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やんばるの生態系保全

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沖縄島の固有な生態系を守るために保護地域をつくる。

沖縄本島北部・山原(やんばる)地域では、1980年代に大規模な林道工事が相次ぎ、人工林の拡大で、ノグチゲラやヤンバルテナガコガネ、ヤンバルクイナなどの希少な固有種の生息地を含む多くの自然林が伐採されました。NACS-Jは地元の自然保護団体からの要請を受け、この地域の土地所有、自然林の分布、林道の位置、ノグチゲラの生息分布と林道の相互関係などを明らかにし、やんばるの現状を社会に知らせるとともに、やんばるの自然を守る方策を国や県、ほか関係者に提案してきました。またNACS-Jは、米軍北部演習場の返還後の森の扱いを検討する林野庁熊本営利局設置の検討委員会の委員として参加してきました。

 

 

 


国際的に自然保護が必要な重要地域と認められる。

米軍北部演習場の返還を踏まえ、1996年に環境庁(当時)長官がやんばるを国立公園に指定する方針を発表するなど、やんばるの森の自然の価値が理解され始めました。
2000年にはNACS-Jは、7つのNGO団体とともに、日米両政府に沖縄島およびその周辺のジュゴン、ノグチゲラ、ヤンバルクイナの保全を行う勧告をIUCN(国際自然保護連合)の世界自然保護会議で行う決議案をIUCNに提出し、採択されました。IUCNの勧告は国際条約にもとづく勧告と同等の重みがあり、関係する政府、政府機関、NGOは、勧告を尊重し実行する義務があるものです。しかしながら、この勧告が決議されたにもかかわらず、大部分が実行されなかったため、2004年のIUCN世界自然保護会議にて「ジュゴン・ノグチゲラ・ヤンバルクイナの保全を求める勧告」が採択され、国際的にもやんばるの森の保全が重要であることが認められています。

林道建設計画に対し保護策を提案。

 固有種・希少種の生育生息地として知られる沖縄本島北部・山原(やんばる)地域では、1980年代に大規模な林道(通称:大国林道)がつくられ、1994年にはさらにこの林道を延ばす北進計画が立ち上がりました。北進線は県が国有林を借りた県営林を通過する計画で、やんばるの野生生物の核心的な生息環境の分断が拡大するおそれがあるものでした。こうした林道工事のほか人工林の拡大による自然林の減少で、ノグチゲラやヤンバルテナガコガネ、ヤンバルクイナなどの固有種を含む多くの動植物の生育生息環境の減少が続き、やんばる地域への自然保護制度の導入は緊急の課題となりました。
NACS-Jは地元の自然保護団体からの要請を受け、この地域の土地所有、自然林の分布、林道の位置、ノグチゲラの生息分布と林道の相互関係などを明らかにするための調査を開始。やんばるの現状を社会に知らせるとともに、1996年から林野庁熊本営林局が設置した「沖縄本島北部国有林の取り扱いに関わる検討委員会」にNACS-Jも検討委員として参加し、保護策の検討を続けました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


改変を免れた米軍演習場を返還後に森林生態系保護地域にすることが決定。

やんばる地域内の北部演習場は、訓練場という利用形態のために大規模な環境改変を免れてきており、結果として多くの固有種や希少種の生育生息地として機能しています。97年に北部演習場返還後の国有林の扱いを考える検討委員会が設置されてから01年まで4回の検討会議が行われ、NACS-Jは約3400haの国有林でまとまった保護地域を確保する提案を行ってきました。

その後、返還が延期され、検討会も一時中断されていましたが、2006年に検討会が再開され、保護林の設定と再生事業、環境教育の場とすることが決まりました。そして2008年には、返還地の約半分にあたる特に自然性が高い範囲を、森林生態系保護地域とすることが決まりました。環境省の国立公園化の計画も進行しているので、保護地域とうまく連携し、保全を進めていく必要があります。

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