私たちは暮らしを支える日本の自然の豊かさ=生物多様性を守りたい。
戦後まもない1949年、発電所建設でダムの底に沈もうとしていた尾瀬を守るため、生物学者や登山家などを中心に「尾瀬保存期成同盟」が結成されました。その2年後、広く日本の自然を守ろうと「日本自然保護協会」と名前を改め、以来、尾瀬、知床、白神山地など日本を代表する自然をはじめ、各地の森、里やま、川、海辺の生態系や野生動植物の生息・生育地など、幅広い自然保護活動に取り組んできました。
日本自然保護協会は、人の生活を支える自然環境の豊かさを守りたいと思っています。私たちの暮らしは、自然がもつさまざまな機能によって支えられています。たとえば食料や水、木材などの供給的機能、気候や水流などの調節的機能、農業には欠かせない栄養などの物質を循環させる基盤的機能、文化や芸術、レクリエーションなどの精神活動の源となる文化的機能など、どれも私たちが生きていくために不可欠なものです(これらの機能は生物多様性が持つ生態系サービスと呼ばれています)。
これらの機能は、たとえばある1種類の動物を守る…ということだけでは維持できません。人間を含め、動物、植物、菌類など生きものが生き続けられる環境を丸ごと守るために、日本自然保護協会は、生物多様性を守り、自然のしくみを生かした社会づくりにむけて、半世紀以上前の設立当初から活動してきました。
日本自然保護協会は、人々の暮らしにも必要な自然の豊かさが持つしくみや機能が壊されるような開発行為は、行政、民間企業を問わず反対をしてきました。しかし反対だけではなく、どうしたら壊さないで済むか、ということを同時に提案し続けてきた団体です。こうした活動に賛同してくださる方々が入会やご寄付をしていただくことで支えられている組織です。役員、職員には政府からの天下りを受け入れていません。
自然のしくみを生かした社会づくりのため、行政機関や企業ではできない提言をするNGOです。
自然環境を守るために必要な社会づくりには、行政の縦割りの構造は非常に不都合です。また、全国各地で同じような自然保護問題の解決には、国全体としてのしくみづくりが必要です。東京に事務局を持ち全国からの情報が収集できる地の利を活かし、特に中央省庁、政府に対して積極的に意見や提案を出しています。
など
NGOは非政府組織、NPOは非営利団体の意味です。日本自然保護協会は非政府組織であり、非営利団体です。NPOの中には1998年に制定された特定非営利活動促進法によって、NPO活動に必要な法人格を持つNPO法人もあります。 日本自然保護協会は、このNPO法人ではなく、財団法人という法人格を持っています。財団法人は個人や法人から寄付された財産で設立され、この財産につく金利を主な財源として運営する法人のことです。日本自然保護協会は特に公益性の高い団体として「特定公益増進法人(免税団体)」に認定されています。もちろん「天下り団体」ではありません。
現場の問題解決のため調査研究をして科学的根拠をつくります。
共通課題を全国レベルで解決するには、広域の調査研究が必要です。設立当初からかかわる尾瀬国立公園をきっかけに、日本の自然公園のあり方を調査研究し科学的な根拠に基づく管理への提言を行い続けてきました。また種の保存法成立のきっかけとなった、植物のレッドデータブック(RDB)を全国の研究者との協力でつくりあげるなど、長年の専門性の高いネットワークをいかして調査研究に取り組んでいます。自然のしくみを解明し、異変をとらえる地道なモニタリング調査を継続すると同時に、よりきめ細やかに状況を把握する市民参加のモニタリング手法の開発・普及にも取り組んでいます。
無駄な公共事業や、自然のしくみを壊す開発計画から免れた自然には、私たちの暮らしを支えてくれる自然環境の豊かさが潜在的に保たれています。この豊かさを引き出し、持続可能な社会づくりを実践するためのモデル事業(赤谷プロジェクト、綾の照葉樹林プロジェクト、小笠原プロジェクト)を行っています。
日本自然保護協会
(NACS‐J)管理部
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