PRO NATURA FUND

NACS-J TOP

日本のブナ林の植物社会学的体系の再構築

農工大ブナ林プロジェクト

福嶋 司1)・ 星野義延1)・ 喜屋武 豊1)・ 松井哲哉2)・ 高砂裕之3)

1) 東京農工大学農学部
  Faculty of Agriculture, Tokyo University of Agriculture & Technology
2) 日本品質保証機構環境計画センター
  Japan Quality Assurerance Organizaition
3) 鹿島技術研究所
  Technical Institute, Kajima

A Revised System of the Beech Forests of Japan

Research Project for the Beech Forests of the Tokyo University of Agriculture & Technology

Tukasa Hukushima1), Yoshinobu Hoshino1), Yutaka Kyan1), Tetsuya Matsui2), Hiroyuki Takasuna3)

これまでに日本のブナ林の群集として概念を異にする18の群集が報告されていた。この研究は既存の資料の整理を含めて日本のブナ林の群集の確定と群集の特徴を明らかにすることを目的に行ったものである。ブナ林からの既報の文献資料と著者らの資料、合計2717を用いて組成表を作成し、隣接群落との比較を経て植物社会学体系化を行った。検討の結果の、18亜群集を含む以下の5群集、2群団、1オーダー、1クラスに体系化することができた。各群集は標徴種と特徴的な種組成と明瞭に区分される分布域をもち、その中で一次的には地理的な組成の分化を起こしていた。そして、最も顕著な組成的対立は、日本海側と太平洋側の相違を示す群団レベルにおいて顕著であった。群集の下位である亜群集以下の群落は、各群集が二次的に高度的、生態的な組成分化を起こした姿とみられ、多くの場合、隣接する他のオーダー、クラスを特徴づける種によって識別されていた。

1.はじめに

わが国のブナ林に関する植物社会学的研究は鈴木(1949-a,1949-b)の日本海側のブナ―チシマザサ群集と太平洋側のブナ―スズタケ群集の記載に始まる。その後、各地で精力的に植生調査が進められ、現在までに概念の異なる以下の群集が報告されている。ブナ−スズタケ群集、鈴木 1949;ブナ−チシマザサ群集、 鈴木 1949;ブナ―ホンシャクナゲ群集、矢頭 1958*;ヤマボウシ−ブナ群集、宮脇ほか 1964;オオモミジガサ−ブナ群集、宮脇ほか 1964;ヒメアオキ−ブナ群集、宮脇ほか 1968、マルバマンサク−ブナ群集、宮脇ほか 1968;ブナ−シラキ群集、Sasaki,Yo. 1970;ブナ−ツクバネウツギ群集、Sasaki,Yo. 1970;ブナ−シラカワザサ群集 Sasaki,Yo. 1970; ブナ−イヌブナ群集、Sasaki,Yo. 1970;ブナ−クロモジ群集、堀川・佐々木、1959;ブナ−オオバクロモジ群集、Sasaki,Yo. 1970;ブナ−アオトド群集、Sasaki,Yo. 1970;ブナ−ツクシシャクナゲ群集、鈴木 1970;ブナ−ミヤコザサ群集、薄井 1971; ブナ―サワラ群集、 羽田ほか 1971; ブナ−ムラサキマユミ群集、 西本・中西 1984; ブナ−ウラジロモミ群集、 菅沼・鶴田 1975; ブナ−コアジサイ群集、 高木・遠山 1987; ユキツバキ−ブナ群集、 宮脇編1987がそれである。それぞれの群集では記載した研究者により群集概念が異なっているが、一部には重複する内容のものが含まれている。それら群集の多くが、1970年代に記載されたものであるが、その後群集間の比較検討が十分になされないまま現在に到っている。鈴木の報告以来、半世紀近くを経た現在では、多くの研究者によってわが国の各地でブナ林の植生調査が進められ、ブナ林の群集についての再検討できる条件が整ってきた。

本研究はこれまでに多くの研究者により集積された植生調査資料と著者らの得た資料とを併せて組成表に整理し、日本のブナ林の群集の確定と、その特徴を明らかにすることを目的に行ったものである。

この研究には長い年月を要したが、その間を通して故鈴木時夫博士、鈴木兵二博士、沼田眞博士、奥富清博士には励ましと多くのご助言をいただいた。また、資料の整理に当たっては東京農工大学の星野義延氏に多大のご助力いだいた。現地調査では全国各地でたいへん多くの方々にお世話になった。これまでの諸氏のご厚意に深く感謝し、心よりお礼申し上げる。

*調査方法と資料の整理

本研究の群集論議はこれまでに筆者らが得ていた植生調査資料と既報の植生調査資料、合計2717を集めて組成表を作成し、同一の表上で組成を比較検討する方法によった。用いた既存資料はブナ林組成のより正確な性質を知るために、(1) 植物社会学的方法(Braun-Blanquet,1964)による調査結果であること。(2) 組成表あるいは調査票として示されたデータが全ての種のリストを含むこと。(3) ブナが高木層に生育し、その優占度が3以上であること。の条件を満たしている資料とした。組成表はEllenberg (1956)の方法に従って、星野(1992)の組成表作成プログラムを用いパーソナルコンピューターで作成した。

この作業により最終的な全国のブナ林の総合常在度表を作成した。次に、今回区分された63群落と既報群集の原記載との組成比較を行い関係を検討した。これと平行して著者らの資料と既報の文献を用いてブナ林と隣接群落との組成比較を行った。

