サンゴ、干潟、マングローブ林の大切さは、一般的に知られるようになりましたが、海草藻場の大切さはまだまだ知られていません。その上、沖縄島の海草藻場は、埋め立てや赤土流出等によって、最大の危機に瀕しており、沖縄島の最大規模の海草藻場である東海岸の辺野古(173ha)は、米軍飛行場の移設計画によって消失の危機にあります。
そこでNACS-Jは、2002年から、辺野古及び嘉陽(辺野古の北東約10km)で、市民参加型の海草藻場のモニタリング調査「ジャングサウォッチ」を始めました。2007年からは地元主催の調査活動になっています。
2007年9月、ジュゴンの生息地である沖縄県名護市大浦湾で、大規模なアオサンゴ群集が発見されました。「沖縄リーフチェック研究会」(会長:安部真理子)、「じゅごんの里」(代表:東恩納琢磨)のメンバーの調べで、おおよそ水深2~14mの斜面に、幅30m、長さ50mの広範にわたりアオサンゴが分布していることが分かり、白保以外にこのような規模でアオサンゴが分布していることはこれまで知られていませんでした。詳細な調査を行うため、日本自然保護協会・WWFジャパン、国士舘大学地理学教室・沖縄リーフチェック研究会・じゅごんの里が協力し、2008年1月から5月にわたり合同調査を行いました。その結果、辺野古・大浦湾は、サンゴ礁と大きな湾という異なるタイプの環境が隣接する、沖縄県内でも特異な海域であり、豊かな生物多様性を保ち、保護すべき重点地域(ホット・スポット)であることが改めて確認されました。
日本自然保護協会
(NACS‐J)
〒104-0033
東京都中央区新川1-16-10
ミトヨビル2F
TEL:03-3553-4101(代表)
FAX:03-3553-0139
海草(うみくさ)は、ワカメやコンブなどの海藻とは違い、陸上の植物と同じように、海の中で花を咲かせ実もつける種子植物です。ジュゴンが餌としていることから、沖縄ではジャングサ(ジュゴン草)と呼ばれています。 また、海草が広がる海草藻場は、沖縄ではジャングサヌミー(ジュゴン草の海)と呼ばれ、ジュゴンやウミガメ、稚魚を育む「海のゆりかご」であるとともに、「海の草原」でもあります。サンゴ群集、海草藻場、干潟、マングローブ林などは、ひとつづきの生態系の一要素であり、このうちどれが欠けても生態系に重大な影響をもたらします。