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    <title>河川生態系の保全・ダム問題</title>
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    <updated>2010-08-16T07:33:21Z</updated>
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    <title>国交省の「今後の治水対策のあり方について」中間報告案に意見を提出しました。</title>
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    <published>2010-08-16T02:41:09Z</published>
    <updated>2010-08-16T07:33:21Z</updated>

    <summary><![CDATA[「今後の治水対策のあり方について&nbsp; 中間とりまとめ（案）」に関する意見...]]></summary>
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        <name>管理者</name>
        
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        <category term="活動報告" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/">
        <![CDATA[<div align="right"><br /></div><div align="center"><b><font style="font-size: 1.25em;">「今後の治水対策のあり方について&nbsp; 中間とりまとめ（案）」に</font></b><br /><b><font style="font-size: 1.25em;">関する意見</font><br /><br /></b><div align="left"><br /><div align="right">NACS-J保護プロジェクト部<br />部長　大野正人<br /></div><br /><br /><div align="right">＊ （ ）は、中間報告案の該当箇所<br /></div><br /><b>1） 河川管理の根本を見直し生物多様性の損失を止めることへつなげる （全般）</b><br />ダム・堰は、川の連続性を断絶し本来もつ川の機能を損ない、流域から海域の生物多様性の損失、地域生活に関わる生態系サービスを低下させてきたことを、NACS-Jは長良川、川辺川など河川問題の都度訴えてきた。この反省に立ち、治水のあり方はじめ河川管理の根本を見直さなければ日本の生物多様性の損失は止まらない。「中間まとめ」はこの認識が欠如しており、生物多様性条約締約国会議議長国として政府の姿勢を疑う。<br /><br /><br /><b>2） 総合的治水策を具体化せず既存ダム事業を温存してきた原因をまず検証する（P4、P5）</b><br />「従来行ってきた治水政策を構造的に幅広く再検討し、今後の国土の持続的発展に適合する治水のあり方が問われなければならない」と高らかに理想をあげたにも関わらず、「できるだけダムによらない治水」策は、2000年の河川審議会中間答申「流域での対応を含む効果的な治水のあり方」の枠を出ていない。有識者会議は、なぜこの総合的治水策を積極的に地域の施策に具体化せずに、既存ダム事業を温存してきたかをまず追求すべきだ。<br /><br /><br /><b>3） 基本高水、河川整備計画の目標設定にメスを入れなければダム追認が続く（P5、P13）</b><br />これまでダム事業の位置づけは、河川整備基本方針の基本高水流量の設定のもと確定されてきた。基本高水自体、算定に曖昧さや恣意性から説得性に欠けると指摘され不信感が強くある。有識者会議は、問題の根源となる基本高水、河川整備計画の目標に何らメスをいれた議論をしていないため、河川管理者が示す「ダムによらない治水」策やコスト算出にこれまで同様に説得力を持たない。個別ダム検証はダム事業追認の機会にしかならない。<br /><br /><br /><b>4） 既存の事業評価委員会に判定を委ねても第三者性は担保されない（P16）</b><br />個別ダムの検証は「事業の再評価の枠組み」（事業評価監視委員会）を適用するとしているが、「公共事業の効率性」と「実施過程の透明性」の向上を図ることが目的であり、代用できるものではなく対応方針（案）の判定は難しい。また、この再評価システムが機能していれば、これだけ多くのダム問題はもう少し改善しているはずだ。また、検討主体が河川管理者であるために、再評価委員会を活用したとしても、第三者性は何も担保されない。<br /><br /><br /><b>5） 相変わらず住民、市民の意見は聞き置かれるのか（P18）</b><br />個別ダムの検証に当たっては、パブリックコメントの募集、関係住民の意見を聴くこととしてあるが、どのように意見反映するのか、また、同意形成、意志決定をしていくのを明確にすべきである。でなければ、「関係地応公共団体からなる検討の場」でダム事業に批判的な学識経験者、関係住民、NGOの意見は、ただ聞き置かれるだけで、何も問題は解決せず、地域社会から受け入れられるものには到底なりえない。<br /><br /><br /><b>6）本気で遊水池を考えるなら、縦割り行政の枠を越える姿勢が必要（P21、29）</b><br />治水対策案の立案において、「遊水池（調整池）等」と「水田等の保全」があげられているが、「雨水の一時貯留」にとどまり、氾濫源湿地だった低地の水田・畑地の遊水池利用については何も触れられていない。災害時の作物の補償などを含めれば、地域で現実的な治水策として考えやすいが、農業関係者との調整を努力するまでにも至っていない。総合的な治水策は縦割りの行政の枠を越えるものを示さなければ、ダムに回帰するだけである。<br /><br /><br /><b>7） ダイナミズムを考慮した河川環境、生物多様性を評価軸にすえる（P40、41、55）</b><br />評価軸に「生物多様性の確保」として生態系や重要種への影響を明らかにすることがあげられている。その際、河川が本来もつダイナミズムを十分に考慮し、影響評価すべきである。大水によって変化する環境に依存する動植物種が河川生態系を形成し、それこそ確保しなければならない「河川の生物多様性」である。ダムによる治水が河原を固定化し、治水により失われた後背湿地や塩性湿地などは、生物多様性のホットスポットである。<br /><br /><br /><b>8） 期限も基準も不明確で時の大臣が判断つけるのは難しい（P61）</b><br />国土交通大臣が有識者会議の意見を聞いて最終的な判断をするとしている。この検証手順であっても、十分に熟議を重ねるならば、短期間に地域で検討結果を出せるものでは到底ない。「概算要求等の時期までに判断する」と具体的な年次期限を明記していないうえに大臣の判断基準も明確ではない。法定の審議会でもない非公開の「有識者会議」が時の大臣によって機能するのかも定かではなく、システム自体が機能不全を起こすに違いない。<br /><br /><div align="right">以上<br /><br /><br /><br /><div align="left"><a href="http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/tisuinoarikata/index.html" target="_blank">●国土交通省「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」はこちら　</a><br /><a href="http://www6.river.go.jp/riverhp_viewer/entry/y2010e548b916bc9c018cb393976475cb9c8ef06f25728.html" target="_blank">●「今後の治水対策のあり方について 中間とりまとめ（案）に関する意見募集について」はこちら</a><br /></div></div></div><div align="right"><b></b></div></div>]]>
        
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    <title>山から海への自然のつながりを取り戻す</title>
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    <published>2009-07-05T13:52:22Z</published>
    <updated>2009-07-05T13:53:14Z</updated>

    <summary>2001年長野県の田中知事の脱ダム宣言以来、地方自治体でも「脱ダム」の動きは加速...</summary>
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        <name>管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="活動のこれから" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/">
        <![CDATA[2001年長野県の田中知事の脱ダム宣言以来、地方自治体でも「脱ダム」の動きは加速し、不要なダム計画の見直す県も増えつつあります。しかし、計画から60年弱が経ちながら国交省が着工を急ぐ八ツ場ダム（群馬県）、県知事が建設反対の立場を表明し、計画は休止中の川辺川ダム（熊本）、建設による治水効果が不透明で乱暴な魚道試験などの問題が指摘されたサンルダム（北海道）など、国の直轄事業であるダム建設の自然環境面からの見直しは遅々としています。流域委員会でも最終意見が河川整備計画に反映されるプロセスが不明瞭で、河川法の改正の趣旨が活かされていないという問題も起きています。<br />また大小さまざまな規模の治水・利水ダム、砂防ダム（国交省所管）、治山ダム（農水省所管）などがコンクリートの耐用年数を迎えつつある今、不要なダム、老朽化したダムの撤去を行い、自然の河川のつながりを取り戻さねばならない時期に来ています。<br />NACS-Jでは、計画中のダムが自然環境に与える悪影響を指摘し続けるとともに、既存のダムの撤去によって流域の生物多様性を取り戻す取り組みも始めています。群馬県のAKAYAプロジェクトでは、治山ダムの撤去による渓流環境の復元に着手しています。<br />今後も山から海までの流域を考え、人の暮らしや営みの持続を支え続けられる自然環境の再生のために、ダム建設の見直し、河川管理のあり方を提言し続けていきます。<br />]]>
        
    </content>
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    <title>長良川河口堰計画で高まった河川保護の機運</title>
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    <published>2009-07-05T13:51:40Z</published>
    <updated>2009-07-05T13:55:06Z</updated>

    <summary>高度成長期、都市への人口集中による水需要の高まりや、平地の洪水の被害を抑制するた...</summary>
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        <name>管理者</name>
        
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        <category term="社会への広がり" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/">
        <![CDATA[高度成長期、都市への人口集中による水需要の高まりや、平地の洪水の被害を抑制するために、「特定多目的ダム法」（1957年）、「水資源開発促進法」（1961年）といった法律が整備されました。川への公共投資は治水・利水を兼ねる多目的ダムや堰の建設に集中していく中で、長良川河口堰の計画が浮上しました。河口堰建設構想が表に出ると、まず流域の漁業協同組合の激しい反対が動き噴き出しました。反対運動はやがて漁業関係者だけでなく、釣りやカヌーを愛好する人たち、研究者、ジャーナリスト、作家、芸術家、弁護士など、広範な人々へ急速に浸透し、建設差し止めのマンモス訴訟にまで発展していきました。しかし、事業主体である建設省・水資源開発公団は計画通りに建設事業を進め、1988年に着工しました。<br />]]>
        
    </content>
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    <title>NACS-J河川問題調査特別委員会の設置</title>
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    <published>2009-07-05T13:51:02Z</published>
    <updated>2009-07-05T13:54:09Z</updated>

