活動報告|沖縄・辺野古 大浦湾の保全

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沖縄・辺野古 大浦湾の保全

更新日:2017.02.07
日本政府による米軍普天間飛行場代替施設建設事業の コンクリートブロック投入などの作業再開に対する抗議

「ヘリ基地反対協議会ダイビングチームレインボー」提供

本日(2月7日)、日本自然保護協会は、日本政府による米軍普天間飛行場代替施設建設事業のコンクリートブロック投入などの作業再開に対する抗議声明を送付しました。 日本自然保護協会は、事業予定地の生物多様性豊かな自然環境の保全と安全で安心な暮らしを守る立場から、コンクリートブロック投下および海上と海中の構造物全般の設置に対して、以下の理由から強く抗議するものである。

日本政府による米軍普天間飛行場代替施設建設事業のコンクリートブロック投入などの作業開始に対する抗議.pdf

 


                                2017年2月7日
内閣総理大臣     安倍  晋三  様
内閣官房長官     菅    義偉  様
国土交通大臣      石井  啓一  様
防衛大臣        稲田  朋美  様
環境大臣        山本  公一  様
沖縄・北方担当大臣   鶴保  庸介  様
沖縄防衛局長      中嶋 浩一郎様
 
  
                         公益財団法人 日本自然保護協会
                               理事長  亀山 章
 
日本政府による米軍普天間飛行場代替施設建設事業の
コンクリートブロック投入などの作業再開に対する抗議
 
 
米軍普天間飛行場代替施設建設事業(以下、「同事業」)について、昨年12月20日に辺野古違法確認訴訟にて沖縄県の敗訴が確定し、同月26日に沖縄県知事による埋め立て承認取り消しを取り消し処分したことを受けて、日本政府は昨年末より工事に向けた作業を再開した。そして今年3月末で期限が切れる岩礁破砕許可に対して、沖縄県がこれ以上の更新を認めないとする意志を表示していることから、埋め立て予定区域に加え臨時制限区域全域の漁業権を名護漁協に放棄させた(沖縄タイムス 2017年2月3日)。そして汚濁防止膜を展開するために新たにコンクリートブロックを228個投下すると報じられており(沖縄タイムス2月1日)、また臨時制限区域を示すフロートには市民の立ち入りを厳重に制止するために、棒、ロープ、ネットが取り付けられている。日本自然保護協会は、事業予定地の生物多様性豊かな自然環境の保全と安全で安心な暮らしを守る立場から、コンクリートブロック投下および海上と海中の構造物全般の設置に対して、以下の理由から強く抗議する。
 
第一に、和解に伴う作業停止期間(2016年3月~12月)には、科学的調査も停止されていたことから、日本政府も沖縄県も最新の環境の情報を持っておらず、今年1月31日に開催された「普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境監視等委員会の会議でも、以前の情報を用いている。同委員会に属する委員には、科学者としての姿勢に疑問を感じるとともに、事業者である日本政府の姿勢も問題であると言わざるを得ない。
 
第二に、2015年の沖縄県水産課の調査結果「H26年度 大浦湾内コンクリート製構造物等 設置状況確認業務報告書(平成27年9月)」より、すでに投下されているコンクリートブロックにより同海域のサンゴ礁は大きな影響を受けていることがわかる。加えて、昨年夏の高水温等の影響を受け、埋め立て予定地に隣接する場所のサンゴの被度が下がるなどの影響を受けている(日本自然保護協会、美ら海を守り、活かす海人の会の調査結果より)。本海域へのさらなるコンクリートブロックの投下は弱っているサンゴに重ねてダメージを与えることとなる行為である。また汚濁防止膜を展開するのに必ずしもコンクリートブロックは必要ではない。
 
 
沖縄防衛局の2014年の調査(シュワブ(H25)水域生物等調査 報告書)においても個体Cと名付けられたジュゴンがそれまでにはない頻度の高さで同海域の臨時制限区域内の藻場を利用していたことが記録されている。その後、日本政府の作業から遠ざかるように本海域の利用の記録はなく、これは2014年12月より2015年11月までの調査結果としてシュワブ(H26)水域生物等調査報告書におさめられている。しかし代執行訴訟の和解に伴う作業停止期間が10ヶ月あったため、その静かな間にジュゴンが再び海域の利用をしていた可能性もある。利用の有無を確認せずにブロック投下という大きな作業を開始することは問題である。
 
臨時制限区域を示すフロートの展開も問題である。以前にも展開されていたフロートに加え、今回は棒、ロープ、ネットが付けられている。フロートがちぎれて流れたことは以前にもあり、いつ破損した部分が海に流れ出るかわからない。その場合にはジュゴンやウミガメなど大きな生物が影響を受けるとともに、生きものたちの生息環境も少なからず影響を受けるであろう。
 
辺野古・大浦湾は沖縄県自然環境保全指針ランクⅠに指定されており、今年4月に環境省より重要海域の1つとして選定され、ラムサール条約登録湿地の候補地となり、国内外から生物多様性のホットスポットであると認識されている。また、環境影響評価終了後に新種や国内初記録の生物種が発見されるなど(日本自然保護協会、2014)、環境影響評価を行ったときよりもさらに生物多様性が豊かであることが明らかにされている。
 
昨年開催されたIUCN(国際自然保護連合)世界自然保護会議および生物多様性条約第13回締約国会議では、今後進むであろう気候変動に対応するためにも、より一層生物多様性の保全および主流化に注力すべきであるという議論がなされた。気候変動により影響を受けている本海域(日本自然保護協会、沖縄タイムス2017年1月17日)にて、保護とは真逆の作業開始は、国際社会の流れにも逆らうものであり、本海域の持つ生物多様性を日本の財産として保全することを求め、コンクリートブロック投入などの作業再開に強く抗議する。
 
 
ジュゴンとウミガメ(東恩納琢磨).jpg
 
写真:東恩納琢磨さん提供
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