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天然記念物オカヤドカリ類の捕獲・移動を求める文書へ同意しないことを求める要望書を出しました。

2015.10.21
要望・声明

天然記念物オカヤドカリ類の捕獲・移動を求める文書へ同意しないことを求める要望書(PDF/150KB)


2015年10月21日

沖縄県知事 翁長 雄志 様
知事公室長 町田 優  様
辺野古新基地建設問題対策課長 池田 竹州 様
沖縄県教育委員会教育長 諸見 里明 様

ダイビングチーム・レインボー
代表  牧志 治
沖縄・生物多様性市民ネットワーク
代表 吉川 秀樹
公益財団法人 日本自然保護協会
理事長 亀山 章

 

天然記念物オカヤドカリ類の捕獲・移動を求める文書へ同意しないことを求める要望書

2015年9月に、沖縄防衛局が、米軍普天間飛行場代替施設建設事業(以下、「同事業」)の一環として沖縄県に申請した国指定天然記念物オカヤドカリ類の捕獲・移動について、同事業予定地の生物多様性豊かな自然環境の保全と安全で安心な暮らしを守る住民運動に取り組んできた立場から意見を述べます。

10月13日、翁長雄志沖縄県知事は、普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認手続きに関する第三者委員会の「法的瑕疵あり」の報告書を反映させ、2013年12月に仲井真弘多前沖縄県知事が行った同事業にかかる埋立ての承認を取り消しました。私たち環境団体は、この取り消しは、環境保全と行政手続きの観点から全く妥当なものであり、そして、この取り消しにより同事業にかかわる一切の作業は法的根拠を失ったと考えます。

それゆえ、今回の沖縄防衛局によるオカヤドカリ類の捕獲・移動の申請に対して、沖縄県が同意をすることはできないと考えます。

また、普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境監視等委員会(以下、「同委員会」)は環境保全の担保として適切に機能できないという私たちの懸念が、10月19日付けおよび20日付けの朝日新聞等の報道により、さらに明確なものとなりました。同委員会の一部の委員に事業を請け負う企業からの寄付があり、また事業を請け負う業者が事業をチェックする側にも関与していることなどから、同委員会が、独立性、中立性、公平性をもって科学的な判断を行うことが難しい状態です。

さらには、かねてから指摘してきたように、生物の移動・移植・造成の技術は確立しておらず、確立していない技術を唯一の環境保全措置とする同委員会の姿勢は適切ではありません。しかし、同委員会の判断のもとですでに進んでいる生物の移動・移植があり(第3回環境監視等委員会資料「ボーリング調査に伴う環境の保全措置の実施状況 中間報告」)、私たちはその影響を懸念しています。

現在、沖縄県が行うべきことは、新たな生物の捕獲・移動への同意ではなく、これまで沖縄防衛局により行われてきた生物の移動・移植の影響を把握していくことだと考えます。

オカヤドカリ類は国指定の天然記念物であり、亜熱帯地域に固有の貴重種として沖縄の大切な財産です。翁長雄志沖縄県知事による公有水面埋立承認取り消しの効力と意義を明確に示す、一貫性をもつ県の対応を望みます。私たちは沖縄県および沖縄県教育委員会に対して、沖縄防衛局による天然記念物オカヤドカリ類の捕獲・移動を求める文書への同意をしないことを要望します。

 


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