IUCNの最近のブログ記事

毎度毎度、突然ですが、私(道家)は現在ネパールのカトマンズにいます。
今日から4日間ここネパールで開催される、IUCNアジア地域自然保護フォーラムに出席するためです。

このアジア地域自然保護フォーラム(以下、自然保護フォーラム)は、4年に1度開催されるもので、来年10月スペインのバルセロナで開催予定のIUCN最大の会議である第4回世界自然保護会議のアジア準備会合の意味合いもかねています。

そのような位置づけもあり、過去4年間(2004-2007)のアジア地域の自然保護の動向、そして、今後4年間(2008-2011)の自然保護の方向性を検討する重要な機会です。

会議のサブテーマは、「アジアの持続性に向けた相乗効果synergy for sustainable Asia」。これから四日間、会議の様子を報告したいと思います。

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(保全研究部・道家)

EUの一大環境イベント Green Week

私は今、ベルギーを訪れています。

ベルギーのブリュッセルでは、2000年からGreen Weekという催し物が開かれています。およそ1週間(今回は、6月12日~6月15日まで)シンポジウムや展示などが行われるのです。

2006年のテーマは「生物多様性」でしたが、今年はローマ条約(欧州共同体設立のきっかけといわれる条約)の50周年を記念し「過去に学び、未来に挑戦する(Past Lesson, Future Challenge)」というテーマで、さまざまなイベントが開催されています。
なんと参加予定者は4000人!
EU各国からNGOや行政役人、研究機関が参加するのです。

イベントのひとつに、欧州環境庁主催のシナリオワークショップがありました。
欧州環境庁が数回のワークショップを通じて作った「2037年の欧州の土地利用の変化のシナリオ」をワークショップ参加者で議論するというものです。
「技術革新」を追い求めた場合のシナリオや「環境意識が高まり、足ることを知る社会」のシナリオなど5つのシナリオが用意されています。

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国際的な議論を見てみると、例えばミレニアム生態系評価も同様ですが、「将来予想されるシナリオを作る」ということが最近流行っているように思います。
別の見方をすれば、私たちの社会が分岐点にたっているということの現れかもしれません。グローバリゼーションを進めてよいのか、あるいは地方分権はどうかかといったなど社会の基本的方向性をどうすべきかが問われているのかもしれません。
日本政府が開催国として名乗りを上げている「生物多様性条約第10回締約国会議」は、2010年以降の世界の生物多様性保全の未来像を決める重要な会議です。それに向けて、自然保護の日本版のシナリオを構想してみるというのはいかがでしょうか。

(保護・研究部 IUCN担当 道家)

1月27日に、自然保護協会が事務局を務めるIUCN日本委員会の主催で、国際シンポジウム「生物多様性~世界と日本を結ぶ国家戦略をめざして」を開催しました。

今回は、海外ゲストに生物多様性条約の事務局長アーメッド・ジョグラフさんとIUCNの主席研究員ジェフリー・マクニーリーさんをお招きしました。1992年に採択されたこの生物多様性条約の初期の段階から深くかかわってきた専門家です。

内容については後日IUCN日本委員会のホームページにアップする予定ですが、政策の専門家であり条約事務運営の最高責任者であるジョグラフさん、科学者であり「生物多様性条約の母」とも呼ばれるIUCNの研究員のジェフさん、両者の視点はそれぞれ違うのですが、条約の重要性、CoP10の重要性はお二人とも強調されていました。

パネルディスカッションは、ジェフさん(IUCN)、黒田さん(環境省大臣官房審議官)、堂本さん(千葉県知事)、大久保さん(日本経団連自然保護協議会会長)、岩槻さん(兵庫県立人と自然の博物館館長)、草刈さん(WWFジャパン自然保護室次長)に登壇してもらい、コーディネーターを日本自然保護協会理事でIUCN-J副会長の吉田正人が行いました。

240名分の座席がほとんど埋まるほどの盛況となり、参加者も省庁や地方自治体、企業、学生・研究者といったさまざまな分野の方々がそれぞれ生物多様性保全の分野で何をすべきか、協力関係の中で何をすべきかということが話題となりました。

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たくさんの方に来場していただきました。

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多忙な生物多様性条約事務局長ジョグラフさんはこの後、すぐニュージーランドへ

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IUCNの主席研究員ジェフリー・マクニーリーさん

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NACS-Jスタッフもしっかり聞いてます

(道家/保護研究部)

