icon_fukudah.jpgicon_kobayashi.jpg市民活動推進室の福田と小林です。

 

9月3-4日に四日市青少年自然の家で、9月10-11日に山ノ内町で指導員講習会を開催しました。

北は岩手から南は熊本まで、全国から107名の参加者が集まりました。

参加者の中に強力な晴れ男?女?がいたのか、参加者みんなの祈りが天に通じたいのか、どちらの回も奇跡的に雨に降られずに開催できました。

三重県での開催では、自然観察指導員三重連絡会が全力を注いで準備した懇親会が好評で、とても和やかな雰囲気になりました。

山ノ内町での開催では、地元信州大学の先生によるユネスコエコパークやESDについての講義もあり、いつも以上に多くのことを学ぶ機会がありました。

 

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▲515三重県の集合写真

 

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▲516長野県山ノ内町の集合写真

 

「目からウロコが落ちましたよ」とは参加者からの言葉。

どんな経験や知識をお持ちの方でも、講習会では見方・考え方をお伝えしますので「目からウロコ」なんですね。

次はあなたの番、各地で開催する講習会に参加しませんか。

 

10/15-16:兵庫、10/29-30:埼玉、11/14-15:東京、11/26-27:徳島 で開催予定です。

詳細はこちら(http://www.nacsj.or.jp/sanka/shidoin/index.html)

海岸植物の情報をお待ちしています!

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icon_hagiwara.jpgのサムネール画像

 生物多様性保全室の萩原です。

 

 

自然しらべ2016がはじまって以来、北は北海道から、南は沖縄県西表島まで、日本各地で海岸植物を観察して、たくさんの写真を送っていただいています。ありがとうございます。

5月に自然しらべがスタートした時期は、美しく咲く「ハマヒルガオ」の写真を多くお寄せいただいていましたが、次第に種類が変わり、今はハマゴウやウンランなどに種類が移ってきています。

参加者の皆さまから送っていただいた貴重なお写真や情報は、学術協力者の先生にご指導をいただきながら職員やインターン手て集計しています。

集まった情報は、日本の海岸や海岸植物の様子を知る大切な記録となります。

締切まで、まだ2週間あります。ぜひ、皆さんも海辺に出かけて、海岸植物をしらべてみてください。きっと素敵な出会いがありますよ!

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写真:全国からお寄せいただいた情報を、みんなで拝見しているところ。

いろいろな植物や海辺の風景とともに、参加してみての感想もあり、

各地の砂浜の情報が伝わってきます。

 

 

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保護室の辻村です。
 
嬉しいお知らせが届きました。八丈島の教育委員会から、八丈町こん沢林道甌穴群(おうけつぐん)が八丈町の天然記念物に指定されたと正式な文書でご報告を頂きました。
 
日本自然保護協会は昨年、八丈町教育委員会から八丈島の末吉地区にある甌穴群を天然記念物に指定したいので学術的価値をどのように証明したらいいのか教えてほしいとの相談を受けました。資料を見て、なぜある場所にだけ集中的に甌穴ができているのだろうか?本当に発見されたところにしか無いのだろうか?集中しているところとしていないところの違いは何だろうか?など、好奇心をかきたてられました。また、天然記念物制度は法律に基づく制度では日本で最も歴史のある自然保護制度です。NACS-Jでは、地域の自然資源を守る制度利用の観点でも貢献できそうだと考え、この調査にかかわることにしました。
 
学術調査は、NACS-J評議員で、ジオパークの専門家でもある地理学者の小泉武栄東京学芸大学名誉教授に依頼をし、昨年(2015年)の秋、八丈島教育委員会の林薫氏、吉田太朗氏の同行のもと現地調査を実施しました。
 
調査の結果、八丈島の甌穴(ポットホール)群は、ほぼ同一の規模をもった甌穴がほぼ同じ間隔で存在し、沢によっては100段を超える小滝・甌穴のセットが見られる、他に例をみない特異な地形景観であることがわかりました。
 
