「中池見」と一致するもの

市民活動推進室の福田真由子です。
4月8日、北陸新幹線建設計画がある中池見湿地の保全について、事業者にラムサール条約の環境アセスメントのガイドラインに則った対応を求める要望書を提出しました。中池見湿地の新幹線のルートは、当初湿地を横切る計画でしたが、保護活動の結果、昨年ルートが変更されました。しかし、変更後のルートでも湿地の水源となる山をトンネルで貫通しますので、自然環境に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。NACS-Jでは現在の建設計画の残された課題や改善点について、昨年10月12日にシンポジウムを開催したり、関係機関への直接の働きかけを通じて訴えてきました。今回、より確実に保全が図られることにつながるよう、改めて関係する自然保護団体7団体連名で事業者に要望書を直接提出するとともに、事業の所管官庁である国交省やラムサール条約の所管官庁である環境省を訪問して、要望書提出の報告をするとともにラムサール条約の締約国として事業者等に条約のガイドラインを遵守するよう監督・指導するべきであると要望してきました。
2022年の金沢―敦賀間の北陸新幹線開通にむけて、急ピッチで建設作業が進む中、中池見湿地の開発が世界の悪例とならないように今後も注視していきたいと思います。
 
●要望書の詳細は下記をご覧ください。
 
●要望書提出の記事は4月9日に多くの新聞に掲載されました!
ほか、次の新聞にも共同通信社を通じて掲載されました。
東京新聞、中日新聞、福井新聞、高知新聞、秋田魁新報、大分合同新聞、茨城新聞、京都新聞、愛媛新聞、静岡新聞、東奥日報、北海道新聞、長崎新聞、
河北新報中日、山陰中央新報、徳島新聞、上毛新聞、西日本新聞、
神戸新聞、四国新聞、宮崎日日新聞、新潟日報、千葉日報、福島民報
 
 
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要望書を提出する亀山理事長
 
 
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当日の記者会見の様子
 
 
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中池見湿地
 
 
icon_m_fukuda.jpg 市民活動推進室の福田真由子です。
 
福井県敦賀市にあるラムサール条約湿地「中池見湿地」には、現在北陸新幹線の開発計画があり、2012年に認可されたルートよりも湿地の影響を減らしたルートが2015年5月に認可されました。
しかし、このルートでも湿地の水源の山「深山(みやま)」をトンネルで貫通します。
 
2015年5月に事業者によって工事による中池見湿地の水環境の変化を把握するために条約湿地内のモニタリング調査計画が公表されましたが、条約湿地の外側は調査計画に入っていませんでした。
工事による深山の水環境の変化を把握するにはもっと広域に変化を把握しておく必要があるのではないかと考え、普段はいかない深山の外側の水環境について中池見ねっとの上野山さんと1月28日に見てまわりました。大きな流れは2箇所ありました。 
 
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●大蔵寺裏の水
2015年認可ルートの深山トンネルの駅側の出口予定地の近くに大蔵寺というお寺があります。その裏に深山からの表流水が集まった流れがあり、一部が大蔵寺の池に入り、そのほかは近くの田んぼに利用されていました。
大蔵寺の裏手を歩いていくと、この流れに調査会社が設置した水量計がありました。トンネル工事によって深山の水が抜けた場合は、標高の低い大蔵集落側に水が出ると予想されます。新幹線の事業者がこの機械を設置したのかは確認できていませんが、重要な水環境の調査がなされていることがわかり安堵しました。
 
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▲大蔵寺
 
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▲水量計
 
 
 
●深山寺の水
深山の山腹には江戸時代に集落と深山寺があり、昭和49年に北陸自動車道建設で深山が削られることになり、深山寺が山の麓に移転してきたと、地域の人から伺いました。
深山寺には、弘法大師が杖で突いた場所から水がでてきたという湧き水があり、現在では北陸自動車道建設のために、移転した深山寺にパイプで引いています。この水は「弘法大師の手杖の滝」として祭られ「飲むと子どもが授かる」ということで地域の方に大切にされています。
パイプの元の湧き出しているところは北陸自動車道の裏斜面となり確認できませんでしたが、地域の方に伺っても測定器はついていないようでした。
2015年認可ルートは2012年に認可されたルートよりも深山寺に近くなったため、地域の方もこの水の変化について心配されています。今後はこの水についても把握が必要そうです。
 
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 ▲深山寺                          
 
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▲弘法大師の手杖の滝
 
 
そのほかは、山裾にはたくさんのところで水が染み出している場所がありますが、計れるような流れは今回把握できませんでした。
地域では中池見湿地内の保全活動で人も予算も手いっぱいな状況の中で、工事による中池見湿地やその周辺への影響をどう市民で負担なくできるのかが、大きな課題です。
すぐに答えは出ませんが、地元市民団体の方とともに考えていきたいと思います。
 
 
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▲雪の中池見
 

2015年10-11月のメディア実績

以下のメディアで、NACS-Jが紹介されました。
 
<2015年10月>
2015/10/8  琉球新報 浦添港川沖「劣化の形跡」
2015/10/11  毎日新聞福井版 中池見湿地:保護の現状、展望考える あす、東京でシンポ 動画配信も
2015/10/14  沖縄タイムス 辺野古工事 中止を要求
2015/10/19  朝日新聞 辺野古 環境委員に寄付・報酬
2015/10/20  沖縄タイムス 監視委 ゆらぐ信頼
2015/10/20  毎日新聞 イベント <吹田市>第510回自然観察指導員講習会
2015/10/20  琉球新報 承認根拠ゆらぐ 辺野古環境委員の寄付
2015/10/22  沖縄タイムス ヤドカリ捕獲 不同意求める 自然保護協など教育長に
2015/10/23  しんぶん赤旗 オカヤドカリ類の捕獲・移動 沖縄県に不同意求める
2015/10/26  しんぶん赤旗 リニア新幹線問題 考えるつどい
2015/10/30  東京新聞 多摩川河口の干潟考える 川崎-羽田「連絡道路」めぐりシンポ
2015/10/30  琉球新報 日本自然保護協会 新基地強行に抗議
 
