絞り込み検索

nacsj

市民への説明がないままの沖縄・辺野古、調査再着工に抗議声明を発表

2004.09.06
要望・声明

2004年9月6日

那覇防衛施設局長
西 正典 殿

(財)日本自然保護協会
理事長 田畑 貞寿

 

那覇防衛施設局による名護市辺野古海域の地質調査再着工に対する抗議声明

 
那覇防衛施設局は、名護市辺野古海域において普天間飛行場代替施設建設のための地質調査(以下、ボーリング調査)を今週中に強行しようとしている。

先月の米軍ヘリ墜落事故以降、辺野古海域への代替施設建設計画自体の根本的な見直しを求める世論の高まりがあるなか、このボーリング調査再着工は、これまで当協会が指摘した問題にまったく答えず、環境影響評価前に埋め立て工事に着工し、環境改変を行うに等しい暴挙であり、調査を即刻中止すべきである。

当協会はこれまで、「普天間基地代替施設建設に係る現地技術調査に対する意見書」(2003年4月17日)、「那覇防衛施設局によるボーリング調査の問題点」(2003年12月5日)また、2004年1月に、ボーリング調査予定地点1-11の近くでジュゴンの食痕を発見したことから、「那覇防衛施設局によるボーリング調査の問題点その3」(2004年1月29日)を提出した。

さらに、「普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価方法書に対する環境保全の見地からの意見書」(2004年6月10日)でも、「サンゴ礁上でボーリングを行った場合、空洞の大きなサンゴ礁は、陥没・崩落するなど、ボーリングそのものによって破壊され、そこに生育する生物に多大な影響を与えるおそれが強い。

このような影響を受けやすい地域で、環境影響評価前にボーリング調査を実施することは、環境影響評価そのものの意味を失わせ、環境影響評価制度を形骸化するものである。」と指摘した。

2004年4月にボーリング調査が着工されようとして以来、辺野古漁港で座り込みを継続している市民に対し、那覇防衛施設局は、これまで十分な説明責任を果たしてこなかった。しかし、先月の沖縄国際大学敷地内に米軍普天間基地所属の輸送ヘリが墜落、全焼した事故を契機に、8月31日に名護市議会に対し説明会を開催、また9月3日には名護市久志地区の13区を対象に住民説明会を開催した。

この住民説明会は、参加人数を制限したうえ、区民以外の参加を認めないもので、那覇防衛施設局による一方的な説明会といわざるをえず、これで説明責任を果たしたとはいえない。那覇防衛施設局は、ボーリング調査を即刻中止するとともに、調査がジュゴンおよび海草藻場を含むサンゴ礁に与える影響を懸念する市民に答えるべきである。

 

(参考)

前のページに戻る

あなたの支援が必要です!

×

NACS-J(ナックスジェイ・日本自然保護協会)は、寄付に基づく支援により活動している団体です。

継続寄付

寄付をする
(今回のみ支援)

月々1000円のご支援で、自然保護に関する普及啓発を広げることができます。

寄付する