    <summary>こうした、巨大開発の進行とＮＧＯの活動、社会的関心の高まりを受け、日本自然保護協...</summary>
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        <name>管理者</name>
        
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        <category term="社会への広がり" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/">
        <![CDATA[こうした、巨大開発の進行とＮＧＯの活動、社会的関心の高まりを受け、日本自然保護協会は1989年末「河川問題調査特別委員会」設置し、下部組織として専門委員会である「長良川河口堰問題専門委員会」を置き、全国の河川をめぐるさまざまな問題について調査・検討を行い、河川環境保全のための新しい指針をまとめました。魚類や植生などの生態学、河川工学、水問題、砂防・災害問題などの専門家が集結し、「河川を上流の森林から海まで一連の生態系として捉える」ための科学的検討を続け、まず長良川河口堰の建設がもたらす環境への悪影響を中間報告としてまとめました。<br />今でいう、「工業事業の見直し勧告」に、事業主体である建設省・水資源開発公団は2ヶ月後に「長良川河口堰について」という文書を発表し、堰着工後にして初めて議論の糸口ができました。その後、NACS-Jは意見書や委員会がまとめた『長良川河口堰事業の問題点　第2次報告書』を携え、地方や本省の河川工学を基礎とする担当者に、河川を分断する治水・利水のあり方が及ぼす影響について、生態学や自然環境保全の面からの解説や説得を行い続けました。<br />]]>
        
    </content>
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    <title>建設省の河川行政のあり方の転換</title>
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    <published>2009-07-05T13:49:07Z</published>
    <updated>2009-07-07T05:41:30Z</updated>

    <summary>こうした長良川河口堰問題の社会的関心の高まりは、建設省内にも旧来型の河川管理の方...</summary>
    <author>
        <name>管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="社会への広がり" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/">
        <![CDATA[こうした長良川河口堰問題の社会的関心の高まりは、建設省内にも旧来型の河川管理の方法に疑問を持つ人々を誕生させました。長良川で指摘された数々の河川管理の問題から、「河川管理計画における環境影響への配慮は、もはや無視できないところにある」という認識は、やがて河川局全体へと広がりました。政府内でも、地球サミットなど国際的な地球環境問題への参画や、「環境基本法」の制定などを受けて、建設行政においても、環境に配慮することを明記した「環境政策大綱」が1994年に建設省決定され、97年の河川法改正で「環境保全」「地域住民の意見の反映」の観点が盛り込まれることへとつながっていきました。<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="DISPLAY: inline"><img class="mt-image-right" style="FLOAT: right; MARGIN: 0px 0px 20px 20px" height="224" alt="長良川河口堰のモニタリング" src="http://61.58.37.173/katsudo/kasen/images/9808nagaragawakakouzeki_syakai.jpg" width="339" /></span>長良川では、その後も建設省、反対し続けたNGO、市民グループ双方によりさまざまな影響調査などが行われつつも、河口堰の建設自体は95年に本格運用が開始されるという結果になりましたが、北海道千歳川放水路計画の中止や全国の巨大ダム・河口堰建設計画の見直しへ大きな契機となりました。国土交通省近畿地方整備局によって設置された淀川流域委員会（2001年設置）など、水系の「河川整備計画の案」の策定時に学識経験者や住民の代表から意見を聴く場がもたれるようにもなり、計画されているダム事業の見直し提言が活発になりつつあります。<br />]]>
        
    </content>
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    <title>河川生態系の保全・ダム問題　活動の概要</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2009/07/post.html" />
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    <published>2009-07-04T07:00:43Z</published>
    <updated>2009-07-04T07:01:15Z</updated>

    <summary>活動の概要...</summary>
    <author>
        <name>管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="活動の概要" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/">
        活動の概要
        
    </content>
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    <title>北海道「天塩川水系サンルダム計画地における絶滅危惧種、カワシンジュガイ類の保全を配慮せずに開始した魚道試験に対する意見書」の提出</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2008/09/post-5.html" />
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    <published>2008-09-10T07:05:31Z</published>
    <updated>2010-04-30T09:08:16Z</updated>

    <summary><![CDATA[20日自然第83号 2008年9月10日 &nbsp;国土交通大臣　谷垣 禎一　...]]></summary>
    <author>
        <name>日本自然保護協会</name>
        
    </author>
    
        <category term="活動報告" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="意見書" label="意見書" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
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        <![CDATA[<p align="right">20日自然第83号</p>
<p align="right">2008年9月10日</p>
<p>&nbsp;国土交通大臣　谷垣 禎一　殿</p>
<p>&nbsp;環境大臣　斉藤 鉄夫　殿</p>
<p align="right">&nbsp;(財)日本自然保護協会</p>
<p align="right">&nbsp;理事長　田畑 貞寿</p>
<p align="center"><strong>天塩川水系サンルダム計画地における絶滅危惧種<br />カワシンジュガイ類の保全を配慮せずに開始した<br />魚道試験に対する意見書</strong></p>
<p align="center"><strong></strong>&nbsp;</p>
<p>当協会は、サクラマスが自然遡上する北海道・天塩川水系サンル川を、河口から渓流までの連続性が確保された生物多様性豊かな河川環境として注目し、2006年5月にサンルダム計画の問題点を指摘し見直しを求める意見書を提出した。しかし、これまでに道内自然保護団体から出された疑問・意見にも十分に応えず、ダム計画を盛り込んだ「天塩川水系河川整備計画」が2007年10月に策定された。国土交通省北海道開発局は、地元漁協の同意のないまま、来年度予算要求に本体着工費用を計上し、ダム着工の準備を進めている。</p>
<p>この度、ダム計画に関わる魚道試験調査が行われたことに対して、生物多様性保全の観点から問題点と意見を下記に述べ、緊急な対応を求める。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p align="center"><strong>経緯</strong></p>
<p align="center"><strong></strong>&nbsp;</p>
<p>天塩川水系流域委員会では、魚道による遡上性魚類の保全対策への懸念が残されたため、「天塩川魚類生息環境保全に関する専門家会議」（座長　辻井達一　北海道環境財団理事長、以下魚類専門家会議）が2007年11月に設置された。魚類専門家会議において、事業者はサクラマスの魚道遡上効果を測るために、サンル川の一部を堰き止める長さ約20mの魚道試験を提案した。この試験は、希少種の取扱いに慎重を期するため、当初予定を延期したものの、9月10日より30日まで実施されている。</p>
<p>ここで問題にあげるコガタカワシンジュガイ（絶滅危惧I類）は、本年8月27日の魚類専門家会議で、ダム計画地に生息していることがはじめて明らかにされたものである。また、魚道試験地の河床において行なわれた採集調査（除去法、2008年6月～8月）では、カワシンジュガイ（絶滅危惧II類）も含めた累計数は517個体と報告されている。その後も採集されたおよそ、計700個体を下流の河床へ移動させた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p align="center"><strong>問題点</strong></p>
<p align="center"><strong></strong>&nbsp;</p>
<p><strong>1.カワシンジュガイ類の生息状況の評価が十分にされていない</strong></p>
<p><strong></strong>&nbsp;</p>
<p>これまでの地元市民団体の調査によっても、様々な大きさのカワシンジュガイ類が確認され、両種がこれだけの高密度で生息していることは、豊富な遡上性魚類によって健全な世代交代が続いていることの証であり、サンル川の河川の連続性が確保され、環境の多様性と生物多様性の豊かさを示す何よりもの証拠である。にもかかわらず、これまでの検討経過では、天塩川流域全体のカワシンジュガイ類の現状評価の材料となる資料・情報が十分に示されていないばかりか、現状保存も選択肢に含めた保全策が検討されていない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>2.カワシンジュガイ類の人為的な移動・移植は生態系の攪乱を起こしている</strong></p>
<p><strong></strong>&nbsp;</p>
<p>カワシンジュガイ類は自身の移動能力が極めて低いため、遡上性魚類に寄生することによって河川の上流部に行き着き、河川増水によって下流側へ移動する性質を持つ。サンル川でも、下流にしたがって大きな個体が見られることが市民団体の調査からも示唆されている。さらに両種の生息適地についても宿主となる魚類の特性によって住み分けている可能性もあり、安易に人為に移動・移植してしまったことは、保全生態学的に二度と現状に戻すことが不可能な攪乱(かくらん)を起こしたといえる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>3.魚類専門家会議による科学的な検討が不十分</strong></p>
<p><strong></strong>&nbsp;</p>
<p>魚類専門家会議の検討の場においては、移動・移植先のカワシンジュガイ類の生息状況、生息適地評価、モニタリングの手法・評価法は明確に示されていない。これら、本来、希少種保全の観点からも科学的に慎重に行わなければならないことを、魚類専門家会議では疎かにしており、この地域のカワシンジュガイ類の個体群への絶滅リスクをあげることにつながりかねない。 また、魚類専門家会議では、2006年にはコガタカワシンジュガイをサンル川で確認していることを委員が発表しており、「天塩川水系河川整備計画」策定時（2003～2007年10月）で、何も触れられていないのは不自然である。環境省によるレッドデータブック見直し発表（2007年8月）後の11月に設置された魚類専門家会議の当初から、絶滅危惧種の指定状況からカワシンジュガイ類の調査・保全についての検討をすることができたはずである。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>4.国の施策としての生物多様性保全の視点が欠如している</strong></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>1997年の河川法改正により、「環境の保全」の観点が加わり、2008年5月制定の「生物多様性基本法」では、国に生物多様性保全の施策の責務があるとし、基本原則では予防原則と科学的な評価による順応的管理がうたわれている。にもかかわらず、この試験魚道の実施に向けた手続きは、これらを十分に踏まえた姿勢か疑わしい。生物多様性条約が掲げる、2010年目標「生物多様性の損失速度を劇的に下げる」にむけた、生物多様性条約第10回締約国会議（2010年）の開催国としても、相応しい対応ではない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p align="center"><strong>意見</strong></p>
<p>国土交通省は、</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>1.　目的や評価方法が不明であり、希少カワシンジュガイ類にも影響を及ぼしている魚道試験を即刻中止し、可能な限り現状を復帰する努力をすべきである。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>2.　サンル川をはじめ天塩川流域全体のカワシンジュガイ類の世代交代の状況、遺伝的な解析から明確に種を同定した分布調査を行い、ヤマメ（サクラマス）、イワナ（アメマス）の遡上・産卵状況と合わせたそれぞれの生息適地の環境条件を明らかにし、基本的には現状保存に基づいた保全策を検討すべきである。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>3.　懸念事項に関して、地元自然保護団体と魚類専門家会議との協議の場を早期に設けるべきである。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>4.　このように河川の生物多様性に重大な影響を及ぼすサンルダム計画は根本的に見直し、来年度の本体工事予算計上は見送るべきである。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>環境省は、</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>1.　サンル川が希少な河川生態系の重要地域（ホットスポット）であることは明らかであるため、第三次生物多様性国家戦略の基本戦略「森・里・川・海のつながりを確保する」河川であると認識のうえ、国土交通省北海道開発局による不十分な保全対策をただ追認するのではなく、生物多様性保全の観点から前述の調査・保全策の検討には積極的な協力・関与をすべきである。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><u>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; 　　　　　　　　　　</u></p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>＊ コガタカワシンジュガイ（Margaritifera togakushiensis）の解説</strong></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>それまでカワシンジュガイ1種として考えていたが、その形態や宿主の違いから2005年に新種として発表（Kondo. Kobayashi, 2005）された。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>イワナ・アメマスのエラに幼生期に寄生し、夏期水温が20℃を超えない水域の礫～泥底に生息する。ヤマメ・サクラマスに寄生するカワシンジュガイとは遺伝的にも異なる。2007年12月発表・更新の環境省レッドデータブックで、絶滅危惧I類に指定。堰などによる遡上障害や釣りなどの漁獲によって減少し、世代交代が困難になっており、河川改修による生息場所の破壊や、森林伐採による土砂流入、水温上昇によって生息が脅かされている。 </p>]]>
        