 
<2015年11月>
2015/11/1  琉球新報 土砂規制条例施行 埋め立ての歯止めに
2015/11/11  琉球新報 辺野古掘削再開へ 「民意無視」国を批判
2015/11/15  琉球新報 立憲主義、沖縄で再生 日弁連がシンポ 「新基地」多角的に議論
2015/11/15  琉球新報 日弁連、新基地問題シンポ 安部真理子氏「翁長知事の判断正当」
2015/11/15  沖縄タイムス 日弁連シンポ 「藻場破壊 沖縄の損失」安部真理子氏
2015/11/17  キャノン㈱プレスリリース 「未来につなぐふるさとプロジェクト」を刷新 協働団体の募集を開始し、生物多様性の啓発を強化
2015/11/17  琉球新報 サンゴの状態 勝連沖は健全
2015/11/19  沖縄タイムス 海人の回、サンゴ調査
2015/11/19  琉球新報 サンゴ「健全」も 工事の影響懸念
2015/11/30  しんぶん赤旗 沖縄・泡瀬干潟 埋め立て取り消しを 東京でシンポ
 
icon_m_fukuda.jpg 市民活動推進室の福田真由子です。
 
10月12日(月・祝)、東京都中央区にて、北陸新幹線の開発計画がある中池見湿地の今後について考えるシンポジウム「ラムサール条約湿地の守り方最前線~中池見湿地・北陸新幹線問題からの発信~」をNACS-J主催で開催しました。
 

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▲北陸新幹線が条約湿地内を通過する中池見湿地【写真:羽鳥聡】

中池見湿地(福井県敦賀市)は2012年にラムサール条約湿地に登録された直後に湿地を貫通する北陸新幹線の建設ルートが公表され、地元団体やNACS-Jの保護活動の結果、今年5月にルートの見直しが実現しました。ただ、現在のルートでも条約湿地内での開発であり、課題も残されています。今回のシンポジウムでは、中池見湿地の新幹線問題へのこれまでの取り組みの報告とともに、これから行われる新幹線の工事から湿地の自然をどう守っていけばいいか、講演とパネルディスカッションを通して話し合いました。
 
当日は行楽シーズンの3連休にも関わらず、中池見湿地の地元福井の方、そして富山、兵庫、愛知、静岡など全国から約40人が集まりました。
 
講演では私や中池見で活動を続けてきた笹木智恵子氏から北陸新幹線問題について今までの取り組みや、ルートが変更されたものの依然として工事による水文環境への影響が懸念されるなど課題が残っていることが報告されました。そしてNACS-J道家哲平と吉田正人氏から中池見湿地の取り組みから見えてきた制度的な問題点や市民によるモニタリング調査の重要性が話されました。
 
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▲シンポジウムの様子
 
シンポジウムでは伊豆沼で活動してきた日本雁を保護する会の呉地正行氏より条約湿地の伊豆沼に関係する大規模道路で、工事着工前後に環境委員会が設置された例が話され、中池見湿地でも、予想外のことが生じた際に対応できるようモニタリング調査の評価委員会が必要であることが共有されました。そしてラムサール条約湿地の「賢明な利用」を実現するためには、関係者によるゴールの共有の場をつくることが最も重要であり、中池見湿地の成功は他の湿地の保全につながることが共有されました。
 
NACS-Jではこのシンポジウムの内容を関係者に広め、地元市民団体と協力してモニタリング調査の評価委員会の設置等、中池見湿地の保全のために向けて取り組んでいきます。
 
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▲パネルディスカッション:左から 呉地正行(日本雁を保護する会)、笹木智恵子(NPO法人ウェットランド中池見)、吉田正人(筑波大学大学院)道家哲平(NACS-J)、福田真由子(NACS-J)
 
 
■当日の概要レポートを作成しましたのでぜひご覧ください。
 
■シンポジウムのライブ中継録画を下記でご覧いだだけます。
(Youtube 日本自然保護協会チャンネル)
・後半パネルディスカッション https://www.youtube.com/watch?v=HlVNbhFx6xc
 
 
icon_m_fukuda.jpg 市民活動推進室の福田真由子です。
 
10万年の歴史をもつラムサール条約湿地・中池見湿地(福井県)に計画されている北陸新幹線の建設について、NACS-Jでは2012年に計画が明らかになった当初から環境に対する影響が大きいとして計画見直しを求める活動を行い、2015年5月に影響の大きいルートの回避・変更が実現しました。
 
この事業について、このたび「環境アセスメント学会生態系研究部会 定例会(公開)」で変更に至った経緯や環境アセスメント制度との関連について発表することになりました。今回は、丁寧に時間をかけて変更までの経緯を解説します。誰でも参加可能ですので、ぜひご参加ください。
 
第28回定例会 環境アセスメント学会生態系研究部会
「北陸新幹線・中池見湿地における環境影響評価手続きと計画ルートについて」
 
■主催:環境アセスメント学会生態系研究部会
 
■話題提供者:
筑波大学大学院 吉田正人教授
(公財)日本自然保護協会 福田真由子 
 
■日時:7月31日(金) 18:30~20:00(受付開始18:00から)
 
■場所:東京都市大学 渋谷サテライトクラス教室(最大席数45)
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-10-7
五島育英会ビル 地下1階(JR渋谷駅南口より徒歩5分)
 
■参加申込締切:平成27年7月24日(木)17:00
 
※申し込み方法等の詳細は以下をご覧ください
 
 
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icon_m_fukuda.jpg 市民活動推進室の福田真由子です。

 
NACS-Jでは2012年にラムサール条約湿地・中池見湿地に計画された北陸新幹線のルートが環境への影響が大きいとして見直しを求めてきましたが、5月8日に事業者により変更ルートの発表があり、ついに計画の見直しが実現しました!
 
