをwebサイトでご報告します。

3.ふれあい調査/ワークショップ

まちを歩き、人々の記憶をたどる。そんな場を重ねることで、まちの歴史、先達の知恵、人と自然の関係が、いきいきと浮かび上がってきます。地域の記憶をさぐる「ふれあい調査」は、現状の課題・未来像を浮かび上がらせる「場」づくりであり、地域戦略のはじめの一歩です。

4.国家戦略への提言

2010年の生物多様性締約国会議で策定された「愛知ターゲット」(2011年から2020年までの世界の生物多様性戦略計画)に沿って、国家戦略が見直されます。日本は、世界の中での生物多様性のホットスポット。日本自然保護協会は、全国2万5千人の会員から現場の声を集め、国家戦略に提言をしていきます。

生物多様性条約とは

地球規模で損失が進む生物多様性を守ろうと取り決められた生物多様性条約は、1992年にブラジル、リオデジャネイロで開催された「地球サミット」で気候変動枠組み条約と一緒につくられた国際条約です。現在、191カ国がこの条約に参加しています(アメリカを除く)。

1994年から条約締約国による会議(COP)を開催しており、2010年10月18~29日に第10回締約国会議(COP10)を日本・名古屋で開催することが決まっています。

この条約では、私たちの暮らしや経済に欠かせない自然の恵み(生態系サービス)をもたらす生物多様性の保全や、その持続可能な利用、遺伝資源へのアクセスとそこから得られる利益の公正・公平な配分という3つを目的に掲げています。

そのため「地球の上に生きる生命(いのち)の条約」とも呼ばれ、私たちの生活に密接に関係しています。また「生物多様性国家戦略」や「特定外来生物法」など生物多様性保全に関する日本の法制度や政策もこの条約に基づいてつくられています。

これまで、「生物多様性の損失速度を顕著に抑える」という2010年目標にむけて、さまざまな世界基準やガイドラインがつくられてきました。日本で開催されるCOP10では、その2010年目標に代わる新たな世界の目標をつくることから、世界中が注目する会議といわれています。

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