
IUCN会員総会
2008年10月5日から14日にかけて、スペインのバルセロナで、IUCNの第4回世界自然保護会議が開催されました。この会議は4年に1度開催され、NACS-JのようなIUCN会員団体がさまざまなイベントを主催する「自然保護フォーラム」と、IUCNの予算や事業計画の承認、役員選挙、環境問題に対するIUCNの見解をまとめる決議などを検討する「会員総会」が行われます。今回は179カ国から約7000人が参加し、800以上のワークショップやシンポジウムが開かれ、過去最大の自然保護会議となりました。
2009年1/2月号より転載
NACS-J主催で、生物多様性条約第10回締約国会議(CBD/COP10)に向けた「バルセロナから名古屋へ COP10におけるNGOの役割」というイベントを開催しました。15人程度の円卓会議形式で、海外NGOと情報を交換し、COP10の重要課題や海外NGOとの協力体制について話し合いました。
特に、「2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に抑える」という生物多様性条約の2010年目標は、達成が難しいという意見が多く、なぜ失敗したのか、どこまで成功したのかを、世界全体で今後2年間かけて丁寧に調べていくことがNGOとして重要だという提案もありました。NACS-Jも日本における2010年目標の評価を行っていきます。
また、環境省と共催で「里やま・アジアのカントリーサイド ランドスケープ 人と自然の持続可能な関係」というシンポジウムを開催しました。アジア地域で、人と自然がどのようなかかわりを持って里やま的な自然環境をつくり上げたか、その保全にどのように取り組んでいるかなどについて、日本・インドネシア・韓国からの報告とともに情報交流を行いました。
アジアの里やまに見られる持続可能な自然利用の知恵としくみを、国内外の生物多様性保全に活用していくよう、NACS-Jとしてもさらに取り組みたいと考えています。
今回の会議の注目点は、IUCNによる「公海管理のための10原則」の発表など、特に海洋保護区についての話題が数多くあったことです。沖縄を生息の北限とするジュゴンの保全を求める決議が採択され、この中では日本政府に対して、移設予定の米軍基地に対する環境アセスメントの実施や、移動性動物の保護を目的としたボン条約(日本は未批准)のもと、保全の取り組みを求める勧告が出されています。海洋保護の分野での日本のさらなる取り組みの必要性を感じました。
今回の世界自然保護会議への参加とイベント運営を通じて得た経験や情報を、COP10に向けた今後のNACS-Jの活動に、大いに役立てていきます。
(開発法子・廣瀬光子・道家哲平/保全研究部)
会議場のロビーでは、日本のNGOグループが協力して、ジュゴンの保護を訴えた。
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