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辺野古の埋立承認申請に対する意見がNACS-Jに867通集まりました。

2013.08.30
活動報告

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6月28日から7月18日の3週間にわたり沖縄・辺野古の公有水面埋立承認申請書の告示・縦覧が行われ、同時に利害関係人からの意見募集も行われました。NACS-J事務所で集約したものは867通、沖縄に届いた意見書は3500通を超えたとのことです。多大なご協力をいただきありがとうございました。
(NACS-Jのスタッフブログ・『事務局日誌』で詳細経緯を報告してきましたので、ご覧ください)。

 

4月以降現在に至るまでの沖縄県の姿勢にも、多々問題があります。

まず、埋め立て土砂に関してですが、今回の計画では、埋め立てに必要な土砂約2100万㎥のうち、約1700万㎥は購入することになっており、沖縄県外からの調達が予定されています。土砂に伴って混入する可能性のある生物などに対する対策が書かれていないこと、また購入土砂に関する有害物質について調査結果または検査の方法と体制が示されていないことが問題です。

沖縄の自然は脆弱な島嶼生態系であり、ほかの地域から移入される生物や物質に対しては、ほかの地域よりも強い規制が必要です。沖縄の貴重な自然の価値が認められ、世界自然遺産登録を目指している中で、慎重な対応が求められています。

もう1点、海砂採取地および沖縄島北部の土砂搬入ルートについて。沖縄島周辺海域の海砂の採取地と土砂搬入ルートについては、環境影響評価時に公表されておらず、今回の公有水面埋立承認申請書にて明らかになりました。沖縄島北部の海砂採取地点はジュゴンの回遊ルートと重なり、ジュゴンが餌場としている海草藻場付近の海域も含まれています(下図参照)。各地点での調達量は示されていないものの、大量の海砂を採取することが海草藻場に与える影響は計り知れません。また土砂の搬入ルートについても、船の航行や船が出す音がジュゴンに与える影響は予測できません。

 

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環境影響評価の時点では明らかになっていなかった情報が判明したのですから、改めてこれらの事項がジュゴンに与える影響を予測し直さなければなりません。絶滅危惧種であり国の天然記念物であるジュゴンやその生息環境が脅かされることがあってはなりません。今回の公有水面埋立承認申請書に新たに記載されたこの計画を含めて、再度、沖縄島北部の環境影響評価を行うべきです。

(保護プロジェクト部・安部真理子)

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