愛知ターゲットの最近のブログ記事

icon_douke.jpg再びカナダ・モントリオールより保全研究部の道家です。

SBSTTA16では海洋についてかなり白熱した議論が行なわれました。
一部合意できなかった部分もありますが、海洋沿岸生態系の保全や持続可能な利用について、
生物多様性条約がどう前にステップを刻んでいくかがまとめられました。
COP11にて大きく変更される可能性もありえますが、海洋関連3議題の決議案最終文書をご紹介します。
どうしても専門的な報告になっていまいますがお許しください。

海洋沿岸への人為的な悪影響への対処
UNEP/CBD/SBSTTA/16/L.16より適宜抜粋しました
<持続可能な漁業>
漁業管理団体(漁業組合も入ります)が、生物多様性への影響に対処する役割を持つべき(最初はcould持ちうるという表現。一歩強い表現)とし、キャパシティビルディングなどを通じて、エコシステムアプローチの実施が必要としました。その上で、生物多様性関連団体と漁業団体の建設的な協力を奨励し、生物多様性保全が漁業管理団体の仕事の一つであることを確保するよう奨励(invite)するという案となっています。

<サンゴの白化>
サンゴ礁生態系の管理者が認識すべきこととして、サンゴ礁生態系が多様なストレスで脆弱であることや、気候変動や、直接的な影響だけではなく二次的な影響も含めてそのリスクに、前もった(proactive)対処を計画すること、社会ー生態学的システムとしてサンゴ礁を管理すること、適応戦略を作ることとし、事務局長に対して、サンゴ礁に対する気候変動の影響への懸念などを地域、準地域のキャパシティービルディングに入れることを指示する文書をまとめました。
あわせて、条約事務局に対して、サンゴの白化に関する活動計画の改訂版の案を作成し、COP12の前のSBSTTAで検証することを指示する文書をまとめました。

<海中騒音について(Underwater noise)>
海中騒音が、短期且つ長期で負の影響を持つ可能性があり、かつ、重大な影響を持ちうることに留意し、締約国や他の機関に対し、海中騒音の研究を促進すること、この課題を関係者に普及すること、海中騒音の重大な負の影響を最小化するための手段をとること、指標の開発や、海中騒音のモニタリング枠組みを模索し、進展をCOP12の前のSBSTTAに報告することとしました。あわせて、条約事務局に専門家ワークショップを実施することを指示する文書をまとめました。

<海洋酸性化の影響のモニターや評価のための専門家レビュー>
条約事務局に対して、UNESCO機関等と協力し、古海洋学も情報も含めた統合分析報告書を作り、COP12の前のSBSTTAのまえに手に入るようにすること、UNFCCC事務局に送付することを指示する文書を作りました。

<洋上漂流物(marine debris)の影響への対処について>
条約事務局に対し、各国、関係機関への洋上漂流物の影響に関する情報要請、それらの情報の編集統合と専門家ワークショップへの反映、洋上漂流物の重大な影響の防止や緩和に関する実践的なガイダンスを準備するためのワークショップの開催、上記活動のレポートをCOP12前のSBSTTAに提出することなどを要請する文書を作りました。

海洋空間計画と自発的環境影響評価ガイドラインに関して
UNEP/CBD/SBSTTA/16/L.16 より適宜抜粋しました。
<自発的環境影響評価ガイドライン>
自発的ガイドラインに関する文章全体にブラケット(合意されていない)がかかっていますが、ボランタリーガイドラインの留意(元は採択)と、活用、今後の改善のための情報提供、活用のためのキャパシティービルディングが含まれています。

<海洋空間計画>
事務局に対して、a)ウェブベースの情報共有システム、b)海洋空間計画に関する情報や経験の編集の継続、c)海洋空間計画の適用や実践的ガイダンスの提供するための専門家ワークショップの開催を指示、また、そのワークショップで、既存のガイダンスやツールキットの検討、ギャップの特定、ギャップを埋めるための提案の作成、必要に応じて、実践的ガイドラインの準備を行なうこと。d)ガイダンスやツールキットの作成、e)海洋空間計画に関する普及啓発の素材の配布、f)トレーニングワークショップの実施を指示する文書をまとめました。

