日本自然保護協会は、生物多様性を守る自然保護NGOです。

沖縄・辺野古 大浦湾の保全

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ジュゴン生息海域の生物多様性を基地建設による破壊から守る。

沖縄島東海岸・辺野古。 絶滅危惧種・ジュゴンの餌の海草(うみくさ)が広がり、最も重要な生息地の1つであるこの海を埋め立てて、米軍飛行場を移設する計画があります。 海草が広がる海の大草原=海草藻場は、サンゴ群集、干潟、マングローブ林などと並んで、サンゴ礁生態系を支えるとても重要な場所です。 また、このサンゴ礁生態系に隣接して、閉鎖性の高い大浦湾の内湾生態系が広がっているのが、この海域の最大の特徴です。飛行場の移設計画が、多様な自然環境に及ぼす影響はあまりにも大きく、計画の見直しを求めるため、調査活動などを通じて、問題解決に取り組んでいます。

■緊急寄付のお願い。辺野古のサンゴ礁やジュゴンの生息環境を守るためご支援を!■

日本自然保護協会は、日本の自然を未来に豊かなままで引き継ぎ、くらしを支える自然を大切にできる社会をつくるため、みなさまのご支援で政策提言活動、調査研究活動を行っています。

ぜひ、科学的調査や政府交渉を行うためにご支援をお願いします。

日本自然保護協会のWEB SHOP「しぜんもん」から、クレジットカードでご寄付いただけます!

●「しぜんもん」SHOP&寄付

https://nacsj.net/store/

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下記のページからも、ご寄付ができます。

●Yahoo インターネット募金 ~辺野古 ジュゴンの海を守る~

httpvolunteer.yahoo.co.jp/donation/detail/2189002/

●ジャパンギビング 沖縄・辺野古のジュゴンを守ろう!

http://japangiving.jp/p/3292

●SOFTBANK「かざして募金」からのご寄付はこちらhttp://ent.mb.softbank.jp/apl/charity/sp/creditSelect.jsp?corp=046

●★振込の場合:送金先(郵便振替口座)

口座番号:00150-2-51775 加入者名:公益財団法人 日本自然保護協会 通信欄に「辺野古」と記入ください

■この活動に興味がわいたら■
NACS-Jスタッフブログ・事務局日誌でも辺野古のサンゴ礁保全活動をレポートしています。
ジュゴンの食草である海草藻場のモニタリング調査「ジャングサウォッチ」の調査マニュアルの冊子を発行しています。冊子「ジャングサウォッチハンドブック」は、
日本自然保護協会オンラインSHOP「しぜんもん」
よりお買い求めいただけます。本体価格1,200円(会員1割引、送料・消費税別)

 


市民参加でジュゴンの食草である海草藻場を調査

サンゴ、干潟、マングローブ林の大切さは、一般的に知られるようになりましたが、海草藻場の大切さはまだまだ知られていません。その上、沖縄島の海草藻場は、埋め立てや赤土流出等によって、最大の危機に瀕しており、沖縄島の最大規模の海草藻場である東海岸の辺野古(173ha)は、米軍飛行場の移設計画によって消失の危機にあります。
そこでNACS-Jは、2002年から、辺野古及び嘉陽(辺野古の北東約10km)で、市民参加型の海草藻場のモニタリング調査「ジャングサウォッチ」を始めました。2007年からは地元主催の調査活動になっています。

ジャングサとは
海草(うみくさ)は、ワカメやコンブなどの海藻とは違い、陸上の植物と同じように、海の中で花を咲かせ実もつける種子植物です。ジュゴンが餌としていることから、沖縄ではジャングサ(ジュゴン草)と呼ばれています。 また、海草が広がる海草藻場は、沖縄ではジャングサヌミー(ジュゴン草の海)と呼ばれ、ジュゴンやウミガメ、稚魚を育む「海のゆりかご」であるとともに、「海の草原」でもあります。サンゴ群集、海草藻場、干潟、マングローブ林などは、ひとつづきの生態系の一要素であり、このうちどれが欠けても生態系に重大な影響をもたらします。