植生単位の命名に際しての日本述語は群落談話会誌発行事務局訳編(1988)に準拠した。なお、現在、群集名(和名)には、例えばブナ−チシマザサ群集とチシマザサ−ブナ群集のように二通りの表記方法が使われており、それぞれには理由と歴史的な背景がある。今後、混乱を防ぐために統一的な見解を求める必要があるが、ここでの群集名標記は日本語の習慣を尊重して主要な種を最初に記す前者の方法によった。

本研究で用いた植物名は大井・北川(1992)、中池(1992)に拠った。

*結果および考察

*ブナ林群集の検討

組成表(Table 1)において最も明瞭な組成的対立は種群3-aと6で特徴づけられる群落のまとまり(Table 1)Running number 1-30の群落とRun.no.31-63の対立)である。この対立は太平洋側と日本海側とのブナ林の差を示すもので、鈴木(1949a,1949b,1952, 1966)の認めたブナ−スズタケ群集とブナ−チシマザサ群集の2群集と対応する。この顕著な組成的対立により、上記の種群を標徴種とする2群集として、ブナ林の群集を大きく捉えることも可能である。しかし、この区分では群集の把握は容易であるが、今回区分されたような多くの群落の組成的変異を説明するにはあまりに大きすぎる難点がある。

上記の2群集とする考えを除き、既報の群集の組成的内容の重複を先取権を尊重して整理し、今回区分された群落を既報の群集、群落に同定すると、以下の11群集と1群落、2群集下位単位に比定することができる。それらは 1.ブナ−シラキ群集,Sasaki,Yo. 1970 (Table 1,Running number 1-5)、2.オオマルバノテンニンソウ−ブナ群落,宮脇ほか 1981 (Run.no.,6-7)、3.ブナ−シラキ群集のニシノヤマタイミンガサ亜群集,宮脇ほか 1982(Run.no.,8-9)、4.ブナ−ウラジロモミ群集,菅沼・鶴田 1975(Run.no.,10-13), 5.ヤマボウシ−ブナ群集, 宮脇ほか 1964 (Run.no.,14-18), 6.ヤマボウシ−ブナ群集のミヤマクマザサ亜群集,宮脇ほか 1973 (Run.no.,19-21), 7.オオモミジガサ−ブナ群集,宮脇ほか 1964 (Run. no.22-24), 8.ブナ−スズタケ群集,鈴木 1949 (Run.no.25-28,30),9.ブナ−イヌブナ群集, Sasaki,Yo.1970 (Run.no.29), 10.ブナ−クロモジ群集,堀川・佐々木 1959 (Run.no.31,32,35-38),11. ブナ−ムラサキマユミ群集, 西本・中西1984 (Run.no.33,34,39-43), 12.ヒメアオキ−ブナ群集,宮脇ほか 1968 (Run.no.44-46,50-57,62,63),13.ブナ−チシマザサ群集,鈴木 1949(Run.no.47-49,52,53,58,59), 14.ブナ−ツクバナンブスズ群集, 武田・生田 1986.60,61)である。

上記の14群落をすべて群集として認めることも可能である。しかし、群集を特徴づける種の多くはそれぞれのブナ林の群集の標徴種的な働きをしても、現地では隣接群落との共通種である場合が多く、他の群集に対する識別種であることが多い。つまり、14群集を認める立場に立つと、標徴種よりも群落構成種の組合せの特徴が強調された区分となる。しかし、種の結び付きと、識別種のみでの群集決定が進むと細分化が進み多くの群集が設定され、群集の特徴も不明確になることも否定できない。また、現地での群集の特徴の把握が不明瞭で困難さを伴うことが懸念される。

今回作成された組成表の中には、対比されたいくつかの群集・群落に共通する種群(Table 1の種群1,2,4,5)が存在する。それらは明らかにブナ林に生育の本拠地をもつ種群で、ブナ林の標徴種と呼べる種である。既報群集を尊重する立場をとるとそれらの種で特徴づけられるまとまりは上群集あるいは新亜群団の標徴種となる。しかし、それらの種を標徴種として群集を位置づけることもできる。

ここにおいて、何をもって群集を規定するかという基本的な問題をまず整理する必要がある。また、群集は他分野の研究者をはじめ、自然保護関係者、環境調査関係者など多くの分野の人々にも利用されており、明確な基準で設定された実存として認識できる群集が要求される。今回の検討では、1935年のアムステルダムでの国際科学者会議で確認された「群集は標徴種によって決定される単位である」という基本認識に立ち戻り、群集を「固有な標徴種をもち、他の群集と明瞭に区別される組成的特徴をもった最も基本的な単位」と規定した。

以上の観点から種々検討の結果、わが国のブナ林は明瞭な組成的特徴と地理的分布域をもつ既報の5群集、ブナ―シラキ群集(Sasaki,1970)、ブナ―ヤマボウシ群集(宮脇ら、1964)、ブナ―スズタケ群集(鈴木、1949)、ブナ―クロモジ群集(堀川・佐々木、1959)、ブナ―チシマザサ群集(鈴木、1949)として整理することが妥当であるとの結論に達した。ここにおいて、他の既報の群集や群落の多くは各群集の中で地理的、高度的、生態的な変異を示す群集の下位単位として位置づけられることになる。

