絞り込み検索

nacsj

只見ユネスコエコパーク支援委員会に出席してきました。

2015.06.09
活動報告
icon_syumiya.jpg エコシステムマネジメント室の朱宮です。
 
6月2日に福島県の只見町において只見ユネスコエコパーク支援委員会が開催されました。只見町は2014年6月に新たにユネスコエコパークに登録されましたが、その後、専門家によるアドバイザリー機関として支援委員会が設置されました。同時に町内の有識者からなる只見ユネスコエコパーク推進協議会も設置され、意志決定機関としての役割を担っています。推進協議会にはNACS-Jの藤田が委員となっています。今回は、第4回目の支援委員会が只見町役場で開催され、私が委員として出席をしました。
 
 
 
協議事項は、只見ユネスコエコパーク実施計画と野生生物を保護する条例に関してなどです。
実施計画は、生物多様性保全、地域の持続可能な発展、調査研究・教育、のユネスコエコパークの3つの目的に沿って項目が立てられていました。
生物多様性保全であれば、野生生物を保護する条例、国道289号線に伴う周辺の環境影響評価とその対策、高層湿原・湖沼の保護・保全など、地域の持続可能な発展では、只見推奨産品の開発、伝統工芸の継承と育成、エコツーリズム・グリーンツーリズムの育成など、調査研究・教育では、自然首都只見学術調査助成制度、自然環境基礎調査、町公認自然ガイドの育成など、が挙げられていました。
特に、委員からは新潟県三条市と只見を結ぶ国道289号線の道路工事の影響に関して懸念する意見が多数寄せられました。工事関係者との事前協議の可能性などが指摘されましたが、すでに着工されている事業であるために事前協議は難しいとのこと。これに関して委員から意見が出ました。
 
人材育成に関しては、只見町には森と川のミュージアム(通称ブナセンター)があり、公認ガイドの育成や研修を検討しているようです。私からは、まず推進するべき役場内の研修をしてはどうかと提案をしました。持続可能な地域づくりに関しては地場商品のブランド化などアイディアが出されていましたが、町民は自家消費で基本的に満足しており、本気で商品を売ることを考えていないことなどが担当から指摘されました。人口がますます減少していくことが予想される中では、逆にユネスコスクール登録されることをきっかけに大学連携などを通じて人のくらしと自然との共存を学ぶ教育の場として体制を整えていくことも選択肢の一つであるとの意見もありました。
 
 
 

201506tadami2.jpg
▲雪食地形などの急な崖に生育するヒメサユリ
 
野生生物を保護する条例の制定を今年度計画しているようです。内容は種の保存法や県の条例などに指定されている以外の種に関して、例えばヒメサユリなど町民が守りたいと思っている種を指定して町民とともに保全を進めていくための条例を検討しています。この中の希少種の指定要件には国や県のレッドリスト記載種を含むことから、環境省などが進める種の保存法に300種登録するにあたり、民間の保全活動を推進する動きと連動するものです。NACS-Jは、申請書の書き方マニュアルをウェブサイトで紹介するなどこの動きを支援していることから、情報を共有しました。
 
 

201506tadami1.jpg
▲ 田子倉ダムの視察
 
 
 

前のページに戻る

あなたの支援が必要です!

×

NACS-J(ナックスジェイ・日本自然保護協会)は、寄付に基づく支援により活動している団体です。

継続寄付

寄付をする
(今回のみ支援)

月々1000円のご支援で、自然保護に関する普及啓発を広げることができます。

寄付する