重要海域(EBSA)について
UNEP/CBD/SBSTTA/16/L.13 より適宜抜粋しました。
<COP11の決議案として>(COP11で協議し、採択後に効力を発揮)
4カ所で行なわれたワークショップの報告書をSBSTTA報告書として付属書にまとめつつ、その報告書の取り扱いについてはCOPの決議であることを確認。SBSTTA案として「承認するendorse」にカギカッコ(合意されていないことを意味する)をつけてまとめました。また、この報告書を国連総会に提出するように事務局に要請する文章をまとめました。

報告書およびこのような重要海域(EBSA)の記述に関する作業は今後も改善する必要があるという意見がありつつ、そのような重要な場所の「特定」「保全や持続可能な利用の方法など」を議論するのはCBDではなく、国連総会特別作業部会や国連海洋法条約(UNCLOS)の役割であることを再三強調する文章になっています。

重要海域のリスト・範囲(単なる名前のリストではなく、地域情報なども分かるものをrepositoryというようです)・情報共有システムとして、ウェブサイト(http://ebsa.cbd.int/)もできていますが、こういう事情もあって何もデータが乗っかっていない状態です。
こういうところに情報を載せていくための科学者のトレーニングなどを含めたキャパシティービルディングも事務局に要請することになりました。
 EBSA記述に関する社会・文化的基準については、EBSA特定の際に、伝統的知識を含めて検証することが重要ということが確認されましたが、これについては具体的な事例についてCOP12に向け進捗レポートをまとめようという案となっています。

<SBSTTAの結論>(SBSTTA後から効力を発揮)
今後の手続き的なものとして、EBSA記述のワークショップ(COP10決議では全海域で実施することになっている)を開いた場合、SBSTTAで検討した上で、COPにSBSTTAのレポートとして提出すること(つまり、これからCOP11までに行なわれるワークショップの結論は、1年後?のSBSTTAで検討するまで、その取り扱いが待たれることになり、かつ、承認enorseはCOP12まで待つ)、EBSA記述ワークショップが行なわれていない海域を優先的に実施し各国の参加を呼びかけること、大西洋東北海域のワークショップの結果に関しては(EUなどがGIS情報の違いなどで懸念を示してた)修正の上、COP11への報告書に組込むことを了承しました。

以上が海洋関連3議題についての速報報告です。

このSBSTTA~WGRIでの議論や決議案の最新情報を中心に、今年2012年10月にインドで開催される第11回生物多様性条約締約国会議(COP11)に向け、最新の国際動向が分かる報告会を開催します。どなたでもご参加いただけます。
一歩先行く生物多様性保全の最新情報をお届けします。


生物多様性保全の最新の国際動向が分かる報告会

日時:2012年5月17日(木) 19時から 

会場:日本自然保護協会 大会議室(中央区新川1-16-10 ミトヨビル2F)
      ※19:00以降はビル正面右側の通用口のインターホンを押してください。

申し込み:できるだけ事前に下記のフォームからお申込みください。
      http://bit.ly/IDbEr8
      (当日は18時より国際自然保護連合=IUCN-Jの総会が行われます。
       こちらへのご参加はIUCN-J関係者のみとなります)

参加費:無料

詳細はNACS-J生物多様性条約の活動紹介でご案内しています。


icon_douke.jpg続いてカナダより道家哲平です。

5月7日からは、SBSTTA-16に続き、生物多様性条約第4回「条約の実施とレビューに関する作業部会」(WGRI-4  ウィグリと発音)が始まりましたので、初日の様子を先にレポートします。
WGRI-4の議長は、COP10議長国の役割なので、環境省の星野一昭さん(大臣補佐官)が務められています。

生物多様性条約の戦略計画の実施状況で重要なツールとされているのは、生物多様性国家戦略・行動計画(National Biodiversity Strategy and Action Plan、NBSAPと略される)という条約6条で定められた仕組みです。COP10の決議と愛知目標17では、生物多様性国家戦略を作り、又は見直し、効果的な参加と、愛知目標に基づいた国別目標の設定を求めています。条約事務局によると、まだ9カ国しか見直しをしておらず、各国の取組み加速を進める方法を議論しなければなりません。

40近い各国の声明を聞くと、ラテンアメリカの大きな国(ブラジルやメキシコ)や欧米の国は、かなり見直しが進んでいるようで、COP11までに間に合わせようという動きがある一方で、アフリカ、アジアは資金やキャパシティの不足からかまだ着手できていない模様です。

それから、生物多様性日本基金への感謝の言葉が発展途上国から続きます。生物多様性条約の年間基本予算(各国が供出)1200万ドル(このうち20%強を日本が支出)に対し、ボランタリーな供出金として4800万ドルを2015年までの費用として支出しました。