変更されたルートは、中池見湿地の重要な谷「うしろ谷」を避け、地下水への影響を低減する処置がなされています。中池見湿地への影響が少ないルートに変更されたこと、本当にうれしく思います。これまでご支援いただいた多くの皆様に心より感謝を申し上げます。 
 
5月11日には北陸新幹線の事業者である鉄道運輸機構の方がNACS-J事務所に来てくださり、変更ルートについての評価を含む最終報告書(公開)の結果について説明してくださいました。
 
今回、変更ルートの認可が下りた同日に情報公開をしていただけたこと、そしてこのように丁寧な説明の機会をすぐにつくっていただけたことは、環境保全の意識の高さの現れと敬意を表したいと思います。
 
2023年春に北陸新幹線の敦賀までの開業を目指して、今後は様々な作業が進むと思われます。NACS-Jでは今後も中池見湿地に影響がないよう見守っていきたいと思います。
 
(参考記事)
NACS-J「中池見湿地付近における北陸新幹線ルートの変更」についての意見
 
(メディア掲載)
上記NACS-Jの意見が掲載された新聞(中日新聞5月9日)

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▲回避された中池見湿地の「うしろ谷」(2014年5月 撮影:羽鳥聡)

icon_m_fukuda.jpg  こんにちは、自然保護部の福田真由子です。
 
モニタリングサイト1000のコアサイトでラムサール条約湿地にもなった福井県の中池見湿地を、私は2010年頃から担当していますが、周辺の山に登る機会がなく4月5日にやっと深山(みやま)を散策することができました。
 
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  新緑が美しい深山(みやま)
 
 
深山は標高166mの山で中池見湿地やその下流にある「うしろ谷」の大切な水源地です。北陸新幹線の計画ルートでもトンネル建設が予定されています(2002年に計画されたルートでもこの山を貫通します)。
 
4月5日は雨でしたが、毎週のように歩いていらっしゃる地元の方と哺乳類の専門家の4人で春の植物と哺乳類を中心に観察してきました。足元にはたくさんのスミレ達が咲き、トキワイカリソウもたくさん見ることができました。山にはタムシバや、ダンコウバイ、アセビ、クロモジなどの樹木の花が咲き、見るだけでなく香りも感じることができました。
 

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タムシバ(モクレン科)は比較的低い木なのでおしべとめしべを観察することができます。アクセサリーにしたいくらい芸術的!

 
低木でたくさんあったのはツルシキミの白い花。よく見ると上部がなくなっている様子。中池見湿地で哺乳類を調査しているC氏が「鹿です。斜面のゆるいところでねぐらをとっています」と教えてくれました。そのほかイノシシの新しい寝床とタヌキのため糞がすぐ隣同士のところもあるなど、哺乳類の密度の濃さに驚きました。
 
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▲枝を敷き詰めてつくったイノシシの寝床。枝もまだ新しい。中池見湿地ではイノシシの掘り返しが増加している。

 

山を降りて、2002年に計画されたルートで深山のトンネルの入り口にあたる場所を見てきました。このルートでもラムサール条約湿地内を貫通します。自然豊かな山と湿地の自然にできる限り影響のないルートや工法がしっかり検討されるよう願うばかりです。
 
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新幹線計画が予定されている深山の斜面。2002年の図面でみると、畦が曲がっている付近。
 
 

2015年3月のメディア掲載実績

以下のメディアで、日本自然保護協会が紹介されました。
 
2015/3/8  琉球新報 向井宏氏に聞く 開発でジュゴンの餌場ない 
 
2015/3/8  日本経済新聞 都市に広がる外来種 ミシシッピアカミミガメ 
 
2015/3/11  毎日新聞福井版 北陸新幹線 中池見ルート見直しを 保護団体が要望書
 
2015/3/17  読売新聞 有害な外来生物次々出現
 
2015/3/19  タウンニュース(神奈川県金沢区版) 幸せの六つ葉のクローバー
 
2015/3/25  北海道新聞 NGO「生物多様性を守れ」辺野古移設に反対で共同声明
 
2015/3/25  共同通信社 NGO「生物多様性を守れ」辺野古移設に反対で共同声明
 
2015/3/26  BLOGOS 「辺野古、実力阻止」穏健環境活動家にここまで言わせる安部政権
 
2015/3/26  しんぶん赤旗 「命の海とサンゴ礁守れ」辺野古新基地ノー NGO31団体が声明
 
2015/3/26  沖縄タイムス NGO31団体 作業中止要求
 
2015/3/26  朝日新聞 移設作業の中止求める声明
 
2015/3/26  東京新聞 沖縄防衛局「環境委員会」副委員長が辞意
 
2015/3/26  NHK沖縄放送局 移設計画で環境NGO声明
 
2015/3/27  毎日新聞 【連載】自然は宝箱・チャツボミゴケ
 
2015/3/31  朝日新聞 群馬版 森の恵み 遊んで学ぶ みなかみワークショップ
 
icon_m_fukuda.jpg保護・研究部の福田真由子です。
 
昨年4月に中池見湿地を視察した、ラムサール条約事務局長クリストファー・ブリッグス氏が仙台で開催された国連防災世界会議(3/14-18)に参加するために来日しました。
 
中池見湿地の北陸新幹線にかかるルートについての専門家会合の結論が出されたことから、3月19日に東京で中池見湿地に関わる自然保護団体とのミーティングを行いました。
 
ミーティングでは、NACS-Jから専門家会合の結論を伝え、3/18にNACS-Jで発表したコメントのとおり、自然環境への影響が大きい認可ルートが変更されたことを評価していること、新ルート検討では水文環境などの環境配慮や情報公開、時間の確保について課題であることを共有しました。
 
ブリッグス事務局長はこの委員会の結果についてはジャパンタイムズで知ったと話していました。そして、影響が大きい認可ルートが回避されたことは「湿地」の価値が認められことでうれしく思っており、今後も条約湿地を守るために協力すると話してくださいました。
 
今回、事後調査委員会の最終会合があるときに、ブリッグス事務局長が来日するという幸運に恵まれ、私達も直接会って報告することができ、本当にうれしく思いました。
新ルート検討という次の段階も、引き続き国内外の関係者と協力しながら進めていきます。
 
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▲左から、ブリッグス氏(ラムサール条約事務局)、道家哲平(NACS-J)、笹木智恵子氏(ウェットランド中池見)、福田真由子(NACS-J)、柏木実氏(ラムサールネットワーク・日本)
 
●環境事後調査検討委員会の結論に関してコメント(NACS-J)
 
●The Japan Times:Shinkansen extension beyond Kanazawa may be changed to ease impact on protected wetland.(Mar 16,2015)
 
 
 
icon_m_fukuda.jpg 保護・研究部の福田です。
 
昨日3月15日に中池見湿地を通過する北陸新幹線の認可ルートの環境影響に関する専門家会合が開かれ、湿地の自然環境に影響が大きいルートは、回避されることになりました!
 