*ブナ林群集の上級単位と下位単位と隣接群落との関係

鈴木(1949-a,1949-b)は日本海側と太平洋側のブナ林の組成的な差が顕著であることを認め、ブナ―チシマザサ群集とブナ―スズタケ群集を記載した。宮脇ら(1964、1968)、Sasaki(1970)はこの相違を群団レベルとして認識した。今回の検討でも両地域のブナ林の差は組成的に明瞭に現れているが、今回の群集概念によれば、その相違は群集の上級単位の差として認識される。従って、5群集は上級単位として、種群3-aと3-bを標徴種とする太平洋側のブナ−スズタケ群団(Sasamorpho-Fagion crenatae, Miyawaki, Ohba et Murase, 1964)と種群6-aから6-dを標徴種とする日本海側のブナ−チシマザサ群団(Saso - Fagion crenatae Miyawaki, Ohba etMurase,1964)に統合されることになる。これは宮脇ら(1964),Sasaki(1970)の群団の概念と同じである。さらに、2群団はブナ優占林であるブナ−ササオーダー(鈴木、1966;Saso-Fagetalia crenatae Suz.-Tok., 1966)として統合される。さらにそれは、ミズナラ−コナラオーダー(宮脇ら、1971a;Quercetalia serrato-grosseserrate Miyawaki et al., 1971)、シオジ−ニレオーダー(鈴木、1966;Fraxino-Ulmetalia Zuz.-Tok., 1967b)、ヒメコマツオーダー(鈴木、1966;Pinetalia pentaphyllaeSuz.-Tok., 1966)と共にブナクラス (Fageteacrenatae Miyawaki et al., 1964)を構成する。ブナクラスは地理的にも垂直的にも中間の位置にあり、トウヒ−コケモモクラス(Vaccinio-Pineetea Br.-Bl. 1939)と、ヤブツバキクラス(Camellietea japonicae Miyawaki et Ohba1963)に接している。

ブナ林に隣接するオーダーに含まれる群落を特徴づける種のブナ林内への侵入と生育は、群集の識別種、あるいは亜群集以下の単位の識別種としてきわめて重要である。そしてそれらはブナ林群集の地理的、高度的あるいは立地的な変異を指標している。すなわち、種群10-aと10-bの種はコナラ―ミズナラオーダーに含まれる群落単位の標徴種で、太平洋側山地のブナ林に普通にみられる種の集合である。これらの種は低地からブナ林に上昇、侵入した分布パターンを示し、ブナ林の中では生態的よりも高度的(温度的)な差を示す下位単位の識別種となる。種群8-aから8-iまでの種はブナ林と同じ垂直植生帯の中に発達するシオジ−ニレオーダーに属する渓谷林群落に特徴的な種である。それらはさまざまな種群として地理的変異を示しながら、ブナ林内での湿性立地に発達するブナ林下位単位を指標する。一方、種群9-aから9-bの種はブナ林帯で尾根の乾燥立地に分布域を持つヒメコマツオーダーに含まれる群落に特徴的な種である。それらの種は各群集内に繰り返し下位単位を構成し、ブナ林の乾性立地を指標する識別種になっている。

種群12の種はブナクラスと南または下部で接するヤブツバキクラスの群落に本拠地をもつもので、モミ・ツガ林の群落の体系上の位置づけの問題(鈴木、1966、宮脇編,1981などの見解の相違)は残るが、大部分はヤブツバキクラスの各ランクの標徴種である。これらの種は一般に低海抜地のブナ林を特徴づけ、それらは太平洋側を中心にブナ林にまで侵入した形で分布している。一方、種群13の種はブナクラスと北または上部で接するトウヒ−コケモモクラスの種であり、生育の本拠地を亜高山帯にもつ。これらは下降してブナ林に侵入した形の種である。これらの種は長期間の多量の積雪によって、立地の均一化が進んだ日本海側の亜高山帯をもつ山岳のブナ林に多くみられ、より高海抜地のブナ林下位単位の識別種となる。

このように、わが国のブナ林群落は隣接する群落との種間関係の中に発達しているもので、隣接群落の種の侵入と生育はブナ林の立地環境を反映すると同時に、ブナ林群落の組成的分化、群落組成の多様化に貢献している。

*ブナ林の群落体系

ここではこれまでの検討結果を基に、わが国のブナ林群落の植物社会学的体系と群落の特徴について群集とそれ以上の植生単位について記載、考察する。

2.太平洋側のブナ林の群集

A.ブナ−シラキ群集 (Sapio japonici-Fagetum crenatae, Sasaki,Yo. 1970)  (Table 1,Run. no.1-13)

標徴種: シロモジ、ベニドウダン、コハクウンボク、ウスゲクロモジ、ヒナスゲ

Synonym: ブナ―スズタケ群集; 鈴木(1950)、苅住(1956)、鈴木・真柴(1959)、生野・羽田(1961)、古田(1965)、鈴木(1969)、山中(1970)、木下(1973)、小田・大上(1983)、須股・真柴(1984): ブナ−ツクシシャクナゲ群集; 山中(1970)、小田・大上(1983): ヤマボウシ―ブナ群集;宮脇・藤原(1978a): ブナ―ツクバネウツギ群集; 金岡・中西(1985): ツガ―コカンスゲ群集; 木下(1976): ブナ―ウラジロモミ群集; 金岡・中西(1985): ウラジロモミ−ブナ群集; 菅沼・鶴田(1975)