各国代表以外の市民社会、国際自然保護連合(IUCN)からの声明をまとめます。

先住民グループ(ILC):エコシステムアプローチや伝統的知識のメインストリーミングがNBSAPでなされていないことに懸念。この弱点を克服する必要を強調したい。目標18の強調と、ジェンダーの取組みについても触れたい。

IUCN:交渉(ネゴシエーション)から、実施のレベルに移らなければならない。世界的な愛知目標は、各国が意欲的な目標を立てなければ、絶対に解決し得ない。RIO+20においても、自然があらゆる社会の基礎にあることをもっと強調する必要がある。WGRIを通じて、愛知目標のミッションを問い続けたい。2020年まで生物多様性の損失を止めるための行動をとれているだろうか?

NGOの声明:愛知ターゲットについて、既に作られた計画を見ても、エコシステムアプローチや、ILC/ジェンダーなどの社会的な要素が少ない。数値目標なども不十分な状態である。

続いてCOP10で宿題となった資源(資金)動員の目標設定に向けた議論です。
順番として、どこを基準年にするか(2006−2010という案)、進捗を測る報告システム、どれだけの資金が必要かという(ニーズ評価)、どこから資金を得るかという論点があります。


SBSTTA-16最終日の傍聴
それから、昨日5月6日までの SBSTTA-16の議論でもうひとつ「島嶼作業計画の詳細検討(最終文書)」の紹介をします。

この議論は、小島嶼グル−プがリードする形で進行しました。また、サイドイベントなどで、COP11にて島嶼サミットが開かれることも紹介されました。

COP11決議案について、最終文書(L文書)からポイントと思われるものを下記に挙げます。

・侵略的外来種、気候変動、非持続可能な観光を含む非持続可能な開発が主な生物多様性損失の要因と位置づけ、更なる取組みが、政府の関係部門や先住民地域共同体、NGOの参加のためにも必要で、それが、愛知目標達成にもつながるとしています。

・加盟国に実施の強化を求めつつ、長期の島嶼作業計画の実施のためにも、革新的資金メカニズム(信託基金、気候変動適応の資金、生態系支払い、観光料など)の手当を考慮すベきという文章をまとめました。

・さらに、湿地を含む陸域の保護地域の管理、地方自治体の参加の推進、地域間や国際間の協力の強化を締約国に呼びかける文案を作りました。


icon_douke.jpg保全研究部の道家哲平です。

カナダ・モントリオールにて4月30日から始まった生物多様性条約の関連会議に参加しています。
5月6日まで続いたSBSTTA-16(生物多様性条約科学技術助言補助機関会合 サブスタと発音)では、今年10月にインドで開催される第11回生物多様性条約締約国会議(COP11)に向けて、下記の議題の決議案が作成されました。

SBSTTA-16本会議
▲本会議のようす

1.科学技術助言補助機関の効率改善の方法と手段、特に生物多様性2011-2020戦略計画とその問題を焦点としたIPCES(生物多様性と生態系サービス関するに政府間科学政策プラットフォーム)との連携とオプションについて

2.GBO(地球規模生物多様性概況):第四版の準備

3.島嶼域の生物多様性:作業プログラム実施の評価徹底

4. 海洋と沿岸の生物多様性:

5. 生物多様性と気候変動

6. 世界植物保全戦略:決議X/17の実施における進展

7. グローバル分類学イニシアティブ:包括的なキャパシティ·ビルディング戦略

8. 新規の緊急課題

9. バイオ燃料と生物多様性:決議X/37の実施における進展

10. 誘導措置:決議X/44の実施における進展

11. 農業、森林、健康の分野での共同作業についての報告

それぞれの議題についての詳細はIUCN-Jの「にじゅうまるプロジェクト」のページで解説をし、
今回のSBSTTAでの議論の過程も同ページで速報しています。

SBSTTA-16参加者の割合
SBSTTAの参加者(登録者)は490名でした。内訳は、CBD加盟国288名(うち日本政府は11名)非加盟国9名(アメリカ合衆国)国連機関34名,政府間機関(他の条約等。IUCNもここ)32名,NGO78名, 先住民グループ(ILC)5名,企業3名,教育機関31名,その他10名(以上手集計)です。