小泉先生は、数10年もしくは数100年に1回程度起こる 豪雨の際、現在岩盤になっている部分いっぱいに猛烈な水流が流れ、それが次々にジャンプして100段を超えるような小滝と甌穴を作ったのだと推定。これまで報告されたことのないタイプで、学術的な価値はきわめて高いと結論されました。教育委員会に提出された報告書を元に、町文化財専門委員会での議論を経て、正式に八丈町天然記念物に指定されました。
 
日本自然保護協会もかかわらせて頂いた調査の結果が、天然記念物の指定という結果につながったことはとてもうれしいことです。
 
八丈島にはこの他にも南原千畳敷と呼ばれる溶岩流の海岸や、それとはまったく異なる景観の玉石の海岸、集落内に点在する過去の巨大津波の痕跡である巨石、風穴など多くの”大地の遺産”があり、そこに根差した歴史や文化もあります。地域の自然資源を保全していくことがいずれはジオパーク登録につながると、期待しています。
今回、天然記念物指定にご尽力頂いた方々に敬意を表したいと思います。
 
【言葉解説】
※甌穴(ポットホール):河床や河岸の硬い岩石の表面にできる円形の深い穴。(地形学辞典より)
 
※ジオパーク:「地球・大地(ジオ:Geo)」と「公園(パーク:Park)」とを組み合わせた言葉で、「大地の公園」を意味し、地球(ジオ)を学び、丸ごと楽しむことができる場所。
ジオパークでは、まずそのジオパークの見どころとなる場所を「ジオサイト」に指定して、多くの人が将来にわたって地域の魅力を知り、利用できるよう保護している。(日本ジオパークネットワークのHPより)
 
 
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調査した甌穴群。小さい滝と甌穴のセットが何段にもわたって存在している。
 
 
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南原千畳敷。幾重にも溶岩が重なっている。
 
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玉石の海岸。家の周りの石垣に利用されている。
 
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集落の畑の中にある津波石。
 
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風穴。自然の悠久の時間を感じることができる。
 
icon_syumiya.jpg エコシステムマネジメント室の朱宮です。
 
春のかきおこし以来どうなったか気になっていた寺浜のミズアオイは無事開花していました。また、ミズオオバコやヤナギスブタも開花していました。ちょっとほっとしました。
 

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11月に環境省のビジターセンターがオープンする予定ですが、南三陸町のネーチャーセンターについては、予算や復興事業の都合により復旧されるか予断を許さない状況です。
残された自然を保全し、活用するためにも優れた人材が活躍できる場ができるとよいと思っています。この取組が少しでも寄与すればと思っています。
 

秋田の砂浜で、海辺の花しらべ!

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icon_shimura.jpg自然保護部の志村です。

秋田に出張に行った際、帰りの新幹線までのすきま時間に、海辺の花しらべをしてきました。

 

地図でみると、秋田駅から真西に進めば砂浜がありそうです。バスで移動し、防砂林になっている松林を抜けると、砂浜に到着。さっそくハマナスの赤い大きな実が迎えてくれました。

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さらに進むと、花、咲いていました!

ハマニガナです。タンポポに似ていますが、砂浜に適応した海辺の植物です。

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花ではありませんが、白い綿毛に覆われたシロヨモギや、赤い実がかわいいハマボッスなど、いろんな植物がつぎつぎと見つかりました。

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砂浜に咲く花!! のようですが、じつはハマニガナの紅葉です。自然のアートですね。葉っぱをつなぐ茎と根っこは、砂の中に広がっています。

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ここの海岸は、いろいろな植物がみられるのですが、そこは松林と護岸とテトラポットの間。砂浜は長く延びているし、波の音はするのですが、海には近づけない、そんな砂浜でした。

ようやく、渚のある砂浜が見えた! 砂丘もあるぞ!…と思ったら、その向こうには風力発電と離岸堤が。

うーん。砂浜はつらいよ!