まだ議事録などの詳細は発表されていませんが、記者発表された内容は下記の報道機関ウェブサイトに掲載されています。
日本自然保護協会では近いうちにこの問題に関するコメントを発表する予定です。
活動はまだ続きますので、皆様よろしくお願いします。
 
 
報道された主なメディア
 
■毎日新聞 2015年03月15日 
「北陸新幹線:敦賀・ラムサール登録の湿地外にルート変更へ」
 
 
■中日新聞 2015年3月16日
「中池見湿地ルート検討、慎重さ求む声 北陸新幹線 」
 
 
■朝日新聞 2015年3月16日
「北陸新幹線、認可ルート見直しへ 中池見湿地問題」
 
 
■福井新聞 2015年3月16日
「北陸新幹線、敦賀・中池見湿地回避ルートに変更 鉄建機構、提言受け」
 
「北陸新幹線、中池見湿地回避へ 環境の影響少ないルートを検討」
 
 
■読売新聞 2015年3月16日
「北陸新幹線延伸、ルート再考提言「湿地に影響」環境」
 
 
■スポーツニッポン 2015年3月16日
「北陸新幹線ルート計画変更 ラムサール条約登録、敦賀の湿地避け」
 
 
■産経ニュース 2015年3月15日
「トンボ生息の湿地保護でルート変更 ラムサール条約登録の福井・中池見」
 
 
■福井テレビ 2015年03月15日
「中池見「環境に影響あり」北陸新幹線認可ルート変更へ」
 
 
■中國新聞 2015年3月16日
「湿地保護で北陸新幹線ルート変更 金沢-敦賀」
 
■北海道新聞(共同通信)2015年3月15日
「湿地保護で北陸新幹線ルート変更 福井、ラムサール条約登録区域」
 
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保護・研究部の福田真由子です。

 
 
本日発売の『週刊SPA!』で『「トンボの楽園」を北陸新幹線が破壊する!』として、NACS-Jが長年取り組んできたラムサール条約湿地・中池見湿地の新幹線開発問題が掲載されました。
取材には私や地元のNPOの方のインタビュー記事も掲載しています。
 
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取材してくださった記者の北村様は、環境問題を多く扱っており、NACS-Jでは絶滅危惧種や赤とんぼの減少などの話題でも取材に協力してきました。
その縁もありNACS-Jでは昨年秋頃から記者の方に情報提供を続け、来月金沢までの区間で北陸新幹線が開通するとして話題になる中で中池見の問題が掲載されることになりました。
 
今回『週刊SPA!』の表紙や中刷り広告にも記事の題名が載っていますのでより多くの人にこの問題を知ってもらえる機会となりそうです。
 
中池見湿地では3月の専門家委員会で環境調査の評価についての結論が出される予定です。
ぜひ皆様もこの機会に問題普及にご協力いただきたくよろしくお願いします。
 
 
●週刊SPA! 2/24号(2/17発売)
 
 
●今回の記事は、ウェブサイトで公開されています。
 
中池見湿地の動画や進捗状況は以下のウェブサイトをご覧ください
 
●映像「中池見湿地へようこそ」
 
●3年事業前倒しでどうなる?中池見湿地
 
 
 
 
 
 
 
 

2014年12月のメディア掲載実績

以下のメディアで、日本自然保護協会の活動などが紹介されました。
 
2014/12/4 河北新報 気仙沼・小泉地区防潮堤計画 環境保全と防災 両立を
 
2014/12/10  キッズファミリーぐうちょきぱあ No.112 守ろう自然! 子どもたちの笑顔を未来へ!!
 
2014/12/12  朝日小学生新聞 「わたしの自然観察路コンクール」入賞作品決まる
 
2014/12/14  朝日中高生新聞 第31回「わたしの自然観察路コンクール」入賞作品決定
 
2014/12/14  読売新聞 ここが聞きたい 魚の生育環境保護が必要
 
2014/12/19  沖縄タイムス 議事録が半年未公開 防衛局の辺野古環境委
 
2014/12/22  中日新聞 福井版 「新幹線ルートを外側に」中池見湿地保全で国際シンポ
 
2014/12/23  週刊SPA! 日本から「赤とんぼ」がいなくなった理由
 
2014/12/26  毎日新聞 【連載】自然は宝箱・谷地坊主
 
2014/12/28  ハフィントンポスト 吉野川河口への環境影響は? 「第四の橋」に対する懸念
 
icon_m_fukuda.jpg 保護・研究部の福田です。
 
12月21日 国際シンポジウムで中池見湿地の自然と制度的問題点について議論しました。
 
10万年の歴史をもつ中池見湿地(福井県・敦賀市)は、2012年にラムサール条約湿地に登録されたにもかかわらず、現在北陸新幹線の開発計画が進行しています。この問題が日本だけでなく世界の保護地域のあり方に影響を与えること、その背景には制度上の課題があることから、NACS-Jでは解決に向けて取り組んでいます。
 
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▲新幹線開発計画がある中池見湿地の様子(2014年12月20日撮影)
 
 
その一環として、国際的な湿地保全の組織であるウェットランドインターナショナルからマーセル・シルビウス事業部長をお呼びし、12月21日(日)東京・御茶ノ水にて、中池見湿地を主題にラムサール条約湿地の保全と課題について考えるシンポジウムを開催しました。
 
 
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▲中池見湿地や北陸新幹線の問題がほとんど知られていない東京での開催でしたが、当日は講演者も含め約70人が集まり、中池見湿地の地元・福井県敦賀市の方や本日の議題に関係の深い環境省の方もご参加いただきました。
 