特に、議論の的となったのは、世界分類学イニシアティブ、生態学的または生物学的に重要な海域(EBSA)などの議論、特にEBSAはアフリカ地域が非常に強い懸念を表明して、何回か会議を中断することになりました。

アフリカが協議の上、重要海域(EBSA)を記述するためのワークショップの日程等を、COP11前に可能な限り早く情報提供を事務局に求めること、アフリカの立場をSBSTTA16の報告書に記載することで、合意され、会場から拍手(安堵)が起きました。

最終文書からまず6.の世界植物保全戦略の決議案について紹介をします。

世界植物保全戦略については、目標の共通理解にあたるtechnical rationaleが合意されたほか、各国レベルの国内植物保全戦略の策定や、生物多様性国家戦略との連携を押し進めることがポイントです。土地利用や開発計画の中にも組込んでいくというのも非常に大事なポイントではないでしょうか。

世界植物保全戦略のオンラインツールキットは、各国の事例(日本の事例は、生物多様性ジャパンがリーダーシップを発揮してい作成)や、各種のツール、情報が体系的にまとまっています。

■世界植物保全戦略のオンラインツールキットのウェブサイト(英文) http://www.plants2020.net/

下記は、SBSTTA16-L文書(最終文書)からポイントと感じたところをピックアップたものです。

<COP11決議案として下記のようなことをまとめました>

COP10決議17(世界植物保全戦略)の決議において、各国は世界植物保全戦略の達成のための国内目標を打ち立て、国の計画(生物多様性国家戦略)に組込むことを改めて強調する。
 各国の連絡窓口(Focal point)を指名していないところは、指名するよう再度強調する
 今回確認された世界植物保全戦略の解説書を活用する(例えば、国内植物保全戦略の立案や更新やその国内植物保全戦略を国家戦略や土地利用計画や開発計画に組込んでいくこと)。
 愛知ターゲットのモニタリングや検討の評価と、世界植物保全戦略の評価とをリンクさせる。
 世界植物保全戦略の実施の際に、ABSに関する諸規定(第15条、事前の情報提供に基づいた同意や、利用の際の協定、名古屋議定書など)を強調する。
世界植物保全戦略のオンラインツールキットの維持と更なる開発を行なう
CITES(ワシントン条約)でも、世界植物保全戦略に取組むという決議案を歓迎する。

明日、海洋関連のレポートをしたいと思います。


icon_tsuruda.jpg広報・編集部の鶴田です。

本日4月12日、環境省の中央環境審議会自然環境・野生生物合同部会の
第2回「生物多様性国家戦略小委員会」のヒアリングで、
NACS-Jの道家哲平(保全研究部)が意見を述べています。
生物多様性の損失を食い止めるために、実効性のある「国家戦略」として、
今後5年間で緊急に必要な行動について提言しました。

NACS-Jが主張した内容を速報でお知らせします。

・意欲的な国家目標-マイルストーン-指標の設定が重要。
 特に数値目標を設定する際には、意味のある目標を立てる。
 (沿岸域及び海域の10%が保護地域化されるという目標11。
 現状の海洋保護区8.3%達成は、愛知目標達成のための拡大解釈ではないか?)

・生物多様性国家戦略は、政府まかせのものではなく、
 分野横断・市民参加・実効性のある生物多様性地域戦略によって達成される。

・ヒアリングのあるなしに関わらず復興庁などの他省庁、市民団体、企業、自治体が
 それぞれ何をすべきかという、愛知ターゲット20の個別目標の役割分担と責任を明確化し、
 それを可視化すべき。

・日本の生物多様性の損失を食い止めるために、
 5年間で効果的かつ緊急に特に次の3つの行動が必要。

1. 保護地域制度のギャップに取り組む。
 (重要な自然、対策が必要な場所をしっかり守れる制度にする)
2. 生物多様性も守ることのできるエネルギー政策に転換する。
 (保護地域内で開発を推進しない。小エネルギーでくらしの質を高める
  技術・教育・補助金への転換)
3. 日本の海域における生物多様性の課題を解決する。
 (干潟などの沿岸域のこれ以上の埋め立てをただちにやめる。
  持続可能な利用のための法制の整理と充実させる。
  東日本大震災の教訓を、復興と海岸・沿岸の土地利用に活かす。)

