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宮崎県・綾の森、MAB登録の調査終了まで送電線工事の中断を

2003.08.27
要望・声明

2003年8月27日

九州電力株式会社
社長 松尾新吾 殿

財団法人 日本自然保護協会
理事長  田畑貞寿
専務理事 大澤雅彦
常務理事 吉田正人

 

宮崎県綾照葉樹林の生物圏保存地域登録と九州電力送電線の工事中断に関する要望

 

宮崎県綾照葉樹林の国際的な重要性については、環境省・林野庁の世界自然遺産候補地に関する検討会において、自然遺産の基準を満たしうる19の自然遺産地域の一つに選ばれたことからも明らかです。

当協会はその価値を守るため、貴社の送電線工事の計画変更を求めた緊急声明を、6月12日に発表しました。その後、貴社からの申し出により、7月2日、8月5日と2回の会合が持たれました。8月5日の会合で、貴社は当協会との話し合いはまだ継続中であると述べながら、8月18日には当協会に事前に何の連絡もなく送電線工事に着工しました。

この行為は、当協会との信頼を裏切るものであるとともに、環境団体に対しては嘘をついてでも、強引に工事に着手するという貴社の体質を明らかにするものです。

さて、ユネスコ国内委員会に設置された、MAB(人間と生物圏計画)計画委員会は、この状況の中であっても、綾照葉樹林が国際的な価値を有するものであることを認め、このたび新しい生物圏保存地域の候補地として綾照葉樹林を選び、ユネスコMAB科学諮問委員会に提出する資料の調査に着手しました。

生物圏保存地域は、これまで国内では屋久島、大台ケ原・大峰山、白山、志賀高原の4箇所が指定されていました。また海外では韓国の雪岳山国立公園、ハワイの火山国立公園などが指定を受けています。このたびの決定は、綾照葉樹林が、これらの保護地域に匹敵するものと認められたものです。

貴社はこの事実を重大に受け止め、工事を中断し送電線計画を再考すべきです。今ならまだ間に合いますが、送電線を作ってしまってからではとりかえしがつきません。そこで、下記のとおり要望します。

1. ユネスコ国内委員会MAB計画委員会において、生物圏保存地域登録の調査が終了し、その評価が出るまでの間、送電線工事を中断すること。

2. 送電線工事計画を再検討するため、地元住民、自然保護団体との話し合いの場を設けること。

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