
▲矢太神水源からの水路

日本の各地に名水と言われる湧き水があります。その多くは地元の人たちの飲み水や生活用水として利用されてきました。
新田地域の湧水は、私たちに授けられた、かけがえのない自然からの贈り物です。
今から約5万年前から1万5000年前、渡良瀬川が大間々(現在のみどり市大間々町)付近から南の方向に流れていたころ、川の移動により大木の形をした平坦な地形をつくりました。これが国内でも有数の規模を誇る「大間々扇状地」で、新田地域の湧水群はその成り立ちに起因しています。
大間々扇状地を構成する堆積物は、粒の粗い砂礫の層でできています。このため地表に降った雨水などが浸透し、伏流水として地下を流れます。この地下水は砂礫層が薄くなる扇状地の南端部、標高55~60m付近の畑や水田の中、住宅の庭、寺社などから湧き出しており、「新田地域の湧水群」として今も多くの湧き水を目にすることができます。

▲矢太神水源の保全活動

▲通木水源の見学
この恵まれた水環境は、自然界では動物や植物に豊かな繁殖をもたらすとともに、湧水地周辺とそこを水源とする「石田川・大川」などの流域では多くの遺跡が分布し、古代には豊富な水を背景に稲作が盛んになり、集落が拡大してきたことがうかがえます。
中世になると、新田氏により水田開墾が進み、湧水地はなくてはならない取水施設となって、後の新田荘成立に大きな役割を果たしました。なかでも、「矢太神水源と重殿水源」は当時の水利関係の遺跡として国指定の史跡となっています。
また、自噴現象が垣間見られる湧水では「矢太神・ミタラセ」などの名が示すように、自然の不思議さに拠りどころを求めた人々の、祈りの場所でもあったと思われます。これらの湧き水は、さまざまな時代を経て、私たちに直接、間接にいのちにつながる恩恵を与え続けました。
そして今、自然環境の大切さが見直される中、湧水地は水辺のある風景や学習の場として、地元の人も整備を行い、多くの人に心の安らぎを与えています。
新田湧水群で記録に残っている湧水は100カ所以上あり、そのうち約30カ所では現在も湧出しています。
| vol.01 | 自然写真家 倉沢 栄一 さん | |
|---|---|---|
| vol.02 | NACS-J会員 岩川 和子さん | |
| vol.03 | NPO法人 新田環境みらいの会 西村 豊さん |
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| vol.04 | 自然観察指導員 小野 達二さん | |
| vol.05 | シェアリングアース協会会長 藤本和典さん |
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| vol.06 | 自然観察指導員・埼玉県在住 池原 宏二さん |
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| vol.07 | ジャーナリスト・自然観察指導員 石川 正雄さん |
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| vol.08 | 滋賀県立大学環境共生システム 研究センター 小沢 晴司さん |
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| vol.09 | 自然観察指導員 松本 孝さん |
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