シンポジウムでは、泥炭地の研究者でもあるマーセル氏から、日本では知られていない「泥炭湿地」の生物多様性や炭素蓄積、歴史を示す資料などとしての重要性を紹介いただきました。また、農業などにより水が抜かれることで泥炭湿地が急速に失われている現状と、それに対する地域の再生活動の取り組みが紹介されました。湿地の維持・再生には、住民参加がキーになること、そのために湿地を維持しながら生産する(paludiculture)ことで地域に経済的な恩恵が受けられる仕組みをつくることが大切であると話されました。
中池見湿地については、泥炭層の深さが45mというのは世界でも他になく、実際訪れてその貴重さを実感したという感想を述べ、新幹線問題については、国は中池見湿地がラムサール条約湿地になった意味をしっかりと認識して、世界の悪例とならないよう中池見湿地を守る責務を果たしてほしい、環境への影響を考えた第3のルートも考えるべき、という力強いコメントをいただきました。
 
2番目の発表者である環環境省自然環境局野生生物課 湿地保全専門官の辻田香織氏からは、ラムサール条約湿地の重要性や国内の保全担保の仕組み、国内のワイズユースの取り組み事例など、ラムサール条約を理解する上での基礎を話していただきました。
3番目にウェットランド中池見の笹木智恵子氏より、中池見湿地がラムサール条約に登録されるまでの間、いくつもの開発計画を乗り越えて多くの人に重要さが認識されるようになった約30年間の保全の取り組みを話していただきました。
最後に、筑波大学大学院の保護地域の専門家で、NACS-Jの専務理事である吉田正人氏から、新幹線問題の現状とその中で見えてきた環境アセスメント(以降、アセス)制度等の問題点として軽微な計画変更は事業者判断であることやアセスの手続きから10年経っても情報が更新されてない、などの指摘がなされました。そしてラムサール条約湿地の保全担保と合わせた改善案が示されました。
 
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▲講演者:左から1番目 吉田正人氏(筑波大学)、2番目 マーセル・シルビウス氏(ウェットランドインターナショナル)、右から1番目 辻田香織氏(環境省野性生物課)、2番目 笹木智恵子氏(NPO法人ウェットランド中池見)
 
パネルディスカッションでは、1番目に重要な湿地を守るための根底となる、湿地の価値を知ってもらうための取り組みについて、2番目にラムサール条約湿地としてふさわしい制度について、会場からの意見を交えて議論しました。湿地の価値については、観察会を開いて価値を実際に知ってもらう、あえて「湿地」の名前にこだわって言い続けるなどの話題があがりました。制度に関しては、保全活動をしている市民に情報がまったく情報が伝わらないという課題が挙げられ、マーセル氏からEUでは司法に訴えることができ、市民への公開や市民からの第3のルートの提案もできるという報告がありました。そのほか会場から韓国ではラムサール条約湿地にあわせた「湿地法」の紹介があり、議論の中で日本の湿地保全の制度について問題点や改善点が少しずつ見えてきました。
参加者からは「中池見湿地が重要な場所であることが理解できた」「国内法の整備が必要だ」「環境に配慮された第3ルートができることを祈る」「国交省や機構にも来てもらうべきだ」などのご意見をいただきました。
 
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▲パネルディスカッションの様子
 
 
シンポジウムは計5時間に渡る長丁場でしたが、質問も活発に行われ意識の高いものとなりました。中池見湿地では3月に事後調査委員会で認可ルートについての結論が出される予定です。NACS-Jではこれらの成果を報告書にまとめて関係者に周知するとともに、中池見湿地に影響のない新幹線ルートの変更に向けてより強く働きかけていきます。
今後ともNACS-Jの活動にご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。
 
 
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▲会場ではウェットランド中池見の協力により、写真の展示や中池見湿地の四季のビデオの上映、グッズ販売、中池見のために作詞・作曲された「ミツガシワの歌」の音楽を流すなど、中池見湿地の魅力を知ってもらうための場にも力を入れました。中池見に行ったことがない参加者が多かったこともあり、参加者から「映像に感動した」「現場に行ってみたい」という声を多くいただきました。
 
 
●中日新聞(12月22日掲載)
icon_douke.jpg 保護・研究部の道家です。
 
12月21日に開催した国際シンポジウム「ラムサール条約湿地でひらく地域の未来」の海外ゲスト、マーセル・シルビウス国際湿地保全連合・事業部長に、シンポジウムの前にシンポジウムの主題ともなる「保全と利用」について中池見湿地の現状を知っていただくために、福井県敦賀市を訪れました。(NACS-J、NPO法人中池見ねっと、ラムサール・ネットワーク日本 共催)
 
マーセル氏は、EUはもちろんロシアから南アメリカ、東南アジア、北極圏など世界あらゆる地域の泥炭地保全に長年取り組んでいる専門家です。今回、世界最古ともいえる中池見湿地が新幹線開発問題に揺れていることを相談し、シンポジウムへの登壇を依頼したところ二つ返事で快諾してくださった湿地保全に経験と情熱をお持ちの方です。
 
シンポジウムの前々日12月19日、福井県敦賀市にマーセル氏をお連れして、木村敦賀副市長と面談する機会を得ました。現状の湿地保全活用計画の状況や北陸新幹線計画について話し合った後、泥炭地保全の具体的な方策について自由闊達な意見交換を行いました。
 
マーセル氏からは、泥炭地保全の要は、第一に水の管理、その中でも水のダイナミックな動き(自然の変動による水位の上下や水の移動・循環)の確保が重要であること、また、小さく試していって少しずつ良い方策を探ることが重要というアドバイスを行いました。その上で、新幹線の現ルートの変更の重要性、とくにアセスルート(旧ルート)でない、第3のルートも検討して欲しいということを伝えてくださいました。
 
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▲敦賀市との意見交換の様子
 
翌20日の午前中は、雪化粧の中池見湿地を訪れました。マーセル氏とは「夏に呼んで欲しかったな~」と車中で冗談を交わしていましたが、現場では冬の中池見湿地も大変美しいと絶賛。
地域の保全活動の様子や田んぼ復元の様子などを紹介しながら2時間程度の現地散策を行いました。
 