詳細は近日、活動紹介の生物多様性国家戦略への提言でお伝えします。

今日1日で関係省庁(外務省、文部科学省、厚生労働省)、民間団体、企業、
地方公共団体、メディアからヒアリングがあります。
(ヒアリング対象の詳細は、環境省報道発表資料参照



icon_tsuruda.jpg広報・編集部の鶴田です。

ディアス氏
本日2月28日、日本自然保護協会にて、新任の生物多様性条約事務局長ブラウリオ・フェエラ・デ・スーザー・ディアス氏(Braurio Ferreira de Souza Dias)と日本の市民(NGOや企業)16名との意見交換会が行われました。ディアス氏は、ジョグラフ事務局長の後任で、これまでブラジル政府代表として生物多様性条約の策定当時からかかわられてきた方です。

ディアス事務局長は、2月15日に着任されてから2週間程しか経っていませんが、これから、COP10で決議された愛知ターゲット、名古屋議定書を「実施」(Implementation)していくことに注力することが重要だと、強調されていました。特に課題としては次の4つを挙げられました。

1.名古屋議定書の発効に現在90カ国以上が署名した。来年にも50カ国の批准を達成し、名古屋議定書の発効を目指す。

2.各国からの資金協力の取り付けを進めていきたい。市民セクターから懸念が示されていた革新的資金メカニズム、市場ベースによる解決手法(生物多様性オフセットなど)について、先住民の権利の保護も考慮しながら進めていきたい。

3.(省庁やNGOなども含む)セクターを越えた主流化を推進する。

4.愛知ターゲットを実施するために必要なコストの特定を進める。どれだけの費用が掛かるのかを専門家パネルにも協力を求めながらCOP11に向け明確にできるよう進める。

ディアス氏へプレゼン
日本のNGOからは、にじゅうまるプロジェクト(IUCN-J)や普及啓発(CEPA JAPAN)、RIO+20への取り組み(リオ+20と生物多様性実行委員会)などを紹介し、意見交換を行いました。

(←愛知ターゲットの実行を可視化する「にじゅうまるプロジェクト」や日本のNGOのCOP10での取り組みを説明する、NACS-J保全研究部の道家。)


ディアス事務局長は、RIO+20について、「最近出されたゼロドラフト(合意文書の骨子)にも、生物多様性が強調されていないことに懸念がある。食糧安全保障や漁業についても記述があるが、農業や海洋の生物多様性の保全についてもっと強く関与させないといけない。COP10議長国でもある日本政府とも協調してその重要性を理解してもらい、文書への反映を目指していきたい。」と述べられました。


東北の復興についても意見交換の中で触れられ、「自然災害は起こるものであり、その被害を完全に防御することは難しい。古くからの経験や知恵を掘り起こし、減災という観点で防災を考えることが重要であり、自然からいろんなことを学ばないといけない。」と指摘されました。

最後に「日本の市民活動の経験をもっと世界に広めて欲しい」と激励され、COP11開催国のインドの市民セクターとの橋渡しの協力も求められました。

今回は3日間で、日本の外務省、環境省、農水省、市民セクター、経団連と意見交換の場を回られるとのことでした。
議長国日本が率先して、COP11に生物多様性保全の成果を報告できるよう、それぞれが想いを新たに感じた会合でした。

20120228group.jpg


icon_taguchi.jpg広報・編集部の田口です。

2011年から2020年は、「国連生物多様性の10年」。
世界で協力し生物多様性の保全に取り組もうという国連決議です。この決議は、日本の市民団体や国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)の提案を受け、日本政府が動き、実現しました。
昨年12月には金沢市で、国連生物多様性の10年・キックオフイベントが開かれ、いよいよ世界的な取り組みとして本格始動しました!

20120113CBDweb.jpg
会報『自然保護』1・2月号のニュースハイライトコーナーでは、「今すぐ、あらゆるところで動きはじめ、自らの手で未来を変えよう!」という、ジョグラフ生物多様性条約事務局長からのメッセージを、ご紹介しています。

その記事が、生物多様性条約の事務局(inカナダ)のウェブサイトでもご覧いただけることになりました。会報では限られた誌面のためメッセージの一部をご紹介しましたが、英文ではメッセージ全文が掲載されています。ぜひご覧ください。


生物多様性条約事務局(inカナダ)のウェブサイト

icon_abe.jpg保護プロジェクト部の安部です。

12月28日、沖縄防衛局が夜も明けぬうちに沖縄県庁にやってきて、物も言わず辺野古の環境影響評価書が入った段ボール16箱を置いて立ち去ったことは、全国的に報道されたのでみなさまご存じのことと思います。

