自然しらべ2009「湧き水さがし」

ユニークレポート

NACS-Jの会員や地域の自然観察指導員の方々をはじめ、各地の皆さんが大事にされ、自然観察とその保全に取り組まれている代表的な湧き水をご紹介します。各地の情報をお寄せくださった皆さま、ありがとうございました。
全国から寄せられたすべての湧き水に共通していたのは、「自然との共生」の実践は、自然に対する地域の人たちの深い理解が大切であるということとともに、ともすれば土地利用や財産権等の制限といった、ある種の我慢も求められる中、今日までこれらの湧き水を存続させられてきたことは、並大抵のご苦労ではなかったであろうということでした。
自然の都合に合わせ、人が知恵を働かせるという「自然との共生」が保たれている実例として、湧き水はとてもわかりやすいものでした。このような自然との関係や昔からのしくみは、里地に代表される自然環境との共生を今後考える上で、具体的な方策の大切な指針になると思いました。(NACS-J教育普及部)

自然しらべ企画ワーキンググループ
槐真史(厚木市郷土資料館学芸員)、三島勇(NACS-J評議員)、横山隆一(NACS-J常勤理事)
学術協力
小泉武栄(東京学芸大学教授/自然地理学、NACS-J評議員)

はじめに ── 「自然しらべ」の意義と意味

「自然しらべ」は、環境問題を考える、類のない市民運動のよい実例だと思います。市民一人ひとりの手による身近な自然観察が、積み重なって日本の自然の全体像を浮かび上がらせる。つまり、参加者個々の「虫の目」による観察によって、日本全体の自然環境の現況を知るという「鳥の目」を得られるという意義が何より重要なことだと思います。
その意義は、今回の「湧き水さがし」でも、少しも変わりませんでした。地球は「水の惑星」といわれますが、実際は海水がほとんどで、淡水(真水)はたった2~3%しかありません。この貴重な淡水である「湧き水」をさがすことは、地域にすむ生き物を知り、地域の生物多様性を考えるきっかけにもなります。また、土地の自然の歴史「地誌」などを知り、より地元を愛し、さらには日本の自然の貴重さや、その保護についても思いめぐらすことになったのではないでしょうか。ずっと続けていくべき活動だと思います。(三島 勇)

各地から寄せられたユニークな湧き水の解説

タイトル 名称 所在地
1.海水浴場から大量の湧き水が! 釜磯(かまいそ) 山形県飽海郡遊佐町
2.砂丘の中に湧水起源の川があったとは! 鳥取砂丘 鳥取県鳥取市浜坂
3.自然のふしぎ、炭酸の湧き水 大塩炭酸水 福島県大沼郡金山町
4.未解明のメカニズムで湧いている場所を発見! 清水小屋の清水 長野県飯山市瑞穂中組
弁天清水 長野県木島平村
5.守りたい、市街に残る貴重な恵み 八の釜(やのかま) 東京都練馬区東大泉
6.弘法大師のいいつたえ、旅人のための水 弘法清水 山形県鶴岡市
弘法の泉 群馬県桐生市
弘法の水 神奈川県南足柄市
7.名前がユニークな谷津田の泉 いっせん木 千葉県木更津市馬来田
8.地域の七不思議、間歇冷泉 時水(ときみず) 福井県越前市蓑脇町
9.アユが泳ぐ天然の湧き水プールが! 嘉島町湧水公園、湧水プール 熊本県上益城郡嘉島町
10.地表に鍾乳石ができている! - 鹿児島県大島郡喜界町
11.自然の恵みの豊かさを感じる身近な風景 - 東京都東久留米市南沢
12.群を抜く美しさと豊富な水量 グダリ沼 青森県青森市箒場平
13.農村での多彩な湧き水利用 - 新潟県塩沢市栃窪
14.渇水対策のためにつくられた多くのため池 うわい出水 香川県高松市香川町
15.湧き水を守っているお寺や神社に感謝 龍興寺清水(りゅうこうじしみず) 長野県下高井郡木島平村
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