欧州日記6~IUCNヨーロッパオフィス~

さて、ドイツのボンからケルンに移動し、インターシティーエクスプレスに乗って2時間ほどで、ベルギーのブリュッセルに到着しました。

ブリュッセルは、ここ数年で経済的にも政治的にも激変した都市の一つです。いずれも欧州議会・欧州委員会がこの町に作られたことに起因します。IUCNヨーロッパオフィスも同様で、2001年には5人程度のスタッフが働いていたのが、2005年夏頃には20人、現在は27人のスタッフが働くという大所帯となりました。写真を見ていただきたいのですが、4階建てですが建物は古く、階段を上り下りする音を聞きながら会議をしているので、まるでヨーロッパの大家族を訪れたような錯覚を覚えました。

ヨーロッパオフィスは、プロジェクトよりもリエゾン(連絡調整)機能が強いところです。欧州委員会や欧州議会へのロビー活動のほか、ヨーロッパ・ハビタット・グループというネットワーク組織の事務局などを担っています。

この事務所の中核事業は、「カウントダウン2010」というイニシアチブの事務局を担っていることです。生物多様性条約で合意された「2010年までに生物多様性の消失スピードを劇的に抑える」という目標に向けて、機運を盛り上げようとするもので、仕組みはいたって簡単です。
このカウントダウン2010に参加したい団体は、「2010年目標」に向けて努力すると書かれた宣言に署名するとともに、特に自分たちの団体でできることを書き込むだけです。私の理解では、2010年目標を意識し、行動する人々に共通のシンボルを提案・提供することがこの活動の目的のひとつで、そのためロゴの使用もかなりの柔軟性があります。団体について条件がある訳ではなく、NGOは当然ですが政府や省庁、地方自治体、企業もパートナーとなっています。これまでヨーロッパを中心に展開してきましたが、世界中でカウントダウン2010への参加を呼びかけることになりました。

聞くところによるとやはりここ欧州でも「2010年目標」はおろか「生物多様性条約」を知っている人はほとんどなく、政府の関係者(環境大臣すら!!)も「生物多様性って何?」という認識のようです。面白いことにヨーロッパオフィスでは「生物多様性Biodiversity」という言葉を使うことをさけて「自然Nature」を使うようにしているそうです。
(保護研究部・道家 2006.11.29)
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ヨーロッパオフィス正面

欧州日記5~IUCN環境法センター~

さて、前回の予告通り、11月28日(月曜日)は、ドイツのボンにある「環境法センター」を訪れました。IUCNの環境法センターは歴史が古く、1970年代に設立され、ラムサール条約や世界遺産条約そして生物多様性条約などのIUCNの素案が作成されたのもこの地です。

ここでは、IUCN環境法センターのほか、ドイツ自然保護協会(NABU)と連邦環境省とのミーティングも行いました。

印象的だったのは、連邦環境省、種・生息地保護部部長アニータ・ブライヤーさんとのミーティングです。
EU加盟国は、各国陸域・海域の18%を保護区にするというEUレベルの目標に向けて政策を展開していますが、ドイツでは連邦制度のために全くといっていいほど進んでいません。保護地域政策については完全に分権化されているため、各州が、生物多様性保全政策の権限・予算を持っており、連邦レベルでは何もできない状況にあるのです。(この場合の保護区とは、例えば土地を国が買い取り、手を付けられなくするような地域だけではなく、生物多様性保全に反するような開発をしない区域(日々の農業といった活動は行える)も含む、幅広いものです)
地方分権体制のもたらすメリットとデメリットは、現在、地方分権の議論が行われている日本にとっても大きな課題といえるでしょう。

ところで、ヨーロッパはクリスマスシーズンには入っています。夜遅くまで行った会議の後、ボン中央駅に立ち寄ったところ、クリスマスマーケットが開かれていました。

生物多様性条約第9回締約国会議は、ここボンで2008年5月に開催されます。本当はもう少しここにいたかったのですが、明日はIUCNのヨーロッパオフィスを訪問するため、ベルギーのブリュッセルに向かいます。
(保護研究部・道家)
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法制度関係の資料・論文がぎっしりと並ぶ環境法センター書庫
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クリスマスマーケットの様子

欧州日記4~IUCNでの出会い~

少し話が前後してしまいましたが、IUCN本部では、イブラヒム事務総長代理に表敬訪問をしたのち、前回紹介したジェフ氏やマーサ氏のほかにも、ラフィク氏(「ビジネスと生物多様性」テーマの部長)や世界自然保護会議の準備チームなど大勢の方にお会いしてきました。