残念ながら沖縄県はこれを年明けには正式なものとして受理する方針と伝えられました。辺野古の豊かな海をずっと地域の方々と調査し、保全の必要性を訴えてきたNACS-Jから、次の声明を出しました。

●日本語版

●英語版

年の瀬に、こんな強引な方法でこの国の貴重な自然環境、生物多様性のつながりを壊していく施策が押し進められようとしています。また各地の仕分けされたはずの公共事業の復活など、おかしなことがいくつも起きています。
年明けからも地域の声、国民の声が届く国になるよう、活発に活動していかねばなりません。
みなさんもぜひ協力、応援してください。

それでは、よいお年をお迎えください。

icon_abe.jpg保護プロジェクト部の安部です。

12月2~3日に環境主催で開催された第4回アジア太平洋地域生物多様性観測ネットワーク(AP-BON)ワークショップに参加しました。アジア各国から各分野の研究者が多く集まりました。

渡邉綱男環境省自然環境局長のあいさつの後、「AP-BONの成果と課題について」、AP-BON共同議長であり九州大学の矢原徹一教授からお話がありました。
AP-BONの目的はアジア地域のネットワークを作り、生物多様性と生態系の情報を集め統合・分析し共有できる形にし、生物多様性を保ちながら持続可能に自然資源を利用できるよう貢献することです。

その後、生物多様性の評価と指標に関し、ASEAN生物多様性センターから「ASEAN生物多様性アウトルックについて」、
中静透先生(東北大教授・NACS-J評議員)から「日本における生物多様性総合評価について」について報告がありました。

続いて、「種/遺伝子」、「森林」、「淡水」、「海洋」のグループに分かれ、各分野で具体的にどのようにデータを把握し、分析し、共有していくか、熱いディスカッションが行われました。

私は海洋グループの議論に参加しましたが、どこにどのようなデータベースがあり、どの国にどのような協力者がいるかを把握するだけでも大変です。また海洋分野は浅い海だけではなく深海や海底地形も含むので調査にも一層の努力が必要です。
最後に4つのグループの進捗の報告がありましたが、淡水と海洋の分野はここでも他の分野に遅れを取っていると痛感しました。やはり生き物が簡単に国境をも越えてしまう水面の下の調査は、本当に大変だということをあらわしていると思いました。

今後AP-BONによる書籍の出版や各分野のデータベース作成などの活動が予定されています。日本からもどのようなデータが集められるのか、アジア各国の研究者の協力に期待をしています。

ASEAN生物多様性センターの発表
←ASEAN生物多様性センターによる発表














海洋グループの議論の様子
写真2:海洋グループの議論の様子


icon_douke.jpgモントリオールより道家です。ついに最終日を迎えました。

・外来種に関する決議案について

生物多様性条約外の国際条約やルール(具体的に言及されているのは、植物防疫に関するInternational Plant Protection Convention (IPPC)や、国際獣疫事務局the World Organisation for Animal Health (OIE)、WTO協定(衛生植物検疫措置の適用に関する協定。通称SPS協定)などです)との関係が課題です。
そのためタイトルも、ペット、水生生物、陸生生物および生き餌や生鮮食料として持ち込まれる侵略的外来種に関する国際基準間のギャップに対処する手段と方法(Ways and means to address gaps in international standards regarding invasive alien species introduced as pets, aquarium and terrarium species, as live bait and live food)という表現になっています。専門家会合(AHTEG)も開かれておりこちらには日本とスペインが開催を支援しています。

5ページに及ぶ長い決議案です。以下概要を紹介します。

<全体事項>

外来種が多様なセクターにまたがる問題であることを理解し、COP6の決議である外来種のガイドラインの重要性を強調するとともに、各国においても、上記生物多様性条約以外の国際ルールの運用に際して外来種の課題に対処することを求めました。また、インターネット取引による外来種の導入が問題視され、条約事務局に対して、法律での監視方法や規制手法、外来種に関する全般的な普及啓発手法の情報収集を指示しました。

<国際条約・ルール間のギャップを埋めるための手段と方法>

植物防疫に関する条約(International Plant Protection Convention)に対して、コケ類や藻類まで植物防疫条約の対象を広げることや、菌類が植物防疫条約の対象となるかどうか明確にすることを奨励するなど、個別条約に対してメッセージを出す案で合意しました。