泥炭地の専門家だけあり、目に見えないはずの泥炭地の様子が頭に浮かぶのでしょう、水の動きや湧水の様子などについて簡単な説明でも十分に理解されていたようです。
 
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▲雪の中池見湿地。水路があふれるほど久しぶりに水が多い冬となった。
 
 
午後は、中池見ねっと主催の中池見湿地フォトコンテスト、中池見フォーラムに参加しました。
フォーラム第1部の中池見ねっとの活動紹介と、小中高校生らによる活動紹介が行われ、マーセル氏はその発表内容に大変感激されていました。
 
小学生からは、中池見湿地の生きもの観察や田んぼの復元活動の様子の発表があり、中学生たちは、中学生自らによる「食べられる野草探し、外来種(アメリカザリガニやセイタカアワダチソウ)駆除」の取組み発表がありました。高校生になると、外来種駆除手法の調査(セイタカアワダチソウを、100%駆除したとき、50%駆除したとき、何もしなかったときで比較し、何もしなかったときよりも、50%駆除したときのほうが、セイタカアワダチソウがより繁茂してしまったという調査結果を発表)や、水質と植生の調査などの発表がありました。
 
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▲地元中学生の質問に丁寧に答えるマーセル氏
 
それを受けて、マーセル氏からは、中池見湿地の得意な自然だけではなく、その地域の人に守られ、調べられ、愛されているという点でも世界で例の見ない場所であることが分かって本当にすばらしいと発言。若い人々が環境のすばらしさを学ぶと共に、その繊細な様子を新幹線建設という課題があるけれど、こういう地域の人の声をしっかり反映した結論がでるべきだと思うということを強く語られました。
 
休憩の時間に、高校生からマーセル氏に質問したいと英語でやり取りをするなど、地域のNGOや学生にも沢山の刺激を与えた視察になったのではないかと思います。
 
視察にはたくさんのメディアの方も取材に訪れ、マーセル氏の新幹線問題や中池見湿地への評価が地元へ伝えられました。
 
現地での人々と中池見湿地の自然との出会いは、今後も中池見湿地のファンとして中池見湿地の保全に力になってくれるに違いありません。
 
●中日新聞(12月21日掲載)
 
 
icon_m_fukuda.jpg こんにちは保護・研究部の福田真由子です。
 
2012年7月にラムサール条約に登録された中池見湿地(福井県敦賀市)の一部に、同年8月に北陸新幹線の新たな計画路線が公表されました。1996年3月に公開された環境影響評価(環境アセス)時のルートよりも100mほど湿地の内側に変更されて認可されており、環境への影響がより大きくなることが懸念されています。NACS-Jでは当初から地元市民団体とともに認可ルート自体の見直しや、工事による影響の評価の科学性や透明性について働きかけてきました。
そして、12月7日(日)の環境影響評価の専門家委員会(非公開)において、調査結果から環境アセス時のルートよりも、認可ルートの方が動植物の影響が大きいとの中間報告が示されました。これは私たちの主張を裏付ける結果となるものです。
 
現在の認可ルートの環境への影響については、事業者である鉄道運輸機構が来年3月には調査の結論を出すとしていますが、今回出た中間報告の詳細を知るためにも、早急な専門家委員会の会議録の公開が望まれます。
中池見湿地の問題は「世界的な保護地域の開発」という重要性に反して、県外ではほとんど知られてないのが現状です。NACS-Jでは、中池見湿地の問題が世界レベルの問題であることをアピールするために、12月21日東京にて国際シンポジウムを開催します。当日は中池見湿地に関する映像や音楽・展示も行う予定です。まだ参加人数が少ない状況ですので、影響の大きい認可ルートの変更を実現するためにも皆さんの参加で応援してください! 
 

●シンポジウム「ラムサール条約湿地でひらく地域の未来

~10万年の湿地・中池見から考える~」開催要項●
 
日時:2014 年 12 月 21日(日)13:00 ~ 18:00
場所:YMCAアジア青少年センター 9階国際ホール
参加費:500円(会場・資料代)
申込み締め切り:12月15日(月)まで
申し込み方法などの詳細は下記のウェブサイトをご覧ください。
 
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秋の中池見湿地(2013年11月30日 羽鳥聡氏 撮影)
 
 
●12月8日の「日テレニュース」(福井放送)で取り上げられました。
<北陸新幹線「可能ならばルート変更すべき」(福井県)>
 
また、12月8日の福井新聞、毎日新聞、読売新聞、中日新聞、県民福井でも掲載されました。

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2014年10月のメディア掲載実績

以下のメディアで、日本自然保護協会の活動などが紹介されました。
 
2014/10/03 毎日新聞 【連載】自然は宝箱・キキョウ
 
2014/10/15  山と渓谷 11月号 イヌワシの棲む赤谷の森
 
2014/10/15  グリーン・エージ10月号 自然と共生するオリンピック・パラリンピック開催に向けて
 
2014/10/18  朝日新聞(多摩版) 自然は宝 あきる野市、まるごと残したい
 
2014/10/18  朝日新聞 9兆円事業 リニア始動
 
2014/10/18  朝日新聞(長野中南信版) リニア建設 国認可 残土問題ほとんど未解決
 
2014/10/18  毎日新聞 リニア着工認可 経済へ期待 環境に懸念
 
2014/10/18  東京新聞 巨大リニア 見切り発車
 
2014/10/20  中日Web(福井版) 新幹線問題抱える敦賀の中池見湿地 トンボ観察でアピール
 
2014/10/20  中日新聞(福井中日版) 敦賀の中池見湿地新幹線問題 自然観察しながら学ぶ
 
2014/10/20  しんぶん赤旗 主張「リニア国交相認可 国民は着工を認めていない」
 
2014/10/23  琉球新報 普天間移設事業 民意と科学 尊重を
 
2014/10/24  読売新聞 謎の多いアキアカネ、一緒に謎解きしませんか?
 