    </content>
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    <title>北海道・天塩川水系における「サンルダム計画」に対する意見書の提出</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2006/05/post-6.html" />
    <id>tag:www.nacsj.or.jp,2006:/katsudo/kasen//61.1146</id>

    <published>2006-05-30T08:15:32Z</published>
    <updated>2010-04-30T09:09:15Z</updated>

    <summary>   サンルダムの概要 多目的ダム、堤高：55ｍ、貯水量：7,300万m3流域面...</summary>
    <author>
        <name>日本自然保護協会</name>
        
    </author>
    
        <category term="活動報告" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="意見書" label="意見書" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/">
        <![CDATA[<p>
</p><table align="center" border="0" cellpadding="8" cellspacing="0" width="100%">
<tbody>
<tr>
<td valign="top" width="42%"><img alt="map" src="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/images/kasen-060530-map.gif" height="165" width="216" /> </td>
<td valign="top" width="58%">
<p><strong>サンルダムの概要</strong></p>
<p>多目的ダム、堤高：55ｍ、貯水量：7,300万m3<br />流域面積：182.5km2、湛水面積：220ha<br />総事業費：530億円 事業者：北海道開発局・建設部</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>1988年事業着手、2008年ダム完成を事業者が目指しているが、地元グループや漁協による反対により、ダム本体の着工には至っていない。 </p></td></tr></tbody></table>
<hr noshade="noshade" size="1" width="100%">

<p align="center">&nbsp;</p>
<p align="center">北海道・天塩川水系における「サンルダム計画」に対する意見書（PDF/190KB）</p>
<p align="center">&nbsp;</p>
<p align="center"><strong>理由書</strong></p>
<p align="center">&nbsp;</p>
<p>1.　「天塩川水系サンルダム建設事業環境影響評価書」の問題点（村上哲生・程木義邦）（PDF/230KB） </p>
<p>2.　「天塩川水系のサクラマス資源の重要性」（帰山雅秀）（PDF/133KB） </p>
<p>3.　天塩川における「河川事業の計画段階における環境影響の分析」の問題（大野正人）（PDF/1760KB） </p>
<p>4.　「天塩川水系河川整備計画（原案）」における基本高水と目標流量の問題（大熊 孝）（PDF/341KB） </p>
<p>5.　天塩川水系の治水計画からみたサンルダムの問題（小野有五）（PDF/146KB） </p>]]>
        
    </content>
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    <title>上信越高原国立公園内清津川ダム予定地の希少猛禽類の保全に関する要望書を提出</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2000/12/post-4.html" />
    <id>tag:www.nacsj.or.jp,2000:/katsudo/kasen//61.814</id>

    <published>2000-12-13T01:55:57Z</published>
    <updated>2010-01-19T02:59:51Z</updated>

    <summary> 					 				 			 			 				 					 					 			...</summary>
    <author>
        <name>管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="活動報告" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/">
        <![CDATA[<table border="0" cellpadding="2" cellspacing="4" width="600"><tbody><tr><td>
					
				<br /></td>
			</tr>
			<tr>
				<td>
					<hr noshade="noshade" size="1" width="100%">
					<br />
				</td>
			</tr>
			<tr>
				<td>
					<div align="center">
						<center></center>
								<center></center>
							<table border="0" bgcolor="#5f7d8c" cellpadding="0" cellspacing="10" width="80%">
							<tbody>
								<tr>
									<td><font color="white">清津川ダムは、建設省によって新潟県の信濃川水系清津川に計画されている多目的ダムです。昭和４０年代に計画されたものの、地元の合意が得られず、計画が止まっていました。今年行われた自民党公共事業抜本見直し検討会の対象にも挙げられています。<br />
											<span style=""><br />
												建設省は、清津川ダムの環境影響評価に先立ち、建設予定地周辺の猛禽類調査を行い、近く発表する予定です。これに対して、環境庁が適切に意見を述べるよう、当協会は、本日環境庁長官に対して要望書を提出いたしました。</span></font></td>
								</tr>
								</tbody>
						</table>
						<br />
						<br />
						<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0" width="95%">
							<tbody><tr>
								<td width="100%">
									<p style="line-height: 150%;" align="right">12日自然第103号<br />
										平成12年12月13日</p>
									<p style="line-height: 150%;" align="left"><br /></p><p style="line-height: 150%;" align="left">環境庁長官　川口順子　殿</p>
									<p style="line-height: 150%;" align="right"><br /></p><p style="line-height: 150%;" align="right">(財)日本自然保護協会 理事長　田畑　貞寿</p>
								</td>
							</tr>
							<tr>
								<td width="100%">
									<div align="center">
										<p style="line-height: 150%;"><br />
											<br />
											<font size="4"><b>上信越高原国立公園内清津川ダム予定地の</b></font></p>
										<p style="line-height: 150%;"><font size="4"><b>希少猛禽類の保全に関する要望書</b></font></p>
									</div>
									<p style="line-height: 150%;">　</p><p style="line-height: 150%;">日頃より、自然環境の保全にご尽力を賜り、深謝申し上げます。<br />
当協会は、1973年に清津川ダム計画に関する学術報告書をとりまとめ、ダム建設による上信越高原国立公園清津峡の景観に対する影響に関して懸念を表明
しました。その後、ダム計画は清津峡の上流に移されましたが、当時はあまり意識されていなかった、新たな自然保護問題として、希少猛禽類に対する影響が懸念されています。<br />
										
      　</p><p style="line-height: 150%;">清津川ダム建設予定地には、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律で政令指定種とされているイヌワシ、クマタカ等の希少猛禽類が生息しています。<br />
										
      </p><p style="line-height: 150%;">建設省は、環境影響評価に先立って、清津川ダム建設予定地の猛禽類を2年間にわたって調査し、近くその調査結果をとりまとめる予定であると聞いています。<br />
</p><p style="line-height: 150%;"><br /></p><p style="line-height: 150%;">一方で、自民党公共事業抜本見直し検討会は、全国的な公共事業の見直しを行いましたが、清津川ダムについては、事業評価監視委員会において専門委員会を
開催して事業の代替案を検討をすることが求められており、ここでも自然環境に与える影響の評価が必要不可欠となっています。<br />
</p><p style="line-height: 150%;">しかし残念なことに環境庁は、上信越高原国立公園の特別地域内の生息地であり、しかも野生動植物の種の保存に関する法律で政令指定種であるにもかかわら
ず、自前のデータをもたず、建設省の調査に対しても、科学的知見に基づいた判断を下すための基礎資料を有していない状況にあります。<br />
										
      ついては、以下の点を要望いたします。</p><p style="line-height: 150%;"><br /></p>
									<ol><li>上信越高原国立公園（とくに三国山地周辺の特別地域）に生息する希少猛禽類に関して、環境庁が実施してきた猛禽類の生息状況全国調査をもとに、建設省に対して科学的知見から意見を述べること。</li><br /><li>建設省の清津川ダム周辺猛禽類調査のとりまとめ発表前に、清津川ダム調査事務所の猛禽類調査検討委員会に出席し、あるいは調査結果を環境庁として入手して、絶滅のおそれのある生物種の保全の立場からこれを分析し、建設省に意見を述べること。</li></ol>
									
								</td>
							</tr>
						</tbody></table>
					</div>
				</td>
			</tr>
		</tbody></table>
		
			
				
