セミは、幼虫時代の数年を土中で過ごし、遠くに行くことができないので、その土地の環境変化を知るバロメータとして注目されています。
地域ごとに、見られる種類の多少や構成比率がちがうため、それぞれ調べなくてはいけませんが、こうした研究は、関東・近畿地方以外ではあまり進んでいないのが現状です。

アブラゼミ/
撮影:伊藤信男

ミンミンゼミ/
撮影:伊藤信男
今回の調査では、集めたぬけがらはセミの種類ごとに1つずつ送ってくださるようお願いしましたが、なかには、家の庭で集めたぬけがらを全部送られてきた方もありました。
そこで、せっかくなのでそれらのぬけがらを使って、地域ごとの種類の多少と構成比率の傾向を探ってみました。 すると、東本州と西本州~九州で、状況が大きく異なることがわかりました。
東本州では、アブラゼミの比率が高く、ミンミンゼミが出現し、北にいくにつれてエゾゼミの出現頻度が高まるなどの傾向がみられました。
一方、西本州~九州では、クマゼミが多くを占め、それに次ぐアブラゼミの2種で100%に近い出現率となり、単純な種類構成になる傾向であることがわかりました。
今後、庭木の種類や茂り方、庭面積の多少による変化などについても詳しく調べていくことによって、環境変化のバロメータとしての利用が高まるものと期待できます。

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