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生物多様性を脅かす外来種問題

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2017.07.03

沖縄県議会宛て外来種侵入予防対策の強化に関する陳情文を出しました。

6月20日から開始した今年3回目となる沖縄県議会宛に「沖縄県における外来種侵入予防対策の強化に関する陳情」と題した陳情文を提出しました。

1)沖縄県における観光と軍事活動の増加により、外来種の導入のリスクが高まることを認識し、外来種の導入の入口となる港や空港で防ぐ対策を強化できるよう条例や規則を強化および新たに制定すること。

2)現行の「公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する条例」を強化し、より効果的なものにすること。

3)「公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する条例」で十分に対処ができない場合には、新しい条例や規則を設置し、対応できるようにすること。4)外来種対策へのより広い市民参加を実現すること、の4点を要望しました。

 

沖縄県における外来種侵入予防対策の強化に関する陳情


 2017年6月27日

沖縄県議会議長 新里 米吉 殿

東京都中央区新川1-16-10 ミトヨビル2F
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章

        沖縄県における外来種侵入予防対策の強化に関する陳情

外来種が起こす問題が世界中で話題になっています。昨年9月上旬に行われたIUCN(国際自然保護連合)第6回世界自然保護会議(WCC)の総会では外来種の問題が世界で2番目に大きな生物多様性への脅威であると認識され、「侵略的外来種に関するホノルルチャレンジ(The Honolulu Challenge on Invasive Alien Species)」が採択され、この中で世界各国がこの問題に関してより一層の行動を起こしていくことが強調されました。先月5月25日に当会がWWFジャパンと共催で那覇で開催した「沖縄における外来生物問題を考えるシンポジウム」においても複数の専門家や市民とこの問題が議論され、また今月に入り神戸市で見つかった外来種のヒアリについて日本中が懸念をもっています。

 
上記のIUCNの会議の中では日本自然保護協会など日本の自然保護団体6団体の提案による勧告「島嶼生態系への外来種の侵入経路管理の強化」が採択されました。これは日本政府に対し、今後増加する観光と軍事活動により、外来種の導入のリスクが高まることを認識し、外来種の侵入経路の管理の強化を求めるものです。日本政府は国際社会の一員として対策を取る必要がありますが、世界自然遺産登録を目指すほどの豊かな自然を持ち、そして脆弱な島嶼生態系を持つ沖縄県でもこの問題に対しイニシアティブを取ることが望まれます。

なかでも緊急な課題は現在進行中の米軍普天間飛行場代替施設建設事業の埋め立て土砂です。同勧告は日本政府に対し、大量の資材を生物地理区分を越えて運ぶことは、外来種侵入の大きなリスクを伴うこと、そしてこの問題をクリアするには多くの要求を満たさなければならないことを認識し、混入する外来種の早期発見方法の確立やリスク評価などを求めています。勧告に準拠する対応を求められているのは日本政府ですが、沖縄県でも対策を強化することには大きな意味があります。沖縄県は土砂搬入に先駆けて、国内での先進事例となる「公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する条例」を施行しましたが、当会より沖縄県議会へ提出した陳情「沖縄県土砂搬入規制条例改正に関する陳情」(平成28年12月5日)に記したように、万全の体制とは言い難い状態です。そのため同条例の強化や新しい条例や規則の制定により対応していくことを強くお願いいたします。

同勧告には生物多様性保全のためのステークホルダー(biodiversity stakeholder)のコミットメントの重要性が書かれていますが、ステークホルダーは市民、行政、専門家など全ての関係者という意味で使われています。沖縄県が、外来種対策に市民や第三者的立場の専門家や環境団体などを積極的に巻きこみ、有効な外来種対策をとることが望まれます。

以上のことから、沖縄県における外来種侵入予防対策の強化について以下のことを要望します

1)沖縄県における観光と軍事活動の増加により、外来種の導入のリスクが高まることを認識し、外来種の導入の入口となる港や空港で防ぐ対策を強化できるよう条例や規則を強化および新たに制定すること。

2)現行の「公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する条例」を強化し、より効果的なものにすること。
特に

(1)届け出から受け入れまでの日数を現行の90日間よりも長くし、冬季に届け出が出されても外来種の混入を防げる体制を築くこと

(2)石材だけではなく、土砂にも対応できるように対策を強化すること

(3)外来種混入の調査にあたる調査員の教育体制を強化すること

(4)沖縄県が委託した業者に一任するのではなく、土砂が搬入される自治体や第三者的立場の専門家などが、調査設計および調査結果の評価を行う体制を築くこと。

3)「公有水面埋立事業における埋立用材に係る外来生物の侵入防止に関する条例」で十分に対処ができない場合には、新しい条例や規則を設置し、対応できるようにすること。

4)外来種対策へのより広い市民参加を実現すること。
現在でも一部の市民がグリーンアノール等の捕獲に協力しています。駆除作業も大切ですが、一部分のみならず、計画全体を把握し立案する当事者の一員として参加できるような体制の構築を求めます。

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