2014/10/24  毎日新聞 論点「リニア中央新幹線着工認可 活断層、残土 トンネルに問題」
 
2014/10/25  朝日新聞(群馬版) 赤谷の森美し カスタネット賛歌
 
2014/10/31  毎日新聞 【連載】自然は宝箱・ヤマトイワナ
 
 icon_m_fukuda.jpg保護・研究部の福田真由子です。
 
福井県敦賀市にある中池見湿地は25haの小さい面積ながら、多くの種類のトンボが見られることで有名なラムサール条約湿地です。
そこに現在、湿地の一部と山を貫通する北陸新幹線の建設計画が進んでいますが、十分知られていません。そこで、中池見湿地の魅力と問題を知ってもらうためのチャリティー・トンボ観察会を10月19日(日)に開催しました。
 
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当日は天気もよく絶好の観察日和となり、大阪や滋賀、福井などからの参加者と、福井県自然観察指導員の会のスタッフ、合わせて26人が集まりました。講師は約15年前に中池見湿地がガス基地計画で消滅する危機にあった頃、豊かな中池見湿地のトンボ相を解説した本を中心的に執筆された和田茂樹さんを迎えて開催しました。
 
午前は講師の和田さんより「トンボの世界の不思議と中池見湿地」と題して講演いただきました。卵→ヤゴ→成虫→産卵の各段階で種類によってまったく違った性質をもつトンボ達のユニークな生き方やトンボから見た中池見湿地の特徴について話していただきました。
 
 
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続いてNACS-J福田から中池見湿地の新幹線問題について、現在のルートの自然保護上の問題点やアセス制度の課題などお話させていただきました。
 
午後は実際に野外に出て観察会を行いました。
 
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現在、中池見湿地にはたくさんのアカトンボが飛んでいます。まずはノシメトンボ、アキアカネ、ナツアカネの見分け方を、実際に捕まえて体の模様や翅の色などじっくり観察しながら教えていただきました。また、中池見では2008年に初めて確認された(2011年に発表)、燈色の翅が美しいキトンボ(下写真)も見ることができました。
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▲キトンボ
 
北陸新幹線の開発計画がある「うしろ谷」では、流水環境に特有なトンボのヤゴを網で掬って観察しました。中池見湿地に多くの種類のトンボが生息している理由のひとつに、他で失われてしまった環境が残っていることがあげられます。うしろ谷の水路はまさにそれを代表する場所です。何年もかかって成虫となるヤンマのヤゴが生きていくためには、うしろ谷の水環境や植生環境が安定的に守られる必要があります。
 
新幹線計画のルートになっている場所では、NACS-J福田が計画されているボックス工法や中池見湿地の水環境への影響について図を見せながら解説しました。現在、うしろ谷では、新幹線開発が与える影響について環境調査をしており、その一環で国際的に重要な渡り鳥「ノジコ」の調査をしています。その方法や現在の状況などについて、長年中池見湿地で鳥類調査をされている吉田一朗さんから解説していただきました。
 
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今回の観察会では参加者は少なかったものの、ゆっくりとトンボを観察し、新幹線問題についても知っていただく機会となり、参加者からは「こんなに多様な生態があることを初めて知った」「中池見湿地のトンボの秘密の濃さを知った」「新幹線問題の裏が見えてきました」などの感想をいただきました。また福井県の昆虫関係者や中池見湿地で長年活動されてきたメンバーが久しぶり集まる機会ともなりました。
 
帰りにはオギの穂が揺れる中、たくさんの赤とんぼが群れをなして飛んでおり、まさに「夕焼け小焼けのアカトンボ」の風景に出会えました。そんな景色をいつまでも見られるように、地元市民団体と協力して、今後もNACS-Jは影響の大きい現ルートの見直しに向けて活動していきます。
*捕まえたトンボはその場で放しています
 
観察会の様子は中日新聞でも掲載されました。
 
icon_douke.jpg  保護研究部の道家です
 
現在、生物多様性条約第12回締約国会議に参加するため韓国に来ています。
 
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10月8日水曜日に開かれた「アジアの湿地を巡る状況」というサイドイベントに出席し、中池見湿地の問題を発表してきました。
 
サイドイベントはラムサールネットワーク日本等が主催したもので日本・韓国・ネパール・タイの湿地を巡る現状をNGOの視点から共有するものした。
 
日本からは、東北の沿岸、リニア新幹線、辺野古の問題が紹介され、韓国からは大きな問題となっている4大河川、ネパールは湿地管理と先住民の参加、タイからはメコン川の支流で起きたダム建設に伴う地域住民の暮らしの破壊の問題などが報告されました。
 
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質疑応答で、発表のあった問題に加え、ラムサール条約登録湿地であるのに開発問題が生じた中池見湿地の問題を紹介し、環境アセス制度の課題やラムサール条約制度を指摘しました。
イベントの最後は、韓国・日本だけではなくアジア全体で協同して湿地の保全に取り組んでいくことが大事であると、ラムサールネットワーク・日本共同代表の柏木さんが締めくくりました。
 
中池見湿地の問題は、ラムサール条約湿地の保護という日本の国際的な責任と信頼そのものを脅かす重大な課題で、イベントで自由配布した資料もあっという間になくなってしまうほど参加者から反響がありました。
(右写真:当日配布した資料。中池見湿地の資料はボランティアの方のご協力もいただきながら作成しました)
 
日本ではまだ十分知られていないこの問題について、日本自然保護協会では、12月に東京で国際シンポジウムを開催する予定です。今後も日本自然保護協会は関係者との対話を続けながら、この問題の解決に向けて取り組んでいきたいと思います。
icon_m_fukuda.jpg こんにちは、保護・研究部の福田真由子です。
 
中池見湿地(福井県敦賀市)は今までに72種類のトンボが見つかり、日本でも有数のトンボの生息地です。しかし現在、北陸新幹線の開発計画があります。この問題が世の中に知られていないため、10月19日、トンボを通して中池見湿地の魅力を知っていただくチャリティー・トンボ観察会をひらきます。
 