 

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夏の海辺もいいですが、海水浴の人がいなくなったこれからの砂浜は、暑さもやわらぎゆっくり散歩をたのしめます。そして、秋の花が咲き始めたり、実をつけたり紅葉したりと、砂浜の植物もおもしろい季節です。今年、まだ「自然しらべ」に参加していなかったという皆さま、まだまだ間に合います。秋には秋の花たちが待っています。

ぜひ、秋の砂浜にお出かけください!

 

icon_shimura.jpg自然保護部の志村です。

 

9月1、2日に秋田県の森吉山麓高原に行ってきました。

台風の影響もなく、日差しはじりじりと暑いものの、ススキの穂がきれいで、秋が近いことを感じました。

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この高原は、牧場として開拓され、キャンプ場として使われていましたが、現在では、かつてのブナ林の再生をめざした再生事業が行われています。

ここを訪れたのは、自然再生専門家会議の一員として現地調査のためで、自然再生推進法で重視している、科学的な計画づくりや、多様な主体が協働してすすめられているか、再生の進捗状況はどうかなどについて、全国の再生の現場を何カ所かずつ現地調査しています。

 

森吉山麓高原は、冬は2~3メートルの積雪がある多雪地帯です。ササが地面を覆いつくしてしまうと、他の樹木が生育できなくなってしまうため、ササが広がる前に小さな島状の森をつくり、そこを核にしてブナの森が広がっていけるようにと、10年間いろいろな試行錯誤してきたそうです。

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再生事業地のすぐ隣の森には、クマゲラという日本最大のキツツキの仲間が生息しており、国設鳥獣保護区の特別保護地区に指定されています。クマゲラは、かつては北海道だけに生息しており、本州にはいないとされていたのですが、ここ森吉山周辺は本州で初めて繁殖が記録された場所なのです。

クマゲラが生息するのは、餌となる虫がいるような枯れ木や、営巣に使える大きな木もある成熟した森。クマゲラが生息できるような森を広げていこうと、この事業が始まったそうです。

 

 

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現在の計画では、100年後に森になる姿を描きながら取り組まれています。クマゲラのために、ふたたび森に戻そうという協議会の、壮大で真摯な取り組みに頭が下がるとともに、膨大な努力を見せていただいたことで、ブナ林など再生の難しい自然についてはとくに、いまある自然を残すことの重要さをあらためて深く感じました。

 

 

赤谷カレッジ2016 開催しました!

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icon_matsui.jpg エコシステムマネジメント室の松井です。

 

8/19~22に赤谷で大学生スタッフが中心となって企画を行った3泊4日の合宿型イベント、赤谷カレッジ2016を実施しました。

今回のイベントは、赤谷の森や取り組みを知ってもらうこと、自然を感じて好きになり、広められる人になってもらうこと、広く環境問題を考えるきっかけにしてもらうことを目標に開催。

関東圏や長野から大学生たちが集まり、学生スタッフ・参加者合わせて20名ほどであったため、1日目が終わるころにはスタッフ、参加者とも仲良くなり、アットホームなイベントとなりました。

 

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集合写真

2日目のフィールドワークは残念ながら天気に恵まれませんでしたが、イヌワシの試験地と植生試験地の2つのコースに分かれ、現地を視察、赤谷プロジェクトの取り組みについて実際に見て知っていただきました。

 

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植生試験地コース

 

 

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イヌワシ試験地コース

3日目は、赤谷や赤谷プロジェクトにもっと人を集めるには?

ということをテーマに企画を実施、チームごとに発表していただきました。

様々な意見を出していただきました。

 

・地元の観光施設(たくみの里等)と赤谷プロジェクトの試験地の見学をセットにしたパッケージツアーの実施

・地元大学生・高校生と連携、イベントの開催

・大学生が木彫りのイヌワシやテンにおみくじを持たせたグッズを作成、販売し、売り上げの一部を大学生が現地に行くための資金にする。

・山への慣れ方に差があるので、難易度別の現地ツアーの開催 etc

いくつかアイデアの種もいただいたので、ぜひ検討したいと思います。

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新しいアイデアの発表

 