					
						 ]]>
        
    </content>
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<entry>
    <title>「吉野川第十堰（徳島県）、川辺川ダム（熊本県）、清津川ダム（新潟県）には、抜本的な見直しを」</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2000/08/post-9.html" />
    <id>tag:www.nacsj.or.jp,2000:/katsudo/kasen//61.1226</id>

    <published>2000-08-24T06:22:32Z</published>
    <updated>2010-04-30T09:11:23Z</updated>

    <summary><![CDATA[ 2000年8月24日（財）日本自然保護協会 常務理事　吉田正人 &nbsp; ...]]></summary>
    <author>
        <name>日本自然保護協会</name>
        
    </author>
    
        <category term="活動報告" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="要望書" label="要望書" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/">
        <![CDATA[<table border="0" cellpadding="0" cellspacing="0" width="100%">
<tbody>
<tr>
<td width="100%">
<p style="line-height: 150%;" align="right">2000年8月24日<br />（財）日本自然保護協会 常務理事　吉田正人</p>
<p style="line-height: 150%;" align="right">&nbsp;</p>
<p style="line-height: 150%;" align="right">&nbsp;</p>
<center>
<center></center></center>
<p style="line-height: 150%;" align="left">8月24日、日本自然保護協会（理事長、田畑貞寿）は、自民党政務調査会公共事業抜本見直し検討会（座長、谷津義男）にあてて、「自然環境保全の見地から見た公共事業の見直しの要望書」を提出しました。</p>
<p style="line-height: 150%;" align="left">&nbsp;</p>
<p style="line-height: 150%;" align="left">この中で、当協会はとくに、吉野川第十堰（徳島県）、川辺川ダム（熊本県）、清津川ダム（新潟県）の3つをあげて、事業の必要性や住民合意などの視点からだけでなく、自然環境保全上の見地からも事業を見直すことを要望しました。</p>
<p style="line-height: 150%;" align="left">&nbsp;</p>
<blockquote>
<p style="line-height: 150%;" align="left"><b><font size="4">●吉野川第十堰</font></b><br />徳島県の吉野川の河口14kmに位置する第十堰をとりこわし、1.2km下流に可動堰を建設する計画。吉野川第十堰建設事業審議委員会は、1998年に可動堰建設を妥当とする結論を出したが、2000年1月に実施された徳島市の住民投票では、投票者の約90％が可動堰建設に反対の意志を表明した。日本自然保護協会は、1999年に吉野川第十堰問題小委員会を設置し、可動堰が建設による、水質や底質の悪化、第十堰周辺の生物、河口干潟の生物への影響などを予測した報告書を発表した。</p>
<p style="line-height: 150%;" align="left">&nbsp;</p>
<p style="line-height: 150%;" align="left"><font size="4"><b>●川辺川ダム<br /></b></font>熊本県の球磨川水系の川辺川に計画されている高さ107.5m、総貯水量13300万トンのアーチ式コンクリートダム。川辺川ダム事業審議委員会は1996年に計画は妥当とする答申を出したが、ダム予定地の近くにクマタカの営巣地があることを報告していなかったことが問題となった。1999年には、日本自然保護協会と熊本県クマタカ研究グループの協力により、ダム予定地のクマタカは原石山周辺を繁殖テリトリーとしていることが、明らかとなった。</p>
<p style="line-height: 150%;" align="left">&nbsp;</p>
<p style="line-height: 150%;" align="left"><font size="4"><b>●清津川ダム<br /></b></font>新潟県の信濃川水系の清津川に計画されている高さ150m、総貯水容量17000万トンの重力式コンクリートダム。昭和40年代に計画されたが、地元の合意が得られず計画がとまっていた。1997年に地元協議会が調査実施を受け入れ、調査に入ったが、日本自然保護協会自然観察指導員、地元野鳥の会会員などによって、イヌワシ、クマタカの生息が確認され、現在調査が続けられている。</p>
<p style="line-height: 150%;" align="left">&nbsp;</p></blockquote></td></tr>
<tr>
<td width="100%">
<hr>

<p style="line-height: 150%;" align="left">　</p>
<div align="center">
<center><font size="5">要望書全文</font></center></div>
<p style="line-height: 150%;">　 </p></td></tr>
<tr>
<td width="100%">
<p style="line-height: 150%;" align="right">平成12年8月24日</p>
<p style="line-height: 150%;">自由民主党政務調査会公共事業抜本見直し検討会<br />座長　谷津　義男　殿</p>
<p style="line-height: 150%;">&nbsp;</p>
<p style="line-height: 150%;" align="right">（財）日本自然保護協会理事長　田畑　貞寿</p></td></tr>
<tr>
<td width="100%">
<div align="center">
<p style="line-height: 150%;"><br /><br /><b><font size="5">自然環境保全の見地からみた</font></b></p>
</div>
<p style="line-height: 150%;" align="center"><b><font size="5">公共事業の見直しに関する要望書</font></b></p>
<p style="line-height: 150%;"><br /><br />日頃、自然環境の保全にご尽力を賜り深謝申し上げます。<br />さて、貴検討委員会では、事業の必要性、住民合意などの見地から、公共事業の見直しを検討され、近くその報告を発表されることと聞いております。　建設省所管の下記事業につきましては、自然環境保全の見地からも、大きな問題があるため、それを含めて抜本的な見直しをされるよう要望いたします。</p>
<p style="line-height: 150%;">&nbsp;</p>
<p style="line-height: 150%;"><b><font size="4">１．吉野川第十堰（徳島県）</font></b><br />可動堰の建設は、堰上流の水質の悪化、堰上流の河床低下によるアユ産卵場の喪失、原堰周辺の地形改変による植物・底生生物・魚類等への影響、堰下流の底質の悪化とシジミ等への影響、河口域の干潟と生物への影響など、さまざまな環境への影響をもたらすことが懸念されています。<br />　</p><p style="line-height: 150%;">可動堰の河川生態系への影響は、利根川河口堰、長良川河口堰などのモニタリング調査からも明らかになっており、吉野川においては同じ轍をふむことなく、可動堰によらない治水対策を検討すべきであると考えます。</p>
<p style="line-height: 150%;">&nbsp;</p>
<p style="line-height: 150%;"><b><font size="4">２．川辺川ダム（熊本県）</font></b><br />川辺川ダム湛水域周辺には、7つがいのクマタカ（種の保存法政令指定種）が生息しており、そのうち最も繁殖成績の良い1つがいがダム原石山を主な狩場としています。また湛水域上端には、九折瀬洞（つづらせどう）と呼ばれる洞窟があり、ツヅラセメクラチビゴミムシ、イツキメナシナミハグモなどの固有種が生息しています。さらに川辺川は、ダムのある本流の球磨川に比べ、良好なアユの生息環境を維持しています。　川辺川ダム建設は、これらの自然環境に重大な影響を与えることは明らかです。建設省は調査を実施してはいますが、環境アセスメントは実施されていません。ダム建設の必要性の検討とあわせて、自然環境保全の見地からも見直すべき事業であると考えます。</p>
<p style="line-height: 150%;">&nbsp;</p>
<p style="line-height: 150%;"><b><font size="4">３．清津川ダム（新潟県）</font></b><br />清津川ダム湛水域は、イヌワシおよびクマタカ（いづれも種の保存法政令指定種）の繁殖地となっています。建設省は調査を実施していますが、ダム建設が猛禽類に与える影響についてはまだ評価できていません。本州における猛禽類の連続的な分布を維持するには、南魚沼地域の地域個体群は非常に重要です。ダム建設の必要性の検討とあわせて、自然環境保全の見地からも見直すべき事業であると考えます。</p>
<p style="line-height: 150%;">　</p>
<p style="line-height: 150%;" align="right">＊要望書には別途、詳細資料を添付しました。 </p></td></tr></tbody></table>
]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>特集 川とつきあう　1（洪水って何だろう）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2000/07/post-7.html" />
    <id>tag:www.nacsj.or.jp,2000:/katsudo/kasen//61.1147</id>

    <published>2000-07-01T09:05:41Z</published>
    <updated>2010-03-02T07:48:00Z</updated>

    <summary>会報『自然保護』No.448（2000年7・8月号）より転載あなたは洪水を知って...</summary>
    <author>
        <name>日本自然保護協会</name>
        
    </author>
    
        <category term="活動報告" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="月刊『自然保護』より転載" label="月刊『自然保護』より転載" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/">
        <![CDATA[会報『自然保護』No.448（2000年7・8月号）より転載<hr><br />あなたは洪水を知っているだろうか？<br />増水して濁流が走る川を見たことは誰もがあるはず。<br />それが洪水だ。<br />では、あなたは水害に遭ったことがあるだろうか？<br />しょっちゅうあるかもしれない、生まれてこの方ないかもしれない。<br />川に寄り添って暮らしてきた日本列島の住人である私たち。<br />かつて、その美しさ、恵み、恐ろしさ、それら川のすべてを知恵にかえ美と文化を育んできた。<br />私たちはその知恵を失ってはいないか？<br />いま一度先人にも学び、川とのつきあい方を考えてみたい。<br /><br /><br /><b>目次</b><br />　　1　洪水って何だろう<br />　　2　<a href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2000/07/-2.html">洪水がもたらす恵み</a><br />　　3　<a href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2000/07/-3.html">昔の洪水、いまの水害</a><br />　　4　<a href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2000/07/-4.html">"洪水を防ぐ"　から　"洪水を減らす" へ</a><br /><br /><br />