また、事務局に対して、遅くともCOP12までに、国際基準、指針、提言を設定している国際団体と協力して、既存の国際基準、指針、提言の国内適用に関する実務的なツールを開発するとともに、条約のウェブサイトで普及することを指示する文案をまとめました。そのツールには①どのように国際基準を適用するか、②リスク評価のツール、③侵略的外来種に関する国家戦略の効果を高め、国家政策に組込むための情報、④侵略的外来種の可能性のある種の特定手法や侵入経路の評価に関する情報など、ツールに含める事項なども検討されました。

<その他の活動>

外来種全般に関する普及啓発、教育手法をまとめる。外来種に関する決議の進捗状況の評価、外来種の共通の侵入経路(Pathway)のリスト作ることなどが合意されました。


・最終全体会合

サブスタ全体会合
最終日は愛知ターゲットの指標をはじめ、予定された8つのCOP11への提言案を全て採択しました。
午前中に作業部会で、持続可能な利用と極地域についての提言をまとめ、すぐさま全体会合を開催しました。お昼休憩を挟み、ハイピッチで全体会合の議題として残された「愛知ターゲットの指標」「世界分類学イニシアティブ」の案をまとめました。

最終全体会合→




ムロンゴイ氏に拍手
当初ゆっくりすぎた進行と思われましたが、終了予定時刻通りに終わりました。
最終の全体会合では、1993年(条約の発効年)から条約事務局に務め、今回、退職することとなったジョー・ムロンゴイ氏への感謝の言葉で締めくくられました。非常にユニークな方で、冗談を飛ばしながら、事務局としての仕事をこなしていく姿に多くの政府から惜しみない拍手と御礼の言葉がかけられました。

←ムロンゴイ生物多様性条約事務局の長年にわたる貢献に皆で拍手


帰国後、SBSTTAの報告会を行なう予定です。

icon_douke.jpgモントリオールより道家です。

科学技術助言補助機関会合(SBSTTA)では、いくつかのテーマにわたって締約国間の検討を行い、合意事項とりわけ、次の締約国会議で何を決めるべきかをまとめます(COP決議への提言とよびますReccomendation to COP)。
いくつかの大きな決議について紹介をしていきます。

<生態学的復元に関する決議案の紹介>

COP11での検討事項については、
・加盟国に対して、愛知ターゲット14、15だけではなく、改定植物保全戦略の目標4と8(生態学的復元に関連する)にも、しっかり取組むこと、

・加盟国や関係諸機関に対して、生態学的復元の実施を進めるために、①e-learningプログラムの提供や②ケーススタディ、優良事例、生態学的復元事業を評価するための手法などについての情報の編集、③地域トレーニングワークショップの支援、④生態学的復元が及ぼす経済的、社会的、生態学的影響および生態系の劣化がもたらす悪影響を伝えるためのコミュニケーションプログラムの開発と実施、などの検討を求めること

事務局長に対して、①地域トレーニングや専門家会合を開くことや、②生態学的復元に関する実施ツールや実践ガイダンスを開発すること、③生態学的復元に関する包括的なウェブサイトを作ること、④過去の復元に関する決議をまとめること、⑤他の条約等で行なわれている復元に関する諸決議、トレーニングツールをまとめたTEMATEAに「生態学的復元」の項を作ること、⑥国連気候変動枠組条約(UNFCCC)、国連砂漠化対処条約(UNCCD)、ラムサール条約などの多国間条約との共同する機会を見つけること、などを求めること

資金提供機関に対して、資金的な協力を求めること

などが主要なコンテンツになりそうです。4日目午前の全体会合で文案が検討されたものが、最終文書にまとまると思います。

追記:ジオエンジニアリング(地球工学)と生態学的復元に関する情報収集が文案に入っていたのですが、政府間協議で削除することとなりました。

4日は午前全体会合、午後作業部会、夜7時半から11時近くまで全体会合というスケジュールで会議が行なわれました。

参加者一覧が発表されました(事前登録ベースの記録ですので、登録だけで実際来られなかった方も含まれます)。参加者は事務局のぞく477名です。以下、各分野毎の登録者人数。ちなみに、昨年のCOP10は7000人近くでした。

CBD加盟国 290名(うち日本政府は18名)
非加盟国 15名(アメリカ合衆国)
国連機関 24名
政府間機関(他の条約等) 34名
NGO 70名
先住民グループ 12名
企業 6名
教育機関 26名
オブザーバー 10名 (以上 手集計なので数え間違いは、ご容赦ください)
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