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2014.08.28

【配布資料】ひっつき虫を探そう

会報『自然保護』No.541(2014年9・10月号)より転載


このページは、筆者に、教育用のコピー配布をご了解いただいております(商用利用不可)。
ダウンロードして、自然観察会などでご活用ください。
今日からはじめる自然観察「ひっつき虫を探そう」(PDF/2.07MB)

本コーナーは、エプソン純正カートリッジ引取回収サービスを利用されたお客様のポイント寄付によるご支援をいただいております。

 

 

ひっつき虫を探そう

秋から冬にかけては、まさにひっつき虫シーズン。

ひっつき虫とは、昆虫ではなく、動物や人間にひっついてくる植物のタネ!

どんな方法でくっついているのか、ルーペで観察してみてください。

種子植物(以下、植物と記します。)にとって最大の仕事、それは、花を咲かせて自らのタネを残すことです。タネは次世代へと命をつなぎ、分布を広げる役割を担っています。ただ、分布拡大のためには、タネを広くまき散らす必要がありますが、植物は動けません。

そこで、さまざまな仕掛けをつくって、自然の力や動物を利用し、タネを散布させようとしています。これを「種子散布」と言います。種子散布の方法は、種類によって異なります。例えば、秋の野山を彩る木の実たちは、目立つ色彩で鳥を惹きつけています。鳥は木の実を食べますが、タネまでは消化されないので、ふんとともにあちこちへとまき散らされるのです。
実は私たち人間も、知らず知らずのうちに種子散布に貢献しています。その最たるものが「ひっつき虫」です。皆さんは野山歩きで、服に大量のタネがくっついて、苦労した経験はないでしょうか。これらのタネを種類問わずに総称したものがひっつき虫です。

ひっつく工夫あれこれ

秋から冬にかけては、多くの種類のひっつき虫を観察できます。その中でも特によく見かけるのが「おなもみ」です。現在、野外で見かける「おなもみ」は、大多数が外来種のオオオナモミです。オオオナモミのとげは、先端がかぎ爪状になっていて、服の繊維に引っかかる形でくっつきます。ちなみに在来種のオナモミは、今や絶滅危惧Ⅱ類に指定されるほど数を減らしています。

あぜ道を歩くと、よく細長いタネが服にたくさんつきます。これはセンダングサの仲間のタネです。鋭いとげで直接繊維のすき間に刺さり、しかもご丁寧に滑り止めまでついているため、取るのには非常に苦労させられます。ほかにも、ネバネバの粘液で付くような種類も存在します。

ひっつき虫はくっつくしくみが面白いため、遊び道具としても最適です。フエルトに貼り付けて絵を描いたり、布を持って原っぱを歩き、布にくっついた種類数を競ったり、自分なりの楽しい遊び方を考えてみましょう。ただ、とげの鋭いものもあるので、扱いに気をつけましょう。それから、オオオナモミやアメリカセンダングサなど、一部の外来種は繁殖力が非常に強く、生態系への影響が心配されています。服についたひっつき虫を拡散させないなどの配慮も必要です。


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岩槻秀明 自然科学系ライター

●クイズの答え●

【ひっつき虫】B ダイコンソウ、C ヌスビトハギ、E コセンダングサ
【ひっつき虫ではないもの】A オニスゲ、D ヒメクグ

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