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レッドデータ・ブック

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日本初のRDBと多様な生態系を示す植物群落RDBを作成発行。

レッドデータ・ブック(RDB)とは、絶滅のおそれのある動植物種をリストアップしたレッドリストから、生息状況を取りまとめ編纂したものです。NACS-Jは1989年にWWFジャパンと共同で「植物種RDB」を作成し、日本の野生植物種の約17%が絶滅の危機にさらされていることを明らかにしました。このRDBは、92年の種の保存法制定の根拠となり、また地域ごとのRDB作成の引き金となりました。さらに、貴重な「種」にばかり注目しすぎると、「絶滅のおそれのある種は存在していないが、群落として見た場合には非常に危険」という状況が見過ごされる可能性があると考え、96年には植物の生育環境をふまえた「植物群落RDB」を作成。植物群落RDBを自然保護の場で有効に活用するための取り組みを続けてきました。

 


【解説】絶滅危惧種、レッドリストとは?

絶滅危惧種、レッドリスト。

誰でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

絶滅危惧種とは、「絶えて滅してしまう」おそれがある生きものの種のことで、レッドリストとは、そういった絶滅のおそれの度合いを測り、一覧にしたものです。

生きものは、その1種類だけでは生きていくことができません。他の種類の生きものと複雑な関係を持ちながら繁栄していて、その様子は「網」にも例えられます。

たとえば1種が絶滅して、その網から抜け落ちても、複雑な網の中では大きな影響は出ないかもしれません。ですが、10種、100種と抜けていくとどうなるでしょうか?

櫛の歯が何本も抜けるともう櫛としてつかえないように、生きものをつなぐ網が壊れてしまい、生きものは存続できないことになってしまいます。

もっと具体的に想像すると、薬を開発するための素材である植物が絶滅することで、新薬の開発ができなくなったり、野菜や果物として食べている植物の実が、ミツバチが絶滅することで食卓に上らなくなったりすることが、挙げられます。

今、地球上では23,000種の生きものが、絶滅のおそれがあるとされています。

日本自然保護協会では、これ以上絶滅する生きものを出さないために、できるところから活動を進めています。

 

 

■スケール別に存在するレッドリスト

レッドリストには、大きく分けて3つの種類があります。

国際的な機関IUCNにより、世界的に評価をする【IUCNレッドリスト】。

日本国内の状況を評価する、環境省が作成する【環境省レッドリスト】。

さらに、各都道府県の状況を評価する、【都道府県版レッドリスト】があります。

ちなみに、誕生した順番はIUCN版→環境省版(日本国内版)→都道府県版となります。

日本国内で、初めてレッドリストに相当する「植物群落レッドデータブック」ができたのは1989年のことでした。

当時、日本自然保護協会と世界自然保護基金ジャパン(WWFJ)が共同で、製作したもので、国内での絶滅危惧種の保護をすすめる契機となりました。

■絶滅危惧種って何? レッドリストって何?

日本自然保護協会がこれまで制作してきた記事などのうち、絶滅危惧種に関係するものをご紹介します。

●【解説記事】IUCN レッドリストはどのように決められるのか?
http://www.nacsj.or.jp/katsudo/iucn/2013/07/post-6.html

●【解説記事・日本の食卓とレッドリスト①】
レッドリストに入ったクロマグロは資源管理ができているから大丈夫!?(2014年11 月記事)
http://www.nacsj.or.jp/diary2/2014/11/post-541.html

●【解説記事・日本の食卓とレッドリスト②】
ニホンウナギが環境省版レッドリストで絶滅危惧種に。天然ウナギは食べられなくなる?!(2013 年2 月記事)

http://www.nacsj.or.jp/diary2/2013/02/post-317.html

ニホンウナギがIUCN レッドリストでも絶滅危惧種に指定される。(2014 年6 月記事)
http://www.nacsj.or.jp/diary2/2014/06/iucn-10.html

●【解説記事】ニホンカワウソの「絶滅」~「種」が消えていくことの意味(2012年8 月記事)

http://www.nacsj.or.jp/katsudo/rdb/2012/08/post-6.html

●【解説記事】昆虫たちの悲鳴が聞こえる ─ 環境省の第4次レッドリストから(2012 年11 月記事)
http://www.nacsj.or.jp/katsudo/rdb/2012/11/post-7.html

■日本自然保護協会が関係している活動

日本自然保護協会が行っているさまざまな活動の中で、特に絶滅危惧種に関係の深い活動をご紹介します。

1)IUCN 日本委員会の事務局担当

日本自然保護協会は、レッドリストをつくっているIUCN(国際自然保護連合)の国内委員会である「IUCN日本委員会」の事務局を担当。このため、IUCNをはじめ生物多様性に関する最新の世界動向を把握しています。レッドリストの更新情報も国内に向けていち早く発表し、メディア問い合わせ対応などを行っています。
詳細は、こちらをご覧ください→http://www.nacsj.or.jp/katsudo/iucn/

2)個別の絶滅危惧種の保全活動

●イヌワシプロジェクト

日本自然保護協会は、群馬県みなかみ町にある国有林「赤谷の森」で地元住民、行政との協働で森を守りながら地域を活性化させる「赤谷プロジェクト」を進めています。絶滅危惧種のイヌワシは、森の生物多様性の豊かさの指標となる野生動物。赤谷の森には、現在、イヌワシが2ペア(4羽)暮らしていますが、各地の森と同様に赤谷の森でも人の手が入らなくなった人工林が増えるなどしてイヌワシが暮らしにくい環境になっていました。
そこで、2014年の夏から、人工林を伐採し、イヌワシが狩りができる空間を創り出すとともに自然林を復元するなど、イヌワシが暮らしやすい森づくりのプロジェクトを進めています。

★活動の詳細は → http://www.nacsj.or.jp/katsudo/akaya/

★絶滅危惧種イヌワシの保護のためのご支援をお願いします。 → http://www.nacsj.or.jp/katsudo/akaya/2016/02/post-41.html

※現在、イヌワシの保護活動へのご寄付を募っています。ご寄付いただいた方には、ご寄付金額に応じて、赤谷の森の木材でできた特製コースターやカスタネット、特製Tシャツ、タンブラーなどをお届けしています。ご寄付は、上記ページからお願いいたします。

●ミズアオイ・ミズオオバコの保全

東日本大震災の被災地・南三陸町には、ミズアオイやミズオオバコといった絶滅の恐れのある湿地植物が生育していました。震災後の復旧工事などによってその生息地がつぶされてしまう状況となったため、それらの湿地植物を別の場所に緊急避難させ、保全活動を進めています。

★活動の詳細レポートは → http://goo.gl/AYzIzT

 

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