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沖縄防衛局長と環境監視等委員会へのジュゴンの食痕情報提供に関する要望書を提出しました

2015.04.17
要望・声明

環境監視等委員会へのジュゴンの食痕情報提供に関する要望書(PDF/150KB)


2015年4月17日

 
沖縄防衛局長  井上 一徳 様                         
普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境監視等委員会委員長 中村由行 様

               

北限のジュゴン調査チーム・ザン
代表 鈴木雅子
ダイビングチーム・レインボー
代表 牧志 治
ジュゴンネットワーク沖縄
事務局長 細川太郎
沖縄・生物多様性市民ネットワーク
共同代表 吉川 秀樹
共同代表 河村 雅美
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章

 

環境監視等委員会へのジュゴンの食痕情報提供に関する要望書

私達、自然保護団体は、普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境監視等委員会(以下、環境監視等委員会)に、同事業の現状の正確な情報を把握し、事業が影響を与える範囲に生息する希少な生物とそれを取り巻く環境を適切に保全できるように判断していただきたいと要望します。

今回は特に4月15日に大浦湾のチリビシのアオサンゴ群集付近のトゲウミヒルモ群集でジュゴンの食痕が発見されたことを受け、同食痕に関する情報を広く収集し、自然保護団体や市民団体から提供される情報も参照していただくよう、要望いたします。

環境監視等委員会は、公有水面埋立承認に伴う留意事項に基づき設置された委員会です。沖縄県からは、環境保全の担保として位置づけられています。しかしながら、4月9日の第4回会合でも明らかになりましたように、現在、環境監視等委員会は、正確で十分な情報をもとにして、議論がされているとはいえず、このままでは環境保全の担保としての役割を果せないと私たちは考えます。

今回、上述したトゲウミヒルモ群集では35本の食痕が発見されていますが、同じ場所で2013年3月にも5本の食痕が記録されています。この場所は2014年7月に設置された「臨時制限区域」の外ですが、臨時制限区域の設定に伴い、その内外周辺において多くの船が警備のために常に航行するなど、騒音に弱く、船との衝突が懸念されるジュゴンにとっては非常に厳しい状況になっています。

そのような状況のなかで食痕が発見されたことから、工事の現状を早急に把握し、ジュゴンへの影響を検証することが必要になります。

2015年3月31日付けの環境監視等委員会の現地視察実施に関する要望書の添付資料として提出いたしました資料「日本自然保護協会記者会見資料 2014年7月15日改訂版」などと併せてご参照いただき、ジュゴンの保全を効果的に行っていただきたく要望いたします。

また重ねまして、環境監視等委員会には、以下の現地視察を行い、現地の状況の正確な把握に基づく環境保全の議論をしていただくことを要望いたします。

  1. 辺野古・大浦湾の船上及び潜水による現地視察
  2. 事業対象地のみならず、海草藻場を造成する対象地とされている嘉陽の視察
  3. 2015年4月15日に記録されたトゲウミヒルモ群集の潜水による視察、船上からの周辺状況の確認

 

写し送付先: 沖縄県知事、名護市長  
 


ジュゴンの食痕の写真
▲今回見つかった深場のウミヒルモ群落のジュゴンの食痕の写真(photo by T.Iwamoto)

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