分布域: 九州、四国、紀伊半島全域、六甲山、鈴鹿山脈(竜ヶ岳)、愛知県段戸山、茶臼山

試料数: 432

組成表に含まれる資料(文献番号): 1, 7, 8, 11, 12, 13, 20, 32, 51, 52, 53, 54, 56, 58, 59, 60, 61, 63, 64, 65, 66, 67, 71, 74, 75, 85, 90, 92, 97, 100, 121, 122, 124, 128, 129, 132, 133, 134, 140, 147, 148, 149, 150, 151, 152, 162, 167, 172, 174, 176, 179, 186, 187, 190, 191, 201, 202, 208

平均出現種数: 27.3(3〜69)

この群集は日本の最も西に分布するブナ林群集であり、地理的に中国、台湾と近い位置にあるが、組成的にも関係が強く近縁な常緑広葉樹やソハヤキ要素と呼ばれる落葉樹や草本を含む。この群集の地理的分布域はSasaki,Yo.(1970)により九州、四国とされた。その後、地域開発コンサルタンツ(1973)、宮脇ら(1976a),(1977a),(1980),宮脇編(1981),(1982),(1984)、村田・岸間(1976), 金岡・中西(1985)などによって紀伊半島以西でこの群集が報告された。さらに、宮脇ら(宮脇編、1985)によって東海地方(愛知、静岡)にまでこの群集の分布域が拡大されている。今回の研究で認められた群集分布域も宮脇らと同じであり、六甲山、鈴鹿山脈の竜ヶ岳、愛知県の段戸山、茶臼山を結ぶ線を北、天竜川を東のそれぞれ境としている。

この群落は広い分布域をもち、低海抜地では常緑広葉樹のシキミ、アカガシ、ヒサカキ、ウラジロガシ、シロダモ、ハイノキ、ヤブツバキなどを含む。これは常緑のアカガシ亜属の種を含む中国大陸のブナ林(中国植被編集委員会、1980)とわが国のブナ林の歴史的関係の強さを示すものである。また、一方では第三紀の遺存種としての性質をもつカヤ、モミ、ツガ、イヌガヤなどのこの群集内での生育も特徴である。高木層にはブナとヒメシャラの生育が目だち、その下にはスズタケの層に接するようにシロモジ、タンナサワフタギの層が形成されるのが一般的である。

この群集には次のa.典型亜群集 (Table 1, Run.no.1-5)、b.オマルバノテンニンソウ亜群集 (Table 1, Run.no. 6,7)、c.ニシノヤマタイミンガサ亜群集 (Table 1, Run. no.8,9)、d.オオイタヤメイゲツ亜群集 (Table1, Run.no. 10-13)の4亜群集が区分された。



B.ブナ−ヤマボウシ群集 (Corno-Fagetumcrenatae Miyawaki, Ohba et Murase 1964)  (Table 1. Run.no. 14-24)

標徴種: マメザクラ、サラサドウダン、カジカエデ、ミヤマクマザサ、ゴンゲンスゲ

Synonym: ブナ−ツクバネウツギ群集; Sasaki,Yo.(1970),奥富・松崎(1974): ブナ―コアジサイ群集; 高木・遠山(1987): ブナ―スズタケ群集; 鈴木・蜂屋(1950)、高木・遠山(1987): オオモミジガサ―ブナ群集; 宮脇ほか(1964), 宮脇編(1972)、 宮脇ほか(1977b)

試料数: 257

組成表に含まれる資料(文献番号): 21, 55, 78, 80, 84, 93, 105, 118, 143, 170, 181, 192, 209

平均出現種数: 32.4 (9〜81)

この群集は宮脇ら(1964)によって、神奈川県の丹沢・大山で記載されたものである。その後、この群集は宮脇ら(1969a,1969b,1971a,1977b,1982a), 宮脇編(1972),羽田ら(1970),宮脇・村上(1987)などによって関東、東海地方から報告されている。今回の検討の結果、この群集の分布域は天竜川を境としてその流域の秋葉山、身延山地の笹山、(甲府)、(大月)、三頭山、多摩川を結ぶ線の南側地域にある。この分布域は前川(1949)のフォッサマグナ地域とほぼ一致する。奥多摩(三頭山、鷹巣山)ではこの群集は、より内陸部に発達するブナ−スズタケ群集と地形的に住み分け、その群集に対してはアブラチャン、ヒメシャラ、イヌツゲなどが識別種となる。この群集は一般に湿潤温暖な海洋性気候の影響下にある山岳に発達し、組成的にも湿潤立地を指標する種を多く含む。この群集の中には次のa.典型亜群集(Table 1, Run.no.14-18)、b.ミヤマクマザサ亜群集 (Table 1, Run.no.19-21)、c.ヤマタイミンガサ亜群集 (Table 1,Run.no.22-24)の3亜群集が区分された。



C.ブナ−スズタケ群集 (Sasamorpho-Fagetumcrenatae Suz.-Tok. 1949)  (Table 1, Run.no.25-30)