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7日の夜に中池見湿地の保全活用計画策定のための会議に参加し、9日には久しぶりに現地に行き、チャリティートンボ観察会の下見をしてきました。
中池見湿地は現在、緑一色からヨシ、水田跡地、ミゾソバ群落など植物群落ごとに色づきも変わってきました。そして秋晴れの青空のもとには、期待通りたくさんのアカトンボが群れをなして飛んでいました! 連結したトンボやなわばり争いしているトンボなど、下見をしつつトンボの暮らしをじっくり観察できました。
 
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▲オオアオイトトンボ
 
写真ではなかなか群れまでは撮影できなくて残念ですが、木道や柵に止まったトンボを撮影しました。私自身はトンボ初心者なので見つけられないものも多かったとは思いますが、それでもオオアオイトトンボ、ナツアカネ、ネキトンボ、ノシメトンボなど7種類のトンボを見ることができました。種類を後で調べるためには、模様がわかるよう、斜め前から撮るのが撮影ポイントとのこです。
 
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▲ナツアカネ
 
ちなみに、NACS-Jでは、最近少なくなった赤とんぼについてしらべる「自然しらべ2014 赤とんぼさがし!」もしていますので、「自然しらべ」にもぜひ参加してみてください!
 
チャリティー・トンボ観察会の講師をしてくださる和田茂樹さんに伺ったところ、中池見湿地ではこの時期10種類くらいのアカトンボが見られ、新幹線計画がある「うしろ谷」ではミルンヤンマも見られるそうです。
 
和田さんは小学生から中池見湿地に通い始め、中学生のときに県内でも貴重なキイロサナエを「うしろ谷」で発見し、大学生で中池見のトンボの本を主担当で執筆されたという中池見のトンボのエキスパートです! 
観察会当日は、この時期にみることのできないトンボについても、ヤゴをすくって観るなど工夫しながらトンボの不思議や魅力を参加者の方に楽しんでもらおうと和田さんと企画中です。
 
中池見湿地は、トンボだけでなく世界的にも貴重な「ノジコ」という鳥の渡りの重要地域となっています。10月10日から約10日間の標識調査も行われる予定で、北陸新幹線の開発がどれだけノジコにも影響するか、この結果が注目されています。観察会ではその現場も視察予定です。
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▲ノジコ
 
チャリティー・トンボ観察会はまだ参加者募集中です。
赤とんぼと渡り鳥の舞う湿地・中池見にて皆様のご参加をお待ちしています!
 

チャリティー・トンボ観察会 ~豊かなトンボ相の秘密を見に行こう!

開催日時:10/19(日)10~16時(雨天決行)
場所:中池見 人と自然のふれあいの里(福井県敦賀市樫曲79号奥堀切)
参加費:2000円(中学生以下500円)(資料代・保険代含む)
      *問題周知のための国際シンポジウム開催資金とさせていただきます。
 
対象と定員:子どもから大人まで。(親子でぜひご参加ください!) 定員40名
 
申し込み方法:
次の事項を明記して、下記メール、FAX、電話でお申し込みください。
①名前 ②ふりがな ③住所(市町村まで) ④メールアドレス(又はFAX番号)
⑤当日連絡できる電話番号 ⑥NACS-Jの会員の有無 ⑦当日の交通手段 ⑧敦賀駅からの送迎希望の有無
 
問い合わせ・申し込み先:
日本自然保護協会 保護・研究部 中池見湿地トンボ観察会係(担当:福田真由子)
TEL:03-3553-4104 FAX:03-3553-0139 
Eメール:fukuda@nacsj.or.jp ※スパムメール対策のため@を大文字にしています。小文字に修正して送信してください。
 
※当日のプログラムなど詳しくはこちらをご覧ください。
 
 
 
■中池見湿地の自然環境や現在問題となっている北陸新幹線の開発計画について紹介するパンフレットもつくりました。こちらからご覧ください。
 
 
 
 
 

2014年9月の活動日誌

●9月1日 毎日新聞取材対応/赤谷植生WG開催
 
●9月2日 尾瀬サミット出席/中池見湿地保全活用計画策定WG出席
 
●9月3日 野鳥の会意見交換/第3回神奈川県生物多様性地域戦略策定検討委員会出席/中池見湿地パンフレットリリース
 
●9月4日 活動報告(三越伊勢丹グループ労組)/モニ1000検討会の開催
 
●9月6日 モニ1000調査講習会(北海道栗山町)/492回指導員講習会開催(~7)
 
●9月7日 モニ1000調査技術向上研修会(北海道栗山町)
 
●9月8日 リニア問題国交省との交渉
 
●9月9日 第1回自然環境モニタリング会議開催
 
●9月10日 夕方観察会(明電舎)
 
●9月11日 日弁連勉強会にて北陸新幹線問題について講演
 
●9月12日 リニア問題院内集会開催/リニア中央新幹線補正評価書に対し意見を提出
 
●9月13日 493回指導員講習会開催(~14)
 
●9月14日 エコリーグ全国ギャザリングでの講演
 
●9月15日 ジュゴンの日・お話し会「辺野古の海の自然のこと」を開催
 
●9月16日 ケネディ駐日米国大使に、辺野古について書簡を送付(科学的調査のための立ち入り等について)
 
●9月18日 外国人特派員協会で辺野古の保全に関する記者会見を実施
 
●9月19日 自然エネルギー勉強会参加/赤谷プロ第1回企画運営会議
 
●9月20日 日本地理学会で発表(21日まで)/気仙沼・小泉海岸砂浜調査隊を実施、ボランティアバスを運行(かながわ311ネットワークとの共同企画)/第1回ユネスコエコパーク全国サミットin志賀高原出席/モニ1000調査講習会(石川県金沢市)/494回指導員講習会開催(~21)/サニエルおやこネイチャーツアー(サニクリーン)(~21)
 
●9月21日 気仙沼・小泉海岸で砂浜調査を実施
 
●9月25日 綾プロ調整会議出席
 
●9月26日 東北海岸調査検討委員会開催/Nカレ「コケの世界」第1回
 
●9月27日 495回指導員講習会開催(~28)
 
●9月28日 日本ジオパーク全国大会分科会に出席
 
●9月29日 小笠原アドバイザー会議出席
 
●9月30日 辺野古院内集会出席
 
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