<br /><br />
<table border="0" width="95%">
<tbody>
<tr>
<td bgcolor="#4c8dbc" valign="top"><font color="white">日本の川の特徴</font></td></tr>
<tr height="12">
<td height="12" valign="top"><br /><font size="4"><b>洪水って何だろう</b></font><font size="5"><b><br /><br /></b></font></td></tr>
<tr height="1">
<td height="1" valign="top">
<p>身近な風景にはコンクリート護岸された無機質な川が目立つようになった。日本は、世界に名だたる「水害大国」なのだ。雨が多く、逃げ場のない島国に多くの人が住んでいる。その生命・財産を守るため、「国を治めることは、水を治めること」と言われたほどに治水事業は重要課題なのだ。ところが、こんなにやっても、大河川の整備率はまだ6割。大量のコンクリートと税金はまだまだ投入しなければいけないらしい。「川とつきあう」のは、なんとたいへんなことなのだろう。とはいえ、こんな状況が当面続くというのなら、ここらで一度、なぜこんなことになっているのかを知りたくなった。<br /><br />まずは、そもそも川とは何なのか、洪水というものがなぜ起きるのか、河川工学者で新潟大学工学部教授の大熊孝さんに解説していただこう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>●<b>川は物質循環の担い手</b></p>
<p>　</p>
<p>「川」と聞いて日本人の多くがまず思い出すのは、お伽話の「桃太郎」ではないだろうか。川に洗濯に行ったところ、川上から桃が流れてきたというこのストーリーには、川は汚れを清めるところ、逆にいえば、汚れ物を捨てるところだという認識があり、これが現在の川の水質汚濁の元凶かもしれない。しかし一方で、上流から新しい生命が流れてくることも示唆している。<br /><br />川が生命を育んでいるという観点は、山から水や土砂・落ち葉などの無機質や有機物が流され、それらが川の途中や海でさまざまな生物の生息を助け、それらの食物連鎖によって生命が育まれることを象徴している。もっと普遍化すると、流下した物質は、サケやアユなどに姿を変えて再び川を遡り、それを熊が食べ、糞をすることなどによってブナ林の栄養となり、山に還元される。<br /><br />川は、山と海の生態系をむすぶ回廊であるとともに、地球における物質循環の一端を担っているわけだ。では人にとって川とは何かといえば、「地域での物質循環の重要な担い手であるとともに、人間にとって身近な自然であり、恵みと災害という矛盾のなかに、ゆっくりと時間をかけた地域の文化を育んできた存在」といえるのである。</p>
<p style="text-indent: 0px; line-height: 150%;">　</p>
<p style="text-indent: 0px; line-height: 150%;"><b>●私たちの住む平野は川の領分</b></p>
<p style="text-indent: 0px; line-height: 150%;">&nbsp;</p>
<p style="text-indent: 0px; line-height: 150%;">川は山間部では流れが速く、川底や岸を侵食し、その土砂を下流に運搬する。川底の勾配がゆるくなると流速が落ちて、運んできた土砂を徐々に堆積させ平野を形成する。こうして1万年から2万年という長い時間をかけてできたのが、沖積平野だ。<br /><br />この沖積平野に人間が住みつく前の川は、堤防も護岸もないので、洪水のたびに流れを変え、自由奔放に氾濫をくり返し、平野を広げていったことだろう。こうして川がつくった平野に住みつき、川を固定してきたのが人間である。川がときどきあふれるのは、川からすれば、悠久の自然の営みのひとこまというわけだ。<br /><br />沖積平野は水が得やすい、耕作しやすい、水運が利用しやすいことから、とくに稲作中心の日本人の生活・生産の主要な舞台となってきた。しかし、それゆえ、水害を被りやすいのである。</p>
<p style="text-indent: 0px; line-height: 150%;">　</p>
<p><b>●洪水と水害は同じではない</b> </p>
<p>&nbsp;</p>
<p style="text-indent: 0px; line-height: 150%;" align="left">「洪水」と「水害」は、同じものと受けとられるが、イコールではない。洪水は、河川にふだんの何十倍から何百倍もの「水が流れる」現象を指す。雨水や雪どけ水が地表面や地下を流れ、それが川に出てきた、自然的要因の強い現象である。<br /><br />ただし、人為的な要因がないかといえば、そうではなく、地表面をコンクリートなどで覆うと地下への浸透が減り、地表面を流れて直接に河川に達するため、洪水量が大きくなる。また、各支流を改修して水の流れをよくすると、雨水が短時間のうちに本流に集中し、洪水のピーク流量が大きくなることがある。こういう面からすると洪水は、火山噴火や地震と同じ純粋な自然現象とみなすわけにはいかないのだ。<br /><br />一方、洪水が発生し、それが川から氾濫したとしてもそこに人の営みがない限り「水害」は起きない。人が住んでいても、あふれた水をどのように受け止めるかによって、被害は異なってくる。水害も自然現象に左右されるが、人との関わりを抜きにしては語れない。その意味で、「水害」は自然現象というよりも社会的要因の強い現象なのだ。</p>
<p style="text-indent: 0px; line-height: 150%;" align="right">（構成・島口まさの）<br /><br /></p>
<p style="text-indent: 0px; line-height: 150%;" align="left"></p>
<p style="text-indent: 0px; line-height: 150%;" align="left">モンスーン地帯に位置する日本列島は、四季それぞれに性格の異なる豪雨や豪雪があり、それが多様な洪水を発生させる。梅雨末期、台風通過時、融雪期。アジア大陸の東縁に南北に長く列島状に位置する日本列島ならではといえる。<br />　</p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="特集川とつきあう-1.jpg" src="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/images/0007-1p.3.jpg" class="mt-image-right" style="margin: 0pt 0pt 20px 20px; float: right;" height="244" width="368" /></span><p style="text-indent: 0px; line-height: 150%;" align="left">また日本は、海洋プレートが沈み込む大陸プレートの縁にあるため、大地が激しく隆起し、隆起を続ける山からは大雨や雪どけのたびに大量の土砂が流れ出す。そういうときの川は、河原まですっかり水に浸かっている。河原は、言ってみれば増水時の河床なのだ。増水時の流量を渇水期の流量で割った値を河況係数とよぶのだが、大陸を流れる長く大きな河川では、この数値が数十から百程度なのだが、日本では数百から数千にも達する。日本の川でよく見る広い河原は、じつは大陸ではむしろ珍しいものなのだ。</p></td></tr></tbody></table>
<p align="center"><br /><br /></p>]]>
        
    </content>
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    <title>特集 川とつきあう　2 （洪水がもたらす恵み）</title>
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    <id>tag:www.nacsj.or.jp,2000:/katsudo/kasen//61.1201</id>

    <published>2000-07-01T05:19:47Z</published>
    <updated>2010-03-02T07:46:34Z</updated>

    <summary>会報『自然保護』No.448（2000年7・8月号）より転載目次　　1　洪水って...</summary>
    <author>
        <name>管理者</name>
        
    </author>
    
        <category term="活動報告" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/">
        <![CDATA[会報『自然保護』No.448（2000年7・8月号）より転載<br /><hr><br /><b>目次</b><br />　　1　<a href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2000/07/post-7.html">洪水って何だろう</a><br />　　2　洪水がもたらす恵み<br />　　3　<a href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2000/07/-3.html">昔の洪水、いまの水害</a><br />　　4　<a href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2000/07/-4.html">"洪水を防ぐ"　から　"洪水を減らす" へ</a><br /><br /> <table border="0" width="95%"><tbody><tr><td bgcolor="#4c8dbc" valign="top"><font color="white">洪水といきもの</font></td>
							</tr>
							<tr height="12">
								<td height="12" valign="top"><br />
									<font size="4"><b>洪水がもたらす恵み</b></font><font size="5"><b><br />
											<br />
										</b></font></td>
							</tr>
							<tr height="1">
									<td height="1" valign="top">
									<p style="line-height: 150%;">人と川との距離は、近ごろどうも離れぎみだが、川とともに生きてきた動物や植物には、その生活の中に、川の特性がしっかり組み込まれているものがある。人間にはちょっとばかり不都合な川の特性も、川の豊かさと表裏一体ともいえそうだ。<br />
										<br />
										<br />
										<font size="4"><b>生活のリズムに「増水」を組み込んだ魚たち<br />
												<br />
											</b></font><b>●魚は洪水にのって移動する</b></p>
									