標徴種: 特有な標徴種をもたない典型群集

Synonym: ブナ−ミヤコザサ群集; 薄井(1972),(1974); Sasaki,Yo.(1970): ブナ−チシマザサ群集; 薄井(1974): イヌブナ−ブナ群集; 羽田ほか(1970): ヤマボウシーブナ群集; 宮脇ほか(1977b)、 羽田ほか(1970); 村上・宮脇(1988): ブナ−イヌブナ群集; Sasaki,Yo.(1970)、武田・生田(1986): イヌブナ−モミ群集; 武田・生田(1986): コカンスゲ−ツガ群集; 村上・宮脇(1988)

試料数: 219

組成表に含まれる資料(文献番号): 14, 15, 17, 18, 21, 50, 72, 76, 77, 84, 93, 103, 111, 123, 125, 144, 153, 170, 185, 193, 198, 199, 200

平均出現種数: 28.7(7〜65)

この群集は中部地方の天竜川流域において鈴木(鈴木、1949a)によって、記載されたものである。その後、薄井(1958)が奥日光湯西川、浅野(1972)が南アルプス、宮脇編(1985)が中部地方でこの群集を報告している。今回の検討の結果、この群集は特徴的な標徴種をもたない典型群集として位置づけられた。この群集の分布の西端は岐阜県笠置山、恵那山にあり、そこから北の野麦峠、松本市、菅平、三国峠、赤城山、男体山、那須岳、福島、仙台を結んだ線の南の山岳に広く分布する。この群集は日本海側のブナ林であるブナ−チシマザサ群集と分布域が接しているため、その群集に常在的なハウチワカエデ、シノブカグマなどの種群6の種を含むことが一般的である。一方、南は前述のブナ−ヤマボウシ群集の分布域に接する。この群集は北関東の山岳から阿武隈高地を経て仙台以北にも分布し、船形山の太平洋側、一関周辺の山岳、それ以北では太平洋沿岸地域に狭い分布域をもつようになり、室根山、五葉山、高滝森などにまで分布する。このように、この群集は内陸部から沿岸まで、中部、関東地方内陸部から、東北地方まで広い地域に分布しているために組成的にも変異が大きい。多くの場所でウラジロモミ、コメツガなど針葉樹を高木に含み、亜高木層の発達が悪い。林床にはスズタケ、ミヤコザサのササの発達が良好である。

この群集はa.典型亜群集 (Table 1, Run.no.25-28),b.アブラツツジ亜群集 (Table1,Run.no.29), c.アオキ亜群集 (Table1, Run.no.30)の3亜群集が区分されている。



T.ブナ−スズタケ群団( Sasamorpho-Fagion crenatae, Miyawaki, Ohba et Murase 1964)

標徴種: スズタケ、ツクバネウツギ、ヒメシャラ、イトスゲ、シラキ、ウラジロモミ、ゴヨウツツジ、ミヤコザサ、オオモミジ、トウゴクミツバツツジ、ヤマボウシ、タンナサワフタギ、ヨグソミネバリ、オオイタヤメイゲツ、ナツツバキ、クマシデ、クロモジ、オトコヨウゾメ

分布域: 九州、四国、本州の太平洋側山地

試料数: 908

この群団は太平洋側地域に分布する3群集のブナ林群落を包括するものである。上記の標徴種をもつが、その一部(種群3-b)は中国地方のブナ林にまで侵入、生育している。この群団の最大の特徴は地理的な組成分化が進んでいることである。これは日本海側のブナ−チシマザサ群団との際だった相違であり、地理的に広いことによる気候的、地質的な変異に加えて、植生発達の歴史を反映した結果である。

この群団に含まれる群集に共通する構造的特徴は、高木層においてブナに常緑広葉樹あるいは常緑針葉樹が混生し、低木にスズタケ(時に、ミヤコザサ、クマイザサ)が生育することにある。

3.日本海型のブナ林の群集

D.ブナ−クロモジ群集 (Lindero umb-ellatae-Fagetum crenatae, Horikawa etSasaki, 1959)  (Table 1, Run.no.31-43)

標徴種: ムラサキマユミ、フウリンウメモドキ、チャボガヤ

Synonym: ブナ−チシマザサ群集; SASAKI,Yo.(1957), (1964), 佐々木(1958), 中西ほか(1970), 清水・越智(1974): ブナ−ムラサキマユミ群集; 西本・中西(1984): マルバマンサク−ブナ群集; 宮脇・奥田(1975),宮脇ほか(1979): ヒメアオキ−ブナ群集; 宮脇編(1984)

分布域: 中国地方全域、近畿地方日本海側、能登半島を含む北陸低地

試料数: 777

組成表に含まれる資料(文献番号): 9, 10, 16, 17, 22, 23, 26, 32, 37, 38, 62, 69, 70, 88, 89, 99, 113, 130, 132, 135, 141, 161, 162, 163, 164, 165, 166, 168, 175, 194, 195, 197, 203, 206, 207

平均出現種数: 30.6(6〜70)

この群集は堀川・佐々木(1959)によって、広島県北部、芸北地方・三段峡で記載されたものである。その後、宮本(1963,1970), Sasaki,Yo.(1970),鈴木(兵)ほか(1973),清水・越智 (1974), 宮脇ら(1974b), Toyohara(1977), 滋賀県植生研究会(1979), 中西ら(1979), 小林ら(1979), 石橋(1981), 石橋・鈴木(1982), 西本・中西(1984)も中国山地の各山岳でこの群集を報告している。この群集は三種の標徴種を持ち、加えて太平洋側のブナ―スズタケ群団と日本海側のブナ―チシマザサ群団の標徴種を併せもっていることに特徴がある。さらに、全体の組成から判断して、この群集は組成的にブナ−スズタケ群団とブナ−チシマザサ群団の移行部分の性質をもつ群集といえる。群集の分布の北限である北陸地方低地ではブナ―チシマザサ群集と接するが、この群集で太平洋側ブナ林構成種が多く存在することで容易に区別できる。