調査報告書で環境アセスへの意見提出の根拠をつくる

普天間飛行場代替施設建設事業の見直しを求めるために続けてきた「ジャングサウォッチ」に加え、2005年以降、新たに埋め立て予定地とされている大浦湾でも、現地調査を行ってきました。今後、環境アセスメントの手続きの着手が予想されることから、これまでの調査結果を取りまとめ、アセスへの意見提出の科学的根拠として幅広く活用していただくために報告書を発行しました。
2007年8月には沖縄防衛局の普天間飛行場の移設事業に係る環境影響評価方法書の縦覧がはじまり、その後、この方法書の追加・修正資料が縦覧されました。
しかしNACS-Jが点検・評価した結果多くの問題があることが分かり、この方法書に対し、NACS-Jは事業者である沖縄防衛局は、方法書を撤回し、ゼロ・オプションを 含む複数の代替案を検討する「計画アセスメント」を実施するべきという意見書を提出しました。

大規模なアオサンゴ群集が発見される

2007年9月、ジュゴンの生息地である沖縄県名護市大浦湾で、大規模なアオサンゴ群集が発見されました。「沖縄リーフチェック研究会」(会長:安部真理子)、「じゅごんの里」(代表:東恩納琢磨)のメンバーの調べで、おおよそ水深2~14mの斜面に、幅30m、長さ50mの広範にわたりアオサンゴが分布していることが分かり、白保以外にこのような規模でアオサンゴが分布していることはこれまで知られていませんでした。詳細な調査を行うため、日本自然保護協会・WWFジャパン、国士舘大学地理学教室・沖縄リーフチェック研究会・じゅごんの里が協力し、2008年1月から5月にわたり合同調査を行いました。その結果、辺野古・大浦湾は、サンゴ礁と大きな湾という異なるタイプの環境が隣接する、沖縄県内でも特異な海域であり、豊かな生物多様性を保ち、保護すべき重点地域(ホット・スポット)であることが改めて確認されました。

調査レポート全文(PDF形式/1281KB)

 


辺野古をモデルに日本版の海洋保護区を考える

03年に、環境省・林野庁は自然遺産候補地に、琉球諸島を選定しています。自然遺産には登録時の自然環境の顕著な普遍的価値と完全性が将来に渡り維持・強化されることを担保する保護担保措置が求められるため、林野庁はやんばるの「森林生態系保護地域」の指定(18ページ参照)、環境省はやんばる地域と奄美群島の「国立公園」指定に向けて準備・検討を始めています。この保護担保の対象は、陸域だけでなく海域まで広げる必要があります。
辺野古海域の生物多様性を守るには、観光や漁業が共存できる「海洋保護区」のしくみが必要です。具体的には、生態系の状態に対応した区画(ゾーニング)や、自然利用の規制・ルールを決め、陸域の集水域も含めた「総合的な沿岸管理」を市民合意のもとで進めるべきです。しかしこれを満足できる国内制度はまだありません。国立・国定公園や海中公園(表*)の指定だけでは限界があります。現に西岸部には沖縄海岸国定公園がありますが、ほとんどが普通地域のため規制は緩く、周辺で海砂利は採取され、無駄に大きい漁港や埋め立てなどの開発が届出の手続きだけで続けられています。漁業法・港湾法・海岸法など海岸線の管理も縦割りに区分・管理されており、沖縄島の自然海岸は既に53・7%にまで減っています。07年制定の海洋基本法では総合的海洋管理がうたわれていますが、状況改善の兆しはありません。
日本で海域を守るしくみは立ち遅れていますが、国際的には生物多様性条約や国際サンゴ礁イニシアティブ(ICRI・日本は創設から参加)で「海洋保護区のネットワーク強化」が求められています。さらにこの10月、IUCNの総会決議で日米両国に対し3度目となるジュゴン保護の行動計画策定が勧告されました。NACS‐Jは、「理想と現実」「海外と国内」「本土と沖縄」のギャップを少しずつ埋めながら、引き続き基地移設見直しを求め、辺野古海域をモデルに日本版海洋保護区のあり方を考えていきたいと思います。

(2008年11月1日 保護プロジェクト部 大野正人/会報『自然保護』No.506より転載)

アセスメントが進む中で事業見直しのタイミングを模索

2009年4月1日、沖縄防衛局は、沖縄・辺野古の普天間飛行場移設事業のアセス準備書を公表し、住民からの意見を聴くための縦覧を行いました。

NACS-Jでは7名の専門家による検討会議を設置。5400ページにもわたる準備書を点検・検証した結果、この準備書は科学的な予測・評価が満足に行われていないものと判断し、沖縄防衛局に対し、準備書の撤回、ならびに事業見直しのための日米政府間交渉を強く求めました。

 

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