              <span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="特集川とつきあう-4.jpg" src="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/images/0007-2p.4.jpg" class="mt-image-right" style="margin: 0pt 0pt 20px 20px; float: right;" height="127" width="145" /></span><p style="line-height: 150%;">「魚たちは洪水など水の増減を利用してさまざまな水域に移動し、自分にとってより有利な生活を成立させてきました」。環境生態学を研究する東京水産大学水産学部助手の丸山隆さんは、川と魚の関係をこう説明する。そして川は、本流だけで成立するのではなく、支流や細い水路、湿地、湖などが全体として川の自然を形成している点が重要だという。なぜなら、増水によって魚たちはそうした他水域への移動のきっかけを知り、狭い水域へも、より安全に入り込めるからだ。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">洪水と魚の関係が端的に表れているのが天然記念物のミヤコタナゴ。今では、細い水路や農業用水路にすむこの魚は、カエルなどと同様、大きな川の氾濫原に
できる大きな池がもともとのすみかだった。同じ天然記念物のイタセンパラは、増水を利用してすごいことをやってのける。秋の台風のころ、増水で標高の高い
ところにある湿地に水がたまると、そこに入り込んで貝に卵を産みつける。泥の中で貝が越冬する間、卵は孵化をストップし、春、水たまりが復活して貝の活性
が高まると、孵化を始めて大きくなり川へと下っていく。</p>
									<p style="line-height: 150%;">　</p>
									<p style="line-height: 150%;"><b>●アユは自然を反映する産物</b></p>
									<p style="line-height: 150%;">&nbsp;渓流魚のアユも、夏を上流から中流で過ごし、秋には増水にのって下流に下って産卵し、海と川を行き来する。きれいな水を好むアユにとって増水はほかにも大
切な役割を果たしてくれる。アユは欲ばりな魚で、餌となる珪藻が自分の食べる量の4、5倍もあるような広いテリトリーをもつ。増水は、このアユの食べ残し
を片づけてくれるのだ。増水で石がこすれ合って研磨剤のように働いて古くなった珪藻を削り取るので、つねに新鮮な珪藻がつくようになっている。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">もし増水が起らないと、過熟した珪藻を嫌うアユは代わりに虫を食べる。また、自然の川では、増水が起ることで石に積もった泥や有機物が取り除かれ、この
後澄んだ水で洗われるが、周囲が裸地だと流れ出した泥が石にへばりつき、アユはこれを珪藻といっしょに食べてしまう。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">「アユは、川のまわりの自然全体を反映する産物なのです。土産物などで売っている、アユのうるかをご存じですか。珪藻を食んだアユの消化器官からつくる
『にがうるか』は、酒の肴に合う塩辛に似た食べ物ですが、本当にきれいな川でないと砂などが混じっておいしくないんです」。各地の川に出かけても最近は、
おいしいうるかにあまりお目にかからなくなったと丸山さんは残念そうだ。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">さらに、この4、5年、アユの不漁が続いているという。近年、渇水が続いたため増水が少なく、スムーズな移動ができなくなった。また川の途中に堰がいく
つもできた結果、せっかく産卵場所に到達してもが石が汚れていて産卵できなかったりする。そして最後の難関は河口堰。アユの仔魚は孵化から数日以内にエサ
の豊富な汽水域にたどり着かないと養分が尽きてしまう。しかし、河口堰では大量の取水をするため水の流れは遅く、運が悪いと取水口に吸い込まれてしまうこ
ともある。アユの移動の困難さは、現在の河川問題そのものなのだ。</p>
									<p style="line-height: 150%;">　</p>
									<p style="line-height: 150%;"><b>●自然が残るところから回復しよう</b></p>
									<p style="line-height: 150%;">ダムや堰、河川工事などで原形をとどめないほどズタズタになった日本の多くの川にすむ魚は、もはや回復が不可能なのだろうか。<br />
「そう悲観したものでもありません。日本の上流から中流にすむ魚はきわめてタフなんです。もともと、地形が厳しく水位の増減が激しいところで何万年も生き
残ってきた魚ですから。かなり悲惨な川でも、人の手で簡単な産卵場所をつくってやるだけである程度の数は確保できます」<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">自然の繁殖力がまだ残っている川から魚を増やしていこう、と丸山さんは提案している。鬼怒川（栃木県）では、上流にいくつものダムが並び、途中、川に水
が流れていないような状態にもかかわらず、かなりの渓流魚の生息が確認された。本流から切り離されていた支流を回復し産卵場所をつくったところ、毎年
8000粒のイワナの卵が確保できた。数人が石と砂利と丸太を使って1日作業するだけで、効果てきめんだそうだ。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">丸山さんは、「洪水」ではなく、あえて「増水」と言いたいという。「洪水」というと人間にとって害を及ぼすイメージがつきまとうが、「増水」なら川の流
量が通常以上に増える純粋な自然現象だからだ。多くの生物種は、増水をある一定間隔で起きる自然のリズムとして生活の中に組み込み、生活それ自体を成立さ
せてきた。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">その意味で増水は、自然においては一つの資源なのだ。生物は、脆弱な時期が増水期に重ならないように長い時間をかけて調整してきた。増水は、破壊的な面
もあるけれども、それゆえ不安定な環境につくり変えることで生物の限りない生産性を引き出してきたのである。<br />
										<br />
										<br />
										<br />
										<font size="4"><b>生き残れ！カワラノギク<br />
												<br />
											</b></font><b>●洪水は、種を増やす好機</b></p>
									<p style="line-height: 150%;">日本の川の多くは急流で水量の変化が大きいため、中流には礫質（こぶし大の大きさ）の丸石河原が広がっていることが多い。こうした場所は、夏や冬に乾燥が
激しく、栄養が少ないのが特徴だ。丸石河原という厳しい自然環境で、洪水をむしろ積極的に利用することで生き残ってきたのが、丸石河原の固有植物カワラノ
ギクだ。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">カワラノギクの個体群は一カ所の生育地にずっと存続することはなく、時間とともに衰退していき、ススキなどにとって代わることがわかっている。そのた
め、洪水によって競争関係にある他の植物が押し流されて裸地ができると、ここぞとばかりに種を根づかせ新しい個体群を形成する。大きな増水は、石と石との
すき間に入り込んだ砂を洗い去って、種子が定着しやすくしてくれる。こうして、それまでの個体群は流されたりして消滅しながらも、洪水後の裸地に新しい芽
を出し、新しい分布地図をつくっていくのだ。</p>
									<p style="line-height: 150%;"><b>●「絶滅の渦」にはまったのか？</b><font size="5"><b>　</b></font></p>
									<p style="line-height: 150%;">このなんともユニークな植物は、残念なことに、今では「絶滅危惧IB類」の絶滅危惧種に指定されている。これまでも減少を続けてきたが、この数年、著しく数が減り、現在生育が確認されている三河川のうち2つでは、地域個体群の絶滅も危惧される状態になってしまった。</p><p style="line-height: 150%;"><br />
									</p>
									<table border="0" align="right" cellpadding="0" cellspacing="0">
										<tbody><tr>
											<td>
												
                    <div align="right"> <span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="特集川とつきあう-5.jpg" src="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/images/0007-3p.5.jpg" class="mt-image-right" style="margin: 0pt 0pt 20px 20px; float: right;" height="235" width="328" /></span><br />
													<font size="2">▲カワラノギク（写真・倉本宣）</font></div>
											</td>
										</tr>
									</tbody></table>
									<p style="line-height: 150%;">&nbsp;「そのひとつ、多摩川では1991年には45000株を数えたカワラノギクが、99年の秋の開花時期にはたった950株になってしまいました」。調査を
行っている明治大学農学部助教授の倉本宣さんが最初の異変に気づいたのは97年。それ以前は見られた増水後の裸地への定着が、この年を境にめっきり見られ
なくなったのだ。これほど減ってしまうと、受粉を媒介するオオハナアブなども花を見つけにくくなり、ますます増えにくくなる。<br />
										　</p><p style="line-height: 150%;">これが、加速度的に減少がすすむ「絶滅の渦」という現象なのか。とりあえず絶滅そのものは免れようと、多摩川中流域の数カ所では地元住民のグループが種や苗を植える活動を行っているが、これだけでは十分な策とはいえない。<br />
										「当面する絶滅の危機を乗り越えて、かつての生育地の環境とカワラノギクを回復するための具体策を講じるタイムリミットが近づいています」と倉本さんは指摘している。</p>
									<p style="line-height: 150%;" align="right">　（島口まさの） </p></td></tr></tbody></table>]]>
        
    </content>
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<entry>
    <title>特集 川とつきあう　3 （昔の洪水、いまの水害）</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2000/07/-3.html" />
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    <published>2000-07-01T04:20:35Z</published>
    <updated>2010-03-02T07:50:24Z</updated>

    <summary>会報『自然保護』No.448（2000年7・8月号）より転載目次　　1　洪水って...</summary>
    <author>
        <name>管理者</name>
        
    </author>
    
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/">
        <![CDATA[会報『自然保護』No.448（2000年7・8月号）より転載<br /><hr><br /><b>目次</b><br />　　1　<a href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2000/07/post-7.html">洪水って何だろう</a><br />　　2　<a href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2000/07/-2.html">洪水がもたらす恵み</a><br />　　3　昔の洪水、いまの水害<br />　　4　<a href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2000/07/-4.html">"洪水を防ぐ"　から　"洪水を減らす" へ</a><br /><br /><br />
						<br />
						
							<table border="0" height="324" width="514"><tbody><tr>
								<td bgcolor="#4c8dbc" valign="top"><font color="white">洪水といきものこんなふうに洪水とつきあってきた　-球麿川で-</font></td>
							</tr>
							<tr height="12">
								<td height="12" valign="top"><br />
									<font size="4"><b>昔の洪水、いまの水害<br /><br />
										</b></font>
									<div align="center">
										
                <span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="特集川とつきあう-地図.jpg" src="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/images/0007-6p.jpg" class="mt-image-center" style="margin: 0pt auto 20px; text-align: center; display: block;" height="243" width="400" /></span></div></td></tr></tbody></table><br /><p style="line-height: 150%;"><b>●洪水は年中行事のひとつだった</b></p>
									
									<table border="0" align="right" cellpadding="0" cellspacing="0" width="164">
										<tbody><tr>
											
