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更新日:2000.11.02
アンマン・レポート 10 「沖縄 ジュゴン・ヤンバル」「海上の森の保全」を決議(2000.11.02)
吉田正人・NACS-J常務理事
10月4~11日にヨルダンの首都アンマンで、「第2回世界自然保護会議」が開催された。この会議は、国際自然保護連合(IUCN)の総会をかねて3年に1度開かれるもので、会員団体のほか国連環境計画、ユネスコなど世界の自然保護関係者、2000人以上が集まる国際的な自然保護会議だ。日本の国内問題としては、ヤンバルクイナ・ノグチゲラ・ジュゴンの保護、海上の森の保全に関する勧告案が審議された。


沖縄・ジュゴンの勧告案について日米NGO・政府関係者で討議

10月5日、アンマンの国立競技場で本会議が始まった。会場に向うバスから見る都市は、砂漠に合わせたかのように砂色のビルで埋め尽くされている。その中で、国立競技場だけはマツやイトスギなどに囲まれている。

この日、沖縄のジュゴン、ヤンバルクイナ、ノグチゲラの勧告案の日米関係者の討論が行われた。討論会場には、沖縄の自然保護団体の方も10人近くつめかけていた。まず、IUCNのSSC(種の保存委員会)から、今回の討論の趣旨を説明。沖縄のジュゴン、沖縄のヤンバルクイナとノグチゲラの2つの勧告案が出されていたが、1つにまとめてほしい。本会議での審議前に、日米両政府とNGOが話し合って採択できる案にしてほしい、という趣旨である。米国海洋保護庁の海洋保護センターのBrautigamさんは、「きちんとした環境アセスを実施してほしい。ジュゴンは米国の『絶滅のおそれのある種の保存法』の指定種なので、米国としても、日本政府と共同して調査することが必要と考えている」と発言。環境アセスに関する前文が加わり、日本政府への要望と米国政府への要望に整理しようと提案があったりで本文は大幅に変更。日米両政府とも本国に問い合わせの必要が生じ、この日以降、計4回にわたる討論を行った。最終的に、日本政府はジュゴン生息地の環境アセスメントを実施することを約束。米国政府も、日本政府と協力して調査を実施し、ジュゴンの保全に最大限の努力をすることを約束し(右下)、10日の全体会議で決議された。

一方、海上の森の保全を求めるBIEと日本政府に対する勧告案には修正要求がなく、スケジュール通り採択と思われたが、9日の審議でアメリカ野生生物防衛基金と、ブラジルの法律家協会が、「海上の森の保全には賛成する。しかしIWCの約束を破り調査捕鯨の枠を拡大する日本で、環境に関するイベントを成功させる決議を出すことは反対」と意見し、議長から関係者と話し合うように指示が出されて採択は延期。アメリカの野生生物防衛基金、ブラジルの法律家協会と話し「海上の森の問題は、捕鯨とは関係がない。ここで調査捕鯨の問題を持ち出すのはフェアではない」と主張したが議論は物別れに終わった。最終的に、野生生物防衛基金側が大幅に譲歩し、わずかな修正で、10日の全体会議で決議された。愛知万博が環境に配慮して開催されるようにという決議の具体策としては、青少年公園など海上の森以外の会場での環境アセスメントの実施、海上の森の長期的な保全など残る課題についての解決を日本政府に求めていきたいと考えている。


アジア地域委員会発足に向けて

本会議では、勧告文決議のほかIUCN役員選挙が行われ、日本の赤尾大使が、南・東アジア地区の理事に選出された。

7日にはIUCN副会長の堂本暁子参議院議員の呼びかけでアジア地域の会員会合も開かれた。日本、韓国、北朝鮮、モンゴル、中国、香港、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、インド、ネパール、パキスタン、これだけの自然保護関係者が一堂に会するのはこの会議ならでは。堂本副会長の提案は、IUCN規則には、IUCN国内委員会と地域委員会の設置規定があり、日本はアジアで初めて国内委員会を設置したが、世界7ブロックの中で地域委員会がないのは南・東アジアだけなので、この機会に地域委員会をつくりたいというもの。フレームワークとメンバーを決め、地域委員会発足に向けて動き始めた。

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