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第3回 会報「自然保護」表紙フォトコンテスト 結果発表

2016.12.28
活動報告

第3回 会報『自然保護』表紙フォトコンテスト 結果発表

3回目の開催となったフォトコンテスト。今年は170名の方から、自然を注意深く、また根気強く見つめているからこそ生まれた合計505作品を送っていただきました。また、今回もたくさんの方がNACS-Jの広報・普及啓発活動に無償で作品を使用してもよいと、ご了承くださいました。ご応募・ご協力、誠にありがとうございます。
2017年は下記の受賞作品が表紙となる会報が会員の皆様に届きますので、お楽しみに!

審査員

●会報編集ワーキンググループ
大橋禄郎(大橋予暇研究所主宰。水中写真専門誌『マリンフォト』(水中造形センター)創刊時の企画、編集にかかわる。年に数回、写真教室を各地で開催。)
土居秀夫(編集者。動物・自然史雑誌『アニマ』元編集長)
保屋野初子(環境ジャーナリスト、NACS-J理事)
●NACS-J
鶴田由美子(事務局長)
増沢有葉、田口裕美子、渡邉聡子(編集室)


講評:大橋禄郎

優秀賞(会報表紙賞)  


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竹内美加【エゾモモンガ】

狭い樹洞に収まるとは思えないエゾモモンガの体のふくらみからは、周囲の寒さが感じられます。2頭の表情と仕草は、ストレスを与えない距離での撮影から生まれる穏やかさなのでしょうか。


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松本京子【河津桜とメジロ】

おなじみの被写体ながら、飛び立つ瞬間の、すでに羽ばたきを始めているショットは、緊張感と躍動感とが感じられてユニーク。高速シャッターの効果で、目にはピシッとピントが来ています。


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有本 実【コウホネとハムシ】

沼に咲いているコウホネの花の中にコウホネネクイハムシを見つけ、環境を入れ込みつつ手堅く作品化しています。撮影者の熱意と準備性、そして撮影技術が生んだ苦心作でしょう。


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林 昌尚【アサギマダラ】

飛び回るアサギマダラを中空でとらえ、しかも構図をカッチリとキメています。その先には太陽があるので露出補正にも気を配らなければならなりません。撮影者の瞬発力とテクニックはお見事。


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小林雅裕【カンムリワシ】

カンムリワシの、モデルになりきった姿と表情に惹きつけられます。巣立ち後の幼鳥とのこと、好奇心優先でカメラ目線をくれています。暗い背景ながらワシの体の部分の明暗差も失われることなく、白い毛並みもバッチリ。


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浅野晴也【リンドウとクモ】

クモをかわいい、という人は少ないかもしれませんが、リンドウのグラデーションの中に収まるとステージ効果で主役級に。花の中をのぞくという習性は、虫、鳥、そしてカメラマンにもあるのでしょうか。


入 賞(ポストカード賞)


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松元澄夫【アマガエル】

小さなカエルの目線あたり、そして、わずかに前から狙ったことで、表情と、陽光や環境が印象的にとらえられました。背景の明るさが、生態写真プラス美術的作品の雰囲気を生み出しています。作戦的中のアングルでしょう。


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野中千恵子【キタマゴタケ】

草花を上からだけ撮っているとワンパターンになりがち。この作品のように、カメラを下に構えて撮ると、動植物の意外な美しさや愛らしさが発見できます。キノコの華麗ともいえる形状を見事に表現。


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廣瀬元也【ミナミハンドウイルカ】

イルカには人をウォッチングする習性があるのか、カメラマンに寄って来る彼らの表情に好奇心と遊び心とが感じられる写真です。イルカウォッチングは、実は彼らにとってもマンウォッチングの機会なのかもしれません。


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片平 厚【アオサギ】

寄り切れないほど遠かったのか、あえて周囲を空けたのか、いずれにしても絶妙の構図。できれば水面の反射の下をほんのわずか空けたいところ。早朝の凛とした空気感は、撮影者の意欲とテクニックがあればこその表現力といえます。


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田中義和【ミドリシジミ】

望遠レンズで思いきり被写体を引きつけた苦心作。欲をいえば、もう少し大きく撮りたいけれど、「空中戦」を演ずる激しい動きを見事なアングルでとらえた点を評価すべきでしょう。背景のボケが主役を引き立たせています。


佳 作

 


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小藪豊喜【トノサマガエル】


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大西 賢【葦とカワムツ】


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渡邊興次【サギ】


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千田永久世【キヌガサタケと昆虫】


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有岡 亨【ヒガンバナとカマキリ】


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平田直樹【コフキゾウムシ】

 

 

 


総 評

今年の応募作品は505点。傑作も多く、高レベルの競い合いとなりました。そこを勝ち抜いた作品でも、最後は「表紙向き」か「ポストカード向き」か、という基準で進出か後退かが決まります。
現場で被写体に没頭している撮影者としては、「その瞬間」にも、記録か、芸術か、表紙か、ポストカードか、ブログ用か、などと、使用目的を考える必要に迫られます。それは難題ではなく、人間の頭脳の「多様性ウォッチ」を楽しむ機会ともなるでしょう。

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