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沖縄・辺野古 大浦湾の保全

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2014.07.24

辺野古・大浦湾、防衛大臣・沖縄防衛局長に要望書を提出しました。


要望書提出のようす

日本自然保護協会は、7月24日、北限のジュゴン調査チーム・ザン、沖縄・生物多様性市民ネットワークと連名で、環境アセスメント後に判明した新たな事実を元に、埋立工事を即時中止し、科学的な調査を実施する時間の確保を求める要望書を防衛大臣・沖縄防衛局長に提出しました。

要望書は、7月9日に発表した資料を元にしたもので、環境アセスメントでの予測とは反してジュゴンが頻繁に辺野古・大浦湾の埋立予定地内を利用していたことや、新たに学術的価値の極めて高い鍾乳洞が見つかったことなどから、従来の環境アセスメントの予測に基づいた対応では環境保全は不十分であるとして対応の見直しを求めました。

防衛省経理装備局からは、環境アセスメントで示したとおり専門家の指導を受けて可能な範囲で保全に努めるという返答であったため、ジュゴンの利用状況が変わっていることへの対応や、専門家の担当分野の公表などを改めて口頭で申し入れました。
 
 

 
2014年7月24日
防衛大臣 小野寺 五典 殿
沖縄防衛局長 武田  博史  殿
 
 
辺野古・大浦湾海域の埋め立て中止の要望書
 
 
北限のジュゴン調査チーム・ザン  代表 鈴木 雅子
沖縄・生物多様性市民ネットワーク    吉川 秀樹
公益財団法人 日本自然保護協会  理事長 亀山 章
 
 
沖縄県名護市辺野古・大浦湾は生物多様性豊かな海域であることが、これまでの数々の調査、研究、普天間飛行場代替施設建設事業の環境アセスメントにより明らかになっている。
 
環境アセスメントでは「現在のジュゴンの行動範囲や餌場の利用状況からみて、辺野古地先の海草藻場へ移動し採食する可能性は小さいと考えられます。」と予測し、それに基づいて保全策が立てられ、埋立申請がなされた。しかし、この予測に反し、ジュゴンは頻繁に辺野古・大浦湾の埋立予定地内を利用していることが最近になり判明した。
 
この海域では、環境アセスメント終了後にも多分野の研究により、生物の新種や、日本初記録の生物種など多くの発見が続いている。また、埋立予定地に隣接する辺野古・長島の鍾乳洞にあるサンゴ礫が付着した鍾乳石は、学術的価値が極めて高い、日本初の事例であることが確認された。
 
さらには、公有水面埋立手続きの過程で、構造物の大きさが大幅に拡大されたり、埋め立てに用いる海砂採取によって海草藻場に影響が及ぶことなど、環境アセスメントでは予測評価されていない環境の改変の計画があることも判明した。このように、事業実施に伴う環境への影響は甚大で、辺野古・大浦湾のみならず、県内外の多くの場所にも影響が及ぶことが明らかになっている。
 
これらは根本的な問題であることから、わたしたちは、埋め立て計画を即時中止し、科学的な調査を行う時間を確保することを要望する。
 
先週公表された研究では、港の浚渫工事のように水質を悪化させる長期にわたる大規模な工事を行うと、周辺に生息するサンゴも病気にかかりやすくなることが明らかにされた。本事業は規模が大きく、大量の土砂の移動を伴うので、同様のことが起こる可能性が高い。
 
本年秋には、生物多様性条約第12回締約国会議が開催される。日本が議長国をつとめた2010年に採択された愛知ターゲット目標10「脆弱な生態系の保全」と目標12 「絶滅危惧種の絶滅・減少を防止する」を守れない事業を進めることは国際的にも許されないことである。
 
以上
 
 
参考:
F. Joseph Pollock et al.(2014).Sediment and Turbidity Associated with Offshore Dredging Increase Coral Disease Prevalence on Nearby Reefs
2014年7月17日ナショナルジオグラフィックニュース サンゴの病気、一因は港湾工事
 
 
2014.7.9

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