この群集の分布域内では西中国山地から北陸地方にまで移るに従い、組成の地理的変異が生じている。Sasaki(1970)は兵庫県の氷ノ山を境界として氷ノ山以西をブナ―クロモジ群集、以東をブナ―オオバクロモジ群集としで区分した。その後、西本・中西(1984)は日本海要素の植物の各山岳での出現種数の相違でブナ―クロモジ群集とは別のブナ―ムラサキマユミ群集を提案し、人形峠を境として西をブナ―クロモジ群集、東から両白山地南西部までをブナ―ムラサキマユミ群集の分布域とした。今回の組成の検討でも大山と毛無山の西を境として群団標徴種の出現の大きな境界があり、さらに一部の種は比婆山にまで分布する。このように日本海側に特有な種は西に向かって徐々に減少しており地理的変異を起こしたとみる群集区分もここに根拠がある。組成的性質からみると、日本海型ブナ林の構成種であるチシマザサ、ヒメモチ、ヒメアオキ、ハイイヌツゲ、ハイイヌガヤ、エゾユズリハ、オオバクロモジなどは東部から西部に向けての減少に対して、太平洋型ブナ林の構成種であるタンナサワフタギ、オオイタヤメイゲツ、クロモジ、ヤマボウシなどの種の西での増加として現れている。

この群集はa.典型亜群集 (Table 1, Run.no.31-34),b.ジュウモンジシダ亜群集 (Table1, Run.no.35,36),c.ダイセンミツバツツジ亜群集(Table 1,Run.no.37,38),d.ホツツジ亜群集(Table 1, Run.no.39-43)の4亜群集が区分されている。



E.ブナ−チシマザサ群集 (Saso kurilen-sis-Fagetum crenatrae Suz.-Tok., 1949)  (Table1, Run.no.44-63)

標徴種: アカイタヤ、ムラサキヤシオ、ミネカエデ

Synonym: ヒメアオキ―ブナ群集; 宮脇ほか(1968), 宮脇・藤原(1970), 宮脇ほか(1971c), 信州植物生態研究グループ(1971),新潟県上越生態研究会(1972),宮脇ほか(1973), 大場(1973), (1974a), 石川(1975a,1975b,1975c,1975d),宮脇・藤原(1976b),宮脇ほか(1977b),宮脇ほか(1978),大場ほか(1978),宮脇・藤原(1979),羽田ほか(1970),宮脇・佐々木(1980),宮脇ほか(1980), 宮脇ほか(1982b), 宮脇編(1984),(1986),西本・中塚(1987): ブナ−ヒメアオキ群集; 武田・生田(1986): マルバマンサク―ブナ群集; 宮脇ほか(1968),信州植物生態研究グル―プ(1971), 大場(1973),宮脇ほか(1974a),石川(1975c),宮脇・藤原(1976),宮脇ほか(1977b),(1977c), 宮脇ほか(1978b), 大場ほか(1978), 宮脇・藤原(1979),羽田ほか(1970),宮脇・佐々木(1980),宮脇ほか(1980),宮脇ほか(1983),宮脇ほか(1984a), 宮脇編(1986), 西本・中塚(1987): ブナ―オオバクロモジ群集; Sasaki,Yo.(1970), 福嶋ほか(1973), 石川・斉藤(1977),福嶋(1981),Huku-shima (1982),福嶋・梨本(1982),福嶋ほか(1984),福嶋ほか(1986),Fukushima & Kershaw(1988),高谷ほか(1982),高谷ほか(1986),斉藤(1981),: オオバクロモジ―ブナ群集; 羽田ほか(1970): ブナ−アオトド群集; Sasaki,Yo.(1970): ミズナラ−イヌドウナ群集; 武田・生田(1986): ブナ−ツクバナンブスズ群集; 武田・生田(1986): ユキツバキ―ブナ群集; 宮脇編(1987)

分布域: 北陸の両白山地から東北、北海道渡島半島

試料数: 1032

組成表に含まれる資料(文献番号): 3, 4, 5, 6, 9, 10, 14, 15, 16, 17, 18, 21, 24, 25, 27, 28, 29, 30, 31, 35, 39, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 48, 49, 50, 57, 68, 73, 76, 77, 79, 82, 83, 87, 91, 92, 94, 96, 98, 101, 102, 106, 107, 109, 112, 116, 119, 125, 126, 136, 137, 138, 139, 142, 144, 145, 146, 154, 155, 156, 157, 159, 160, 169, 173, 178, 180, 182, 183, 184, 185, 188, 189, 196, 197, 200, 204, 205

平均出現種数: 31.2(5〜78)

鈴木(1949b)が日本海型のブナ林として、北海道桧山でブナ−チシマザサ群集を記載した。その後、尾瀬(Suzuki,1954a), 月山 (鈴木ら,1955), 奥日光(薄井,1955,1974), 越中朝日岳(山崎・長井,1960), 鳥海山(結城,1963), 白山(鈴木,1970), 北海道渡島半島(福嶋ら,1984; 武田・中西,1984;宮脇編,1988)でこの群集が報告されている。