全日程を通し、夜には参加者同士が語らう場面も。

3日目の夜はみんな一室に集まり、親交を深めていました。

 

 

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参加者同士の交流

 

今回のイベントは、主に大学生同士の口コミでの参加者が多かったため、ほとんどNACS-Jのことを知らない参加者がほとんどでしたが、こうしたイベントを経て、会員になってくださった方も多く、また、同じようなイベントのスタッフを行いたい!と積極的な意見もいただきました。

せっかくできた今回の流れ、今回の経験を経て、参加者・スタッフが次にどのような動きをつくっていってくれるかに期待しつつ、NACS-Jとしても大学生を対象とした取り組みを検討していきたいと思います。

ご参加いただいたみなさま、どうもありがとうございました。

icon_hagiwara.jpgのサムネール画像のサムネール画像

生物多様性保全室の萩原です

 

 

 

海辺に海水浴に出かけると、海岸植物を見かける機会も多いはず。

今年の夏休みは、そんな海岸植物を使って、夏休みの自由研究をしてみませんか。

NACS-Jでは、海岸植物をテーマにした自由研究を応援するワークシートをつくりました。

 

自然しらべ2016海辺の花しらべ! 夏休み自由研究大作戦!

http://www.nacsj.or.jp/katsudo/ss/2016/08/post-14.html

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自由研究のすすめかたや、まとめかたのヒントが満載です。

ワークシートにそって海岸植物をしらべていけば、オリジナルの自由研究がまとまります。

 
 
 

海岸植物クイズもあります。

自由研究よりもう少し気軽な、「クイズ」も用意しました。
夏休みに、親子で砂浜で海岸植物を観察しながらクイズに正解すれば、
「海岸植物こども博士」になれる認定証もプリントアウトできます。
 
 
ワークシートやクイズシートを手に、海辺に出かけて、素敵な思い出作りをしてみてください!
 
 
 
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自然しらべ2016 海辺の花しらべ!
http://www.nacsj.or.jp/project/ss2016/index.html

icon_dejima.jpg生物多様性保全室の出島です。

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 日本自然保護協会は、イヌワシの舞う日本の森を未来へ引き継ぐために、宮城県南三陸地域で活動をはじめています。南三陸地域では、日本のイヌワシ研究の創成期である昭和30年代から、貴重な観察記録が資料として残されています。しかし、それらの資料は発行部数が少なく既に絶版になっていることに加えて、2011年の津波によって流されてしまったものも少なくありません。
 そのため、今回、それらの資料の中でも特にイヌワシの生態と生息環境について詳細に記録されていた冊子を、その執筆者である立花繁信先生にご了解を頂き、100部複製しました。複製した資料は、立花先生とともに長年南三陸地域でイヌワシのモニタリングを続けてこられた南三陸ワシタカ研究会に寄贈させて頂きました。
*右写真:立花先生(中央)と南三陸ワシタカ研究会の鈴木卓也さん(左)、NACS-Jの出島(右)
 
 南三陸地域では、近年、イヌワシのつがいが次々に消失しています。今後、複製した資料をもとに、様々な関係者にご協力を頂きながらイヌワシの繁殖成功率が高かった頃の生息環境を復元する取り組みを開始します。この取り組みの重要なパートナーである株式会社佐久さんは、イヌワシの生息場所に100haを越える森林を所有されており、この夏からスギ人工林等(約12ha)において間伐を開始しています。現在は、間伐ですが、イヌワシの狩場環境を意識しながら作業が実施されています。今後、森林計画を改定する平成30年以降は、赤谷プロジェクトで試験的に実施しているような、イヌワシの狩場環境を意識した数haの皆伐も実施することを予定しています。
 引き続き、イヌワシの舞う日本の森を未来へ引き継ぐ取り組みへのご支援をよろしくお願いいたします。
 

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間伐がはじまったイヌワシの生息場所にある民有林のスギ人工林。所有する(株)佐久さんは、今年、森林認証(FSC)も取得した。

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イヌワシ生息場所でのセンサーカメラ調査も行われている。

 

icon_syumiya.jpg エコシステムマネジメント室の朱宮です。 
 
前編に続き、
23日は大台ヶ原に上がり、環境省が主催する東大台ヶ原での自然再生のガイドウォークに参加しました。
 
 
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横田岳人先生(龍谷大)による解説
 
 
大台のトウヒ林がなぜ衰退してしまったのか?
 
