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「里やまにおけるふれあい活動」に関する調査への協力者大募集!

2000.06.02
活動報告

昨年度より環境庁は、「里地自然の保全方策策定」に関する調査を開始しました。NACS-Jは、その調査の中で、「人と自然とのふれあいの観点からの里地自然の保全方策策定調査」を担当して行っています。この調査では、里やまをフィールドに自然観察会や里山保全活動など、人と自然とのふれあいを目的とした保全・利用の活動を行っている事例を収集し、利用形態やフィールドの特性を解析します。そして別途行われている野生動植物の生息・生育地としての里やまのデータと合わせて、保全策を策定するための根拠として活用します。みなさまには、この調査へのご協力をぜひお願いしたいのです。

 

昨年施行された環境影響評価法では、「人と自然との豊かな触れ合い」が新しく評価項目に加わりました。開発事業を行うに当たっては、地域にとって大事な自然とのふれあい活動を調査し、開発計画がその活動や活動の場に影響を与えることがないか評価することが必要とされています。したがいまして、日頃より地域の自然とのふれあい活動について把握し、その存在と重要性をアピールしていくことが、自然を守るうえでも重要となってきています。

 

NACS-Jでは、この環境庁の調査と昨年独自に実施した「自然しらべ’99里やま」の結果をもとに、「人と自然との豊かな触れ合い」が環境アセスメントでも適切に評価され、ふれあい活動の場となっている身近な自然の保全が図られるために、自然観察会や里やま管理など自然保護・環境保全を目的としたふれあい活動が行われている里やま自然の重要性、保全の必要性をアピールしていきたいと考えています。

 

お寄せいただいた情報はすべてとりまとめ、里やまをはじめとする身近な自然の保護・保全のために活用いたします。どうぞご協力くださいますようお願いいたします。

調査に参加してくださる方は、お名前、住所、電話番号を下記にご連絡ください。すぐに調査用紙をお送りします。

                           (保護研究部 担当:開発(カイハツ)法子)


■本調査でお答えいただいた内容については、集計、解析の上報告書にとりまとめます。

■本調査にご協力いただいたみなさまには、報告書に協力団体(者)名として掲載し、報告書ができましたら一部お送りいたします。

■本調査では、「里やま」「ふれあい活動」については、次のように考えています。

「里やま*1」とは…
 伝統的な農林業と結びついて維持されてきた雑木林や松林、規模の小さなスギやヒノキなどの植林地、竹林や鎮守の森、これらの林は「里山」と呼ばれ、農村の自然には欠かすことのできない存在です。
 私たちに懐かしいふるさとを思い起こさせてくれる農村の風景は、これら林のほか、田んぼや畑、小川や湿地、ため池、草はらなどさまざま環境がセットで成り立っています。そしてそこにはさまざまな生き物がくらし、神社やお寺、農家、路傍の石仏など人の生活、人と自然のかかわりも存在しています。このような、農村の風景を形づくっているものすべてを含めてこの場を「里やま」と呼ぶことにします。
 また、里やまの自然の一部が残された斜面林や湿地、都市の中の緑地なども里やまに含めて考えています。

「ふれあい活動*2」とは…
 「ふれあい」というと、この言葉のイメージから野外レクリェーション活動を思い浮かべがちですが、「ふれあい」は「かかわり」と置き換えて考え、人と自然のかかわりを広くとらえることが重要です。例えば人と動物(サル・シカなど)との関係を見ても、保護、尊重、捕獲、殺傷などの相反する関係が存在します*3
 ですから、本来「人と自然とのふれあい活動」といった場合は、明るく楽しい余暇活動だけでなく、自然との精神的な交流がある活動や学術研究などとたいへん幅広いものといえます。例えば、狩猟や採取、子どもの原体験、遊びといった生活に深くかかわるものから、花見や潮干狩り、温泉やスキーなどのレジャーなどがあげられます。
 しかし、この調査では、自然観察会や里山保全活動など、生業である農林業とは異なる新しい里やまとのかかわり、身近な自然を保全することを目指して行われている活動を「ふれあい活動」として、限定的に使うことにします。

 

*1 NACS-J 1999.全国一斉自然しらべ「’99里やま」パンフレット
*2 NACS-J 1999.環境アセスメント「人と自然との豊かな触れ合い」を考える
*3 野本寛一 1994.共生のフォークロア 民俗の環境思想.青土社

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