                  <td><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="特集川とつきあう-4p.6.jpg" src="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/images/0007-4p.6.jpg" class="mt-image-right" style="margin: 0pt 0pt 20px 20px; float: right;" height="205" width="146" /></span>
												<font size="2" color="#339933">▲人吉市の銭湯・新温泉のご主人、永見八郎さんは、脱衣所の柱に水位を印している。はるか高くに見えるのが、「七・三水害」の時のもの。戦後、人吉市で死者行方不明者を出した水害は、1954年、1963年、1964年、1965年、1971年、1972年、1979年、1982年（2回）と、60～70年代に集中している。　</font>
											</td>
										</tr>
									</tbody></table>
									<p style="line-height: 150%;">&nbsp;「子どものころから、家は毎年水に浸かってました。家には木でつくった棚が用意してあって、水の出具合を見て畳と床板を棚に上げ、その上にモノを載せて避
難させたもんです」。熊本県人吉市内に生まれ育った重松隆敏さんの話だ。人吉市は球磨川中流域に広がる盆地で昔からの洪水常襲地帯。川べりに建つ昭和9年
創業の人吉旅館主人、堀尾芳人さんも、「長い間の体験から、雨の降り方、川のようす、水の上がり方など見てどこまで水が来るか予測できました。"今回は床
上"と予測すると1階客部屋の応接セットの上に畳・ふとん・テレビ・電話などを上げ、水位が下がり始めると箒で床の砂を掃き出しました。隅々まで掃除でき
る良さもありましたね」と話す。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">人吉市の下流、球磨村はかつて増水で家が浸かることはなかった。「出水のときはにごすくいと言って、川岸に避げ込んでくるコイ、アユ、フナなんかを網で
すくって捕るのが楽しみでした。ここらへんの田畑が遊水地みたいになっていた」と、村で生まれ育った山口義明さんは言う。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">ほかにも何人もが、球磨川との"つきあい方"を話してくれた。共通しているのは、水位が上がるのも引くのもゆっくりだった、経験的にどの辺まで水位が上
がるか予測できた、ゆえに、洪水への対処が可能で一種の年中行事のようになっていた、という点だ。大水が出ても人吉市上流一帯の農地が遊水地となり、川か
らあふれる水が一時溜まり、市街地での急激な増水が緩和されていた。堤防が二重になっていて水を一時的に遊ばせる霞堤（かすみてい）も利用された。かつて
この一帯を支配した相良藩は遊水地となる田畑は「免租地」としたとも聞く。</p>
									<p style="line-height: 150%;">　</p>
									<p style="line-height: 150%;"><b>●ダムと河川改修で変質した洪水</b></p>
									<p style="line-height: 150%;">記録によると、戦後、人吉市周辺で死者行方不明者を出した水害は、60年代と70年代に集中している。これは、球磨川上流に市房ダムができ（56年）、人吉市市街部に堤防が完成する（85年）までの期間にあたっている。<br />
									</p>
									<table border="0" align="right" width="231">
										<tbody><tr>
											<td width="100%">
												
                    <span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="特集川とつきあう-5p.8.jpg" src="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/images/0007-5p.8.jpg" class="mt-image-right" style="margin: 0pt 0pt 20px 20px; float: right;" height="325" width="231" /></span><br />
													<font size="2" color="#339933">▲人吉市街や下流の球磨村では、あちこちの電柱に過去の洪水の水位が印されている。人吉市街と下流の球磨村では、河川整備の状況につれて、水位が逆転している。「昔の洪水は、ゆっくり引いていったので砂を掃き出す時間があったけど、最近のはあっという間に引くから、掃除も間に合わない。流れてくるのもダムに溜ったヘドロのような細かい土で、こびりついて取れなくなる」と語る人もいる。</font>
											</td>
										</tr>
									</tbody></table>
									<p style="line-height: 150%;">この中で1965（昭和40）年7月3日未明の洪水は、家屋の損壊・流出1281、床上浸水2751という最大のものとなった。地元「人吉新聞」7月3日
の号外は「3日午前2時半、警戒水位三米を越した球磨川のほん流は、ものすごい勢いで全市を襲い、市街地の大半をなめ」「水位はその後午前6時の五米・〇
五（麓町測定、五米・〇五以上測定不能）」に達し、「人吉はじまって以来の被害をもたらした」と報じた。
のちに「七･三水害」と呼ばれるようになったこの洪水は、それまでと様相がまったく違った、と体験者の多くが証言する。『球磨川大水害体験録集』には、
「何をする暇もなく、どっと水が押し寄せてきました。あわてて作業台の上へ原料・製品など積み上げました。とたんに台ごと浮き上がり、水の中へ横倒しに落
ち込んでしまいました」「わずか2、3時間の間に3メートル以上の水位が上がったのは初めて」「またたく間に水位が上がり、川岸を越えて街路や家屋に浸入
しました。天井を破って屋根に上がり助かったという恐ろしい体験をした人もいます。......増水の速度はこれまで経験したこともない速度でした」と、一様に従
来と違った手の打ちようのない増水だったことを証言している。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">「球磨川の計画洪水水位は5.12メートルだが、それが6.70メートルと、1.58メートルもオーバーした」（建設省九州地方建設局の当時の河川部
長、西日本新聞、昭和40年7月5日）。洪水常襲地帯とはいえ人吉市のピーク流量は毎秒3000立方メートル前後だったのが、このとき少なくとも毎秒
5000立方メートルという前代未聞のピーク流量に急激に見舞われて、洪水は「大水害」になった。このときの増水のさまを体験者は「津波のよう」「川が
立ってきた」と表現する。人々が長年かけて確立してきた「洪水対処法」がまったく役に立たない洪水が出現したのだ。</p>
									<p style="line-height: 150%;"><b><br /></b></p><p style="line-height: 150%;"><b>●ダムが"凶器？"に変わるとき</b></p>
									<p style="line-height: 150%;">未曾有の水害体験をした人たちは、「30～40分で2メートルも上がるような水はいったいどこから来たのか？」と疑問を投げかける。急増水の前に「市房ダ
ムが放水されますので十分注意してください」という消防署の広報車の警告を聞いていることから、急増水は市房ダムの放水が原因だと体験者の多くが考え、河
川管理者である建設省を長年にわたって追及してきたが、いまだに真相が明らかになっていない。</p><p style="line-height: 150%;"><br />
									</p>
									<table border="0" align="right" cellpadding="0" cellspacing="0" width="200">
										<tbody><tr>
											
                  <td><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="特集川とつきあう-7p-1.jpg" src="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/images/0007-7p-1.jpg" class="mt-image-right" style="margin: 0pt 0pt 20px 20px; float: right;" height="127" width="200" /></span><br />
												<font size="2" color="#339933">▲「昔は泥まみれになった近所の人たちをただで入れたもんだ。今は洪水をみな忘れとる。かつて何度も水に浸かった人吉市の銭湯・新温泉の主人、永見八郎さん（76）夫妻。</font></td>
										</tr>
									</tbody></table>
									<p style="line-height: 150%;">
国土問題研究会の上野鉄男さん（土木工学）は、「市房ダムの完成した昭和35年ころに行われた、人吉市上流部......の遊水地帯での河川改修にあることが明
らか」（川辺川研究会発行『川辺川ダム計画の問題と求められる治水対策』）と見る。つまり「ダムによる洪水調節対策を中心に、河道の直線化等により洪水を
速やかに河口まで流下させることを第一義としてきたが、その結果洪水流量を大きくし、被害発生時の危険性を増大させ」（右同）た可能性が考えられるとい
う。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">「洪水調節機能」がうたわれるダムが、むしろ"凶器"になる場合があるのだろうか。ダムが下流域で水害を引き起こす可能性について、九州大学名誉教授の
平野宗夫さんは一般論として「決壊防止の目的で放流が行われるのは異常な洪水時であり、下流域ではすでに水害が発生していることが多い。その際、わずかの
過放流でもそれに応じてダムがない場合より被害が増加する可能性はある」（「公共事業の個別事業内容・実施状況等に関する予備的調査（平成11年衆予調第
3号）報告書」衆議院調査局）と述べている。被害者の体験からは、「七・三水害」はまさにそういう事態が起こったのではないかと考えさせられる。</p>
									<p style="line-height: 150%;">　</p>
									<p style="line-height: 150%;"><b>●洪水との共生文化が薄れ</b></p>
									<table border="0" align="right" cellpadding="1" cellspacing="0" width="182">
										<tbody><tr>
											<td width="100%">
												
                    <span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="特集川とつきあう-6p.8.jpg" src="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/images/0007-6p.8.jpg" class="mt-image-right" style="margin: 0pt 0pt 20px 20px; float: right;" height="340" width="251" /></span><font size="2" color="#339933">▲球磨川上流の川辺川ダムのダムサイト予定地。クマタカの生息地への悪影響、水質の悪化といった自然保護上の問題が深刻であると同時に、利水の必要性も、治水の効果も、疑問視されている。</font>
											</td>
										</tr>
									</tbody></table>
									<p style="line-height: 150%;">人吉市の洪水常襲地帯での洪水とのつきあい方も変わった。人吉旅館の堀尾さんは、「七・三水害」に遭ってからは「経験的に予測できなくなった」ため、市の
洪水対策本部に1時間ごとに電話をし、ダム水位・流入量・放水量・球磨川水位・雨量（人吉・市房・白髪）を尋ねて対処している。各データをグラフにして並
べてみたら、ダムの放水量と旅館1階浴場階段の水位とが時差2時間半で同じ山形曲線を描くことがわかった。そこから旅館での水位を予測する方法を確立し
た。「ダムは、下流に関係なくダムの水位を一定に保つために放水することがわかりました」と堀尾さんは言う。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">人吉市市街部に堤防が完成した1985年以降、川が氾濫して起きる大きな水害は起きていない。しかし、今度は堤防内に水が溜まるようになり排水ポンプ場
が整備された。入れ替わるように、それまでなかったすぐ下流域で洪水が増えた。下流に電力ダムが2つもつかえているのだ。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">人吉の市民とくに水害体験者には、まずはダムありき、という考え方の治水に対する不信感が根強い。球磨川の上支流・川辺川に生き残る川辺川ダム計画に多
くの市民が不安や恐怖心を抱くのは、ダムの限界からくる「つきあえない洪水」を知ってしまったからだろう。</p>
									
									
									<p style="line-height: 150%;" align="right">　　（保屋野初子）</p>
								
								
							