IUCNが生物多様性保全の分野で何をしているか、何を次の課題と考えているかを調査するのが今回のミッションなのですが、お気づき方もいると思いますが、楽しんでいます。
これにはちゃんとした理由があります。

IUCNは会員に対して「みなさん(会員団体)と私たちは家族のようなものですから、リラックスして、何でも気軽に相談してください」と呼びかけます。今回、イブラヒム事務総長代理にもこのように話しかけられました。以前、アキムシュタイナー事務総長(現UNEP事務総長)からも、このように話してもらったことがあります。

IUCNは世界中の自然保護に関わるグループ(国や省庁も含む)からなるネットワーク団体です。50年以上ずっと、会員からの知識や経験を集約し、またそれを世界中に発信していくというやり取りをしていく中で、培われた文化・精神なのだと思います。
このような素晴らしい雰囲気の中で、多岐にわたる事柄を調べることができました。決して、海外で羽を伸ばせるから楽しんでいる訳ではありません。

さて、次はドイツのボン、IUCNの環境法センターに向かいます。

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イブラヒム事務総長代理との面会

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IUCNの隣町NYONの夜明け
(保護研究部・道家)

欧州日記3~ハッピー・アワー~

連載3回目にして、いきなり、飲み会の話です(ちゃんと仕事はしていますので、、、)

IUCNでは、月に1度(だいたい最終金曜日)、本部建物で慰労のための飲み会を開催するそうです。たまたま、私のIUCN訪問最終日(11月24日)がその日だったので、参加させていただくことにしました。

写真を見るとそんなに人が多くないと感じるかもしれませんが、IUCN本部には、現在120名の職員が働いています。ですが、ほとんどの職員が世界中を飛び回っているため、建物にいる人はそんなに多くありません。
職員それぞれでワインやお菓子などのおつまみを持ち寄って行います。

こういうちょっとしたイベントも職場内のよい意見交換になるそうで、かなり古くからの習慣だそうです。
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(保護研究部・道家)

実は私も初めてIUCN本部を訪れることになるのですが、ここでIUCN本部職員といくつもの会合を持つ予定です。さて、今回はジェフ・マクニーリIUCN主席研究員とマーサ・ロハス国際協定担当部長(生物多様性条約)にお話を伺いましたので、その一部をご紹介します。

■IUCNと生物多様性条約の関わりについて
ジェフさん「生物多様性条約や国家戦略とIUCNの関わりは非常に深いものがあります。1982年にバリで開催された第3回世界公園会議で『種の保存や保護地域、持続可能な利用などさまざまなテーマを包括的に議論する条約』の成立に向けてIUCNの活動を強化することが決まり、1987年に条約の素案をUNEPに提案、1992年の地球サミットで採択されます。
それ以降も、条約の締約国会議、科学会議、ワーキンググループなどほぼすべての事柄にIUCNは関わっています。国家戦略についても同様で、IUCNは75カ国で国家戦略策定にアドバイザーとして関わってきました。
生物多様性条約はIUCN多くの仕事の中核といえる条約のひとつなのです。」

■生物多様性、それは人間すべてのあらゆることに関係する!
(Biodiversity All our Business!)
マーサさん「生物多様性を考える上で重要なのは、環境だけで考えるのではなく、貿易や経済、教育、科学技術というすべての分野に、生物多様性の視点を組み込むということが大事です。EUでは、環境への直接支払い制度など農業の分野で進んでいます。現在は企業などの民間セクターの分野で、生物多様性という視点を企業活動の中に取り入れることが進んでいます。」

ほかにももっと多くの話をしたのですが、長くなりましたので、今回はこの辺で終わりたいと思います。
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本部の建物の写真のIUCNのロゴがUICNとなっているのはこちらが、フランス語圏だからです。
(保護研究部・道家) 

欧州日記1~出発~

現在、環境省では生物国家戦略の見直しが進んでいます。

生物多様性国家戦略とは、1992年の地球サミットのときに、温暖化防止条約と並んで策定された『生物多様性条約』のなかでその作成が義務づけられているもので、環境省のみならず国レベルの生物多様性保全の方向性を決める重要な戦略のひとつです。

保護研究部のIUCN-J事務局担当である私(道家)は、今回ヨーロッパにおける生物多様性条約や国家戦略の策定状況を調査するため、現在IUCNの本部があるスイス/グラン市に来ています。
今日から数回にわたり、事務局日誌に記事を配信したいと思います。

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いよいよ出発!

(保護研究部・道家哲平)

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