横田先生の解説によると、亜高山帯針葉樹林は1500~1700m付近に紀伊半島では成立する。トウヒは様々な理由で更新できない状況が続いている。
トウヒの下層はコケ層だった。1959年伊勢湾台風により、倒木が多く発生し、ミヤコザサが優占するようになった。また、その前年にミヤコザサは一斉開花し種子生産をしており、更新しやすい状況であった。その結果、コケ層だった下層はミヤコザサに一斉に置き換わった。
また、当時は拡大造林施策が続いており、標高の高いとこころまで伐採進み、ミヤコザサ帯は高標高域にまで拡大した。さらに、尾鷲の火力発電所の煤煙がトウヒを弱らせていたとする説もある。酸性雨の影響なども懸念されていたが、防鹿柵の設置の比較などにより、その影響が少ないことは確認された。温暖化の影響もトウヒ林が更新しにくい理由の一つになっている。下部の植生だったシラビソ、ウラジロモミの定着がよくなっている。
とのことです。大台が原の植生が変わったのは、シカだけが原因ではないようです。
 
 
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環境省が13年前に設置した防鹿柵 下層にはミヤコザサが優占し更新しにくい状況が続いている。
 
 
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大台ヶ原のシカ 10年前は1平方キロメートルあたり40頭であったが、国や県が協力して予算を計上し、銃やわなによる徹底した駆除により、現在は5頭程度にまで減少しているとのこと。今回の視察でも遭遇したのはわずかでした。ただし、麓の地区では、近年シカによる食害に本当に困っているようです。
 
 
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大台ヶ原の麓 柏木地区にて。 畑を完全に囲わないとサル、イノシシ、シカにより野菜の収穫ができない。
 
 
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西大台ヶ原への立ち入りのための事前レクチャー、入域するためには上北山商工会に申請書と入山料1000円を支払い、事前レクチャーを受けてからでないと入ることができない。
 
 
 
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西大台ヶ原利用調整地区入り口
ボランティアコーディネーターが見回りや監視を行っています。私も、周回路回った際には、2回、立ち入り許可書の確認を求められました。
 
 
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西大台ヶ原の開拓跡周辺のようす
 
環境省のレンジャーの方に聞いたところ西大台利用調整地区は、平成18年5000人、平成19年9月の調整開始前は飛び込み効果で約10000人となりましたが、調整開始後は平成20年1000人位でした。しかし、平成25年現在は約3000人となっており、調整前の状況に近づきつつあるとのこと。これは、子供料金設定、当日受付など運用を変えていること、周知が進んできたことによるそうです。
 
5月と10月がピークで800人/月くらい。大阪、奈良から多いが東京、神奈川からも来ているそうです。当初は、知らなかった人が大台ヶ原に来て立ち入りを制限されるため苦情もあったそうですが、現在では苦情も少なくなってきているとのこと。
 
立ち入りをした感想としては、4時間位の山歩きでしたが、人に出会うこともなく静かに森の観察をすることができたのはよかったと思います。レクチャーを聴いて事前にいろいろな知見を得られるのも観察の補助になりました。ただ、手続きは面倒ですし、監視されている感じもして、いつもと違う感じも受けました。結果として、登山道の侵食などはあまり見られないようですし、渓流のアマゴなど貴重な生物も回復しつつあるそうです。ウラジロモミ、シラビソ、ヒノキ、ブナ、トチノキ、ミズナラが林冠構成種で、下層はスズタケ、ミヤコザサ、ミヤマシキミ、バイケイソウ、カラマツソウ、カワチブシなどシカが食べない種類が林床に見られ、林床の植生も回復過程にあるようです。
 

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