						
						 <br /><br />]]>
        
    </content>
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    <title>特集 川とつきあう 4（&quot;洪水を防ぐ&quot; から &quot;洪水を減らす&quot; へ）</title>
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    <published>2000-07-01T01:46:22Z</published>
    <updated>2010-03-02T07:51:37Z</updated>

    <summary>会報『自然保護』No.448（2000年7・8月号）より転載目次　　1　洪水って...</summary>
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        <![CDATA[会報『自然保護』No.448（2000年7・8月号）より転載<br /><hr><br /><b>目次</b><br />　　1　<a href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2000/07/post-7.html">洪水って何だろう</a><br />　　2　<a href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2000/07/-2.html">洪水がもたらす恵み</a><br />　　3　<a href="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/2000/07/-3.html">昔の洪水、いまの水害</a><br />　　4　"洪水を防ぐ"　から　"洪水を減らす" へ<br /><br /><br />
						<br />
						<table border="0" width="95%">
							<tbody><tr>
								<td bgcolor="#4c8dbc" valign="top"><font color="white">総合治水という考え方</font></td>
							</tr>
							<tr height="12">
								<td height="12" valign="top"><br />
									<font size="4"><b>"洪水を防ぐ"から"水害を減らす"へ</b></font><font size="5"><b><br />
											<br />
										</b></font></td>
							</tr>
							<tr height="1">
									<td height="1" valign="top">
									<p style="line-height: 150%;"><b>●あふれても安全な治水とは</b></p>
									<p style="line-height: 150%;">「21世紀の北海道の総合治水を考える」というＮＧＯ主催のフォーラムが昨年10月に開かれた。きっかけは千歳川放水路計画の中止が決定し、代わりに「総合治水対策を優先する」と検討委員会が結論づけたことだ。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">総合治水対策とは何か。建設省の説明によれば、「これまでの河川中心の治水対策と併せて流域においても洪水被害の軽減と防止を図ろうとする対策」。もっ
と言うと、これまでの河川改修、大規模なダムや堤防、放水路などによって洪水を川の中に閉じ込めできるだけ早く海に流すという方法から、川の周辺に遊水や
保水機能をもたせ、住民の避難・防災などを組み合わせることで洪水を一気に流さないようにする方法への転換。"洪水を防ぐ"から"水害を減らす"いう発想
に変わったと言っていい。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">これは、明治以来国がとってきた近代治水思想の大転換をも意味するが、「総合治水対策」という方針が最初に出されたのは、1977年の河川審議会の答申
だった。当時、多摩川はじめ全国で水害が相次ぎ、水害訴訟が頻発したことが背景にある。北海道のフォーラムで大熊孝さん（前出）は、これまでの治水を「河
道（かどう）主義の治水」とよんで次のように問題点を整理した。</p><p style="line-height: 150%;"><br />
									</p>
									<table border="0" align="right" cellpadding="0" cellspacing="0" width="200">
										<tbody><tr>
											
                  <td><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="特集川とつきあう-9p.jpg" src="http://www.nacsj.or.jp/katsudo/kasen/images/0007-9p.jpg" class="mt-image-right" style="margin: 0pt 0pt 20px 20px; float: right;" height="146" width="200" /></span><br />
												<font size="2" color="#339933">▲
いったん堤防が決壊した場合、河畔林がないと川からあふれる流速が非常に速く、堤防が一気に崩れ水がどっとあふれる。河畔林があると、流速は遅くなり堤防
の壊れ方も小さくゆっくりあふれていく。河畔林は、「あふれさせない」ことが前提の治水から、「あふれさせる」ことを前提とした治水に変わったことを象徴
している。「あふれても安全な治水」（大熊教授）のための知恵の復活である。</font></td>
										</tr>
									</tbody></table>
									<p style="line-height: 150%;">・計画を超える洪水が来て堤防が壊れ氾濫したら大被害が発生する、</p><p style="line-height: 150%;">・流域の開発に対する配慮・対策がなく、そのために流出率が増大するのでしょっちゅう計
画を変更しなくてはならない、</p><p style="line-height: 150%;">・大規模な計画のため完成に何十年もかかり、ダムなどの用地買収との関連で地域住民の生活を乱す。</p><p style="line-height: 150%;">・数十年も計画が完成しな
いため、その間の通常洪水に対する対策が後回しとなり、実質的に被害を増やす、</p><p style="line-height: 150%;">・大規模なダムや河道がつくられると、自然の物質循環や生態環境が遮断され、地域文化が破壊される。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">総合治水は、このような問題点を解決するために必然的に出てきた。ただし方針が提言されて20年以上たつ現在も、川辺川ダムのように40年も前の計画に
固執する治水事業が一方では続いている。建設省の総合治水対策が、流域の都市化の激しい河川にしか適用されていないからか。それともかけ声だけなのだろう
か？<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">1997年、河川法が改正になり、河川管理の目的に「治水」「利水」に加えて「河川環境」（水質、景観、生態系など）が入った。そして、堤防やダム周辺
に「樹林帯」をつくることを明記したことは、総合治水への転換を象徴する。樹林帯は、堤防の機能を補完・強化することを目的に両岸の堤防沿いに堤内側（堤
防によって守られる宅地や農地のある側）にある林のことで、「河畔林」ともいう。かつて日本の川の多くには河畔林とか水害防備林と呼ばれるものがあったこ
とを考えると、伝統的な洪水対策の良さを再評価して採り入れようということなのだ。</p>
									
									<p style="line-height: 150%;"><b><br /></b></p><p style="line-height: 150%;"><b>●千歳川のこれから</b></p>
									<p style="line-height: 150%;">&nbsp;千歳川流域治水対策検討委員会が提案した千歳川についての総合治水対策とはどんな案なのだろうか。千歳川本流・支流についての提言は5点。おおざっぱに言
うと、・川幅の拡幅・浚渫・堤防強化、・遊水地の設置、・内水対策として排水機の能力向上と調節池の設置、・石狩川との合流点付近に締め切り水門と排水機
場を設置、・そして堤防沿いに樹林帯を設置する、というもので、これらをすみやかに行うよう求めている。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">さらに、こういった技術的な対応と同時に、社会制度上の対策が必要だという。「今後の治水対策は河川の直接的な工事のみでなく、流域住民が不幸にして洪
水の被害を被った場合を想定し、生命・財産を守るという観点から社会制度の整備充実を含めた総合的なものとして講じられる必要がある」と。たしかに「あふ
れる」ことを前提とするなら、「あふれた場合」の対応がなくてはならない。千歳川は、流域に農業経営者が多いので、水害の補償制度を確立すること、洪水保
険制度（注）の研究が提案された。土地利用についても、水害常襲地帯では水に強い作物や水を使う作物の農業を考えるとか、遊水地としての利用も選択肢も視
野に入れるよう提言している。流域の気候風土、産業や文化、経済状況など、地域の特徴を生かさなくては実現しない分野だろう。</p>
									<p style="line-height: 150%;">（注）
水害保険　「あふれる」ことを前提とする治水には、当然、あふれた場合の補償が必要となる。これまで水害はじめ地震・台風・噴火・津波などの自然災害に対
する保険制度はなかったといっていい。しかしこの五月から、全労済が地震や風水害を対象にした自然災害共済の取り扱いを始めている。</p>
									<p style="line-height: 150%;">　</p>
									<p style="line-height: 150%;"><b>●つきあうこと、参加すること、覚悟すること</b></p>
									<p style="line-height: 150%;">&nbsp;従来の治水の問題点は、技術面ばかりではない。計画策定段階や洪水の前後で、地域住民への情報提供や参加が極端に少なかった。前項でレポートした球磨川
「七・三水害」は典型的で、住民がいちばん知りたいダムの詳しい放水状況がいまだ明らかにされないまま、「ダムは洪水軽減に役だった」と繰り返す河川管理
者を信頼しろと言うのでは無理というものだろう。千歳川放水路計画でも「事業主体である北海道開発局の放水路計画の決め方、すなわち地域住民の意見を反映
する手続が不足していたのではないかと思われる」と、委員会が反省を迫っている。改正された河川法では、計画段階で住民の意見を聞くことを河川管理者に初
めて義務づけた。しかし、現実に、川辺川ダム計画で、徳山ダム計画で、長良川河口堰で、吉野川河口堰で......。「総合治水」の考え方や新しい河川法の理念が
生かされているだろうか。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">そして、私たち自身も、川という自然環境の特性を知り、川を見る目を養うことが必要だ。河川法の理念や総合治水の思想を理解して、ある種の「覚悟」を持
つことも必要になるだろう。「水はあふれるもの」「だから、こう対処する」という、かつて人吉の人々が持っていたような地域での助け合いが取り戻せるかど
うかも重要な課題だ。大規模なダムや堤防に頼る治水に限界があるように、総合治水もハードだけでは水害は減らせない。<br />
　</p><p style="line-height: 150%;">「川と人との関係性を豊かにするためには、川とつきあう"煩わしさ"を担うとともに、それを"居心地の良い"ものに転化していく担い手が必要。その担い
手の母体として『水害に同時にあう可能性のある地域』などの一定の自然条件を前提として、地域的共同体を再構築していく必要があるのではないか」と大熊教
授は提案する。</p>
									<p style="line-height: 150%;" align="right">（保屋野初子）</p>
									<center>
										<p style="line-height: 150%;" align="right">　</p>
										<p style="line-height: 150%;">企画構成　『自然保護』編集部・志村智子、オフィスこむん・保屋野初子<br />
											取材執筆　保屋野初子、島口まさの</p>
									</center>
								</td>
								</tr>
							</tbody>
						</table>
						<br /> ]]>
        
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