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泡瀬干潟のラムサール条約登録を求める要請書を提出しました。

2015.11.30
要望・声明

泡瀬干潟のラムサール条約登録を求める要請書(PDF/142KB)


2015年11月30日

環境大臣 丸川珠代 様

NPO法人 ラムサール・ネットワーク日本
 共同代表 柏木実 前川盛治 呉地正行 安藤よしの 堀 良一

公益財団法人日本自然保護協会  理事長 亀山 章

泡瀬干潟を守る連絡会  共同代表 小橋川共男 漆谷克秀

泡瀬干潟のラムサール条約登録を求める要請書

沖縄県沖縄市の東部海域に広がる泡瀬干潟は、生物多様性の宝庫であり、世界の宝である。

泡瀬干潟は、2000年に環境省の「日本の重要湿地500」に選定され、2010年にはラムサール条約湿地潜在候補地172か所にも選定されている。選定理由は、国際的な基準のうち4つ(基準1、基準2、基準3、基準6)を満たしていることである。

泡瀬干潟は、危機に瀕している。2000年12月に埋立が承認されて以来、第一次泡瀬訴訟で住民側勝訴が確定して2009年10月~2011年7月は工事が中断されたが、埋立変更申請、新たな埋立て計画が承認され、2011年10月に工事が再開され、今日まで続けられている。環境省のラムサール条約第11回締約国会議(COP11)の国別報告書や、中城湾港の港湾計画の一部変更時には、より環境に配慮するよう意見が出されたものの、尊重されることなく事業は進められた。

そのようななか、泡瀬干潟のラムサール条約登録に向けて喜ばしい進展があった。2015年3月の沖縄県議会で、県環境部長が「早期登録に取り組んでいきたい」と答弁し、6月議会では翁長沖縄県知事が「登録は意義のあること、地元自治体に働きかけている」と答弁した。また、泡瀬干潟を守る連絡会が要請した「泡瀬干潟のラムサール条約登録を、ラムサールCOP13(2018年、ドバイ)で実現できるようにすること」に対し、沖縄県知事は11月12日に「ラムサール条約への登録に必要となる鳥獣保護区の指定に向け、地元自治体への働きかけを始めており、来年度策定する第12次鳥獣保護管理事業計画への位置づけを目途に合意形成に努めてまいりたい」と回答している。

一方、先月、沖縄では米軍普天間飛行場代替施設建設事業について公有水面埋立承認が取り消された。知事の決断は、普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認手続に関する第三者委員会の報告に基づくもので、「承認は瑕疵があった」と判断された理由のうち環境問題については、泡瀬干潟にも当てはまることから、同じように見直しが必要であると考える。

以上のことから、泡瀬干潟は未来への遺産として保全し、子々孫々に残すべき重要な場所として、私たちは、環境省に対し、次の通り要請する。

要 請

  1. 泡瀬干潟のラムサール条約登録を、ラムサールCOP13(2018年、ドバイ)で実現できるように尽力すること。
  2. 泡瀬干潟・浅海域埋立に対し、「再検証、見直し」をするよう、国交省・内閣府沖縄総合事務局・沖縄県知事に進言すること。

以上

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