宮脇ら(1968)は越後三山の調査結果を基に、日本海側のブナ林が垂直的、あるいは、立地的な組成の変異を起こしていることを認めて2群集、ヒメアオキ−ブナ群集、マルバマンサク−ブナ群集を設定した。彼と彼の共同研究者はこの群集概念でその後の群落解析を行ってきた。また、これとは別にSasaki,Yo(1970)はこの群集の分布域内にブナ−オオバクロモジ群集とブナ−アオトド群集に区分し、遊楽府岳一帯のみに後者の群集を認めた。

今回の組成表検討の結果、宮脇らの群集もSasaki,Yo の群集も明確なタイプとしては抽出されなかった。確かに、厚い植生帯をもつ本州のブナ林では高度の変異と地形的変異を起こしている。また、広範に分布することから地理的変異を起こしていることも事実である。しかし、その変化は群集としての独立性に乏しく、亜群集レベルの単位として位置づけられた。

この群集はa.典型亜群集(Table 1,Run.no.44-53)、b.アカシデ亜群集(Table1, Run.no.54,55)、c.トチノキ亜群集(Table 1, Run. no.54,55)、d.ツクバナンブスズ亜群集(Table1, Run. no.60,61)、e.アオモリトドマツ亜群集(Table 1,Run.no.62,63)の5亜群集を含んでいる。

U.ブナ−チシマザサ群団 (Saso-Fagioncrenatae Miyawaki, Ohba et Murase 1964) (Table1, Run.no.31-63)

標徴種: ハウチワカエデ、アズキナシ、ハイイヌガヤ、ハイイヌツゲ、ヤマソテツ、エゾユズリハ、アクシバ、ツルアリドオシ、オオバクロモジ、チシマザサ、ヒメモチ、ヒメアオキ、ヤマモミジ、ウワミズザクラ、ハクウンボク、タムシバ、チマキザサ、タチシオデ、ミヤマカタバミ、スギ、アケボノシュスラン、マルバフユイチゴ、ミヤマシグレ、マルバマンサク、ホソバカンスゲ、ユキツバキ

分布域: 中国地方から東北地方の日本海側山地および北海道渡島半島西南部

試料数: 1809

この群団は中国地方から日本海側山地を経て北海道西南部にまで広がる日本海型ブナ林の2群集から構成される。群団標徴種は地理的な分布域を異にする種の集合である。標徴種と分布する地理的位置の関係を見ると、種群6-aのハイイヌガヤからアケボノシュスランまでの9種は群団分布域に偏りなく分布し、最も明瞭なこの群団の標徴種である。6-bのタムシバ以下の7種は東北地方北部から北海道にかけて弱化、欠如し、6-cは逆に中国地方西部で弱化、欠如する。6-dのハウチワカエデからハクウンボクまでの7種は隣接する太平洋側のブナ−スズタケ群集にまで侵入するが、いくつかの種は中国地方、北海道のいずれかの地域に欠如、弱化している。この群団は多くの標徴種をもつが、それらは分布の地理的に分布域を異にしており、全ての種が生育する北陸から東北の日本海側山地がこの群団の本拠地である。

群団標徴種の内に日本海型気候に適応したヒメモチ、エゾユズリハなど常緑地這植物を含むことが特徴である。また、太平洋側の針葉樹とは異なるスギ、北限近くでヒバを混成する。

この群団では太平洋側と同じ常緑広葉樹を含むことはきわめて稀であるが、中国地方の日本海に面した三徳山(佐々木、1958)、北陸の能登半島などでは太平洋側山地と同じアカガシ、ソヨゴなどの常緑広葉樹の侵入と生育がみられる。構造的にもブナとハウチワカエデ、マルバマンサなどの高木、亜高木の結び付きと、第一低木層のチシマザサ、クマイザサ、チマキザサ、日本海要素の常緑地這性低木の第二低木層を形成する。



ブナ−ササオーダー (Saso-Fagetalia cre-natae Suz.-Tok. 1966)

標徴種および区分種: ブナ、ツクバネソウ、コシアブラ、ミヤマガマズミ、ハリギリ、ホオノキ、シナノキ、ユキザサ、ミヤマイタチシダ、ウリハダカエデ、コハウチワカエデ、コミネカエデ、クマイザサ

このオーダーはブナ林としての相観を示す森林であり、組成的にも構造的にもブナの優占する森林そのものである。このオーダーはブナクラスの中心であり、ヨーロッパのブナ林、中近東のブナ林、東アジアのブナ林、北米のブナ林との組成的、構造的比較において重要な基準となる単位である。この標徴種は同じ植生帯で隣接する3オーダーに含まれる群落(Sasaki,Ya.,1979;Ohno,1983;Ishibashi,1979;奥富・星野、1983;星野・奥富、1984など)と筆者らの資料との組成比較で求められたブナ林に適合度の高い種である。これらの種は乾性、湿性立地の両極端に偏らず、中庸からやや湿性立地に分布の中心をもつことに共通性がある。



ブナ クラス (Fagetea crenatae, Miyawaki,Ohba et Murase, 1964)

