活動報告|綾の照葉樹林プロジェクト

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綾の照葉樹林プロジェクト

緊急声明
更新日:2003.07.15
宮崎県綾町の照葉樹林保全と送電線建設計画
九州電力あて緊急声明を発表

030612照葉大橋.jpg
▲ 綾町の照葉大橋と照葉樹林。(撮影・NACS-J)


 

 九州電力株式会社
  代表取締役社長 鎌田迪貞 殿

(財)日本自然保護協会
 理事長  田畑 貞寿
 専務理事 大澤 雅彦
 常務理事 吉田 正人

2003年6月12日

 


宮崎県綾町の照葉樹林保全と送電線建設計画に対する緊急声明


 

宮崎県綾町に残る照葉樹林は、わが国の暖温帯を代表する植生であり、多くの照葉樹林が森林伐採や道路建設などによって消滅・寸断される中で、唯一まとまった面積が保たれていることから、環境省・林野庁の世界自然遺産候補地に関する検討会においても、日本を代表する17の自然遺産候補地のひとつに挙げられました。最終リストにはもれたものの、人と自然との持続的な共生関係を実現する保護地域である、ユネスコの人間と生物圏(MAB)計画の「生物圏保存地域」とすることがふさわしいと指摘されました。

 

しかるに貴社は、綾町の照葉樹林の隣接地に、送電線(小丸川幹線)を建設する計画であり、世界自然遺産暫定リスト検討会議の終了を待って、今にも着工する予定であると聞きます。その理由として貴社は、送電線の建設位置が世界自然遺産候補地の核心地域でないため、今後の自然遺産推薦には影響しないという立場をとっていると聞きます。

 

しかし、世界遺産条約はその履行指針において、「(自然遺産候補地の)境界線は、すぐれて普遍的な価値を人間の侵入や外側の資源利用から守るため十分な隣接地域を含むべきである(自然遺産登録基準35bVI)」として、十分な緩衝地帯を含むことを求めており、核心地域でないからという理由で送電線を建設してよいということにはなりません。

 

また生物圏保存地域は、核心地域と緩衝地帯を持った保護地域であり、緩衝地帯の外側の開発は認めていますが、緩衝地帯は核心地域と同様な自然環境に保ち、研究教育などの利用が認められる地域とされています。

 

貴社が行おうとしている送電線建設計画は、将来的な世界自然遺産推薦やMAB国内委員会において検討がすすめられようとしている生物圏保存地域の登録に、重大な影響を与えかねません。そこで以下の通り、緊急に要望します。

 

九州電力は、MAB国内委員会において、生物圏保存地域の検討が終了するまで送電線建設工事を見合わせるべきである。さらにこれら国際的保護地域の基準にしたがって、そのルート変更を検討すべきである。

綾の照葉樹林プロジェクト

日本自然保護協会
(NACS‐J)

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