標徴種および区分種: ゴトウヅル、アオダモ、ツタウルシ、ツリバナ、イワガラミ、ミズナラ、イタヤカエデ、チゴユリ、リョウブ、ツノハシバミ、サワシバ

このクラスはわが国の落葉広葉樹林を代表するもので、今回の検討で抽出されたクラス標徴種は、わが国のブナ林での解析結果と広域的に研究された隣接群落の資料(宮脇ら、1971b;Jinno & Suzuki, 1973;服部・中西、1983;中村、1986)と筆者らのもつ資料との組成比較において決定されたものである。この標徴種はブナクラスを構成する3オーダーに共通する種であり、同時に他のクラスで明らかに適合度の低い種である。このクラスはブナ属とササ属、その近縁属の種の結びつきに特徴があり、中国のブナ林(中国植被編集委員会、1980)、台湾のブナ林(鈴木、1954b)、ウルルン島(Kim、1988)を含めた東アジアのブナ林全体を包括する単位である(鈴木、1966)。これに加えて、わが国にみられるこのクラスでは他の東アジアのブナ林では見ることができない第三紀の遺存植物であるモミ、ツガ、ウラジロモミ、ハリモミ、ヒノキなどの針葉樹(堀田、1974)がブナと共存していることも特徴である。

以上の検討結果から、日本のブナ林の群落体系は以下のように整理された。

ブナ クラス (Fagetea crenatae, Miyawaki, Ohbaet Murase,1964)

ブナ―ササオーダー (Saso-Fagetalia Suz.-Tok.,1966)

T.ブナ―スズタケ群団 (Sasamorpho-Fagion crenatae, Miyawaki, Ohba etMurase, 1964)

A.ブナ―シラキ群集 (Sapio japonici-Fagetum cre-natae, Sasaki, Yo., 1970)
    a.典型亜群集
    b.オオマルバノテンニンソウ亜群集
    c.ニシノヤマタイミンガサ亜群集
    d.オオイタヤメイゲツ亜群集

B.ブナ―ヤマボウシ群集 ( Corno-Fagetum crenatae, Miyawaki, Ohbaet Murase, 1964)
    a.典型亜群集
    b.ミヤマクマザサ亜群集
    c.ヤマタイミンガサ亜群集

C.ブナ―スズタケ群集 (Sasamorpho-Fagetum crena-tae, Suz.-Tok.,1949)
    a.典型亜群集
    b.アブラツツジ亜群集
    c.アオキ亜群集

U.ブナ―チシマザサ群団 (Saso-Fagioncrenatae, Miyawaki, Ohba etMurase,1964)

D.ブナ―クロモジ群集 (Lindero umb-ellatae-Fagetum crenatae, Horikawa et Sasaki,1959)
    a.典型亜群集
    b.ジュウモンジシダ亜群集
    c.ダイセンミツバツツジ亜群集
    d.ホツツジ亜群集

E.ブナ―チシマザサ群集 (Saso kuri-lensis-Fagetum crenatae, Suz.-Tok.,1949)
    a.典型亜群集
    b.アカシデ亜群集
    c.トチノキ亜群集
    d.ツクバナンブスズ亜群集
    e.アオモリトドマツ亜群集

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表1 日本のブナ林群集の総合常在度表(PDF/249KB)
日本のブナ林群集の分布
日本のブナ林群集の分布
付録: 組成表作成に用いたブナ林資料を含む文献(著者らの資料を除く)
本文中に文献番号として提示してある。

付録:組成表作成に用いたブナ林資料を含む文献(著者らの資料を除く)  本文中に文献番号として提示してある。
付録 続き1
付録 続き2
付録 続き3
付録 続き4
付録 続き5
付録 続き6
付録 続き7

Summary

Phytosociological classifications were done to revise and coordinate the beech forest associations already identified in Japan. Using the Braun-Blanquet method, reports by different authors as well as our invesitigations resulted in a total of 2717 releves. These were used to construct a vegetation table that produced five beech forest associations. The associations are 1.Sapio japonici- Fagetum vrenatae, 2.Corno- Fagetum crenatae, 3.Sasamorpho- Fagetum crenatae, 4.Lindero umbellatae- Fagetum crenatae and 5.Saso kurilensis- Fagetum crenatae. Associations 1,2 and 3 belong to the alliance, Sasomorpho- Fagion crenatae that distributes to the Pacific sea side, while 4 and 5 distributing to the Japan sea side belong to the alliance, Saso- Fagion crenatae. These alliances are of the order, Saso- Fagetalia and class, Fagetea crenatae. On the Pacific sea side, there were more floristic variations because there are many unconnected mountains with their characteristic floras. Here, association 1 distributes mainly in Kyushu, Shikoku and Ki-penisula. It is characterised by the Sohayaki elements which is historically related to that of East Asia. Association 2 distributes mainly in Fuji Volcanic Area with the characteristic features been Fossa Magna elements. Association 3 distributes mainly from Chubu to Kanto region in the inland with an extension into the middle part of Tohoku region. Its floristic composition represents the typical Pacific Sea side beech forest. On the Japan Sea side, there were less floristic variations because the area covered is extensive and occurs within a wide altitudinal range with heavy snow deposition. Here, association 4 distributes from Chugoku region up to the low altitude areas of Hokuriku region. Its floristic composition is basically of the Japan Sea elements with some Pacific Sea side flora. Association 5 distributes from Hokuriku region through Tohoku, up to southwest Hokkaido. And floristically this is typical Japan Seaside.

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