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2013.03.01

【配布資料】カエル なぜ鳴くの?

会報『自然保護』No.532(2013年3・4月号)より転載



このページは、筆者に、教育用のコピー配布をご了解いただいております(商用利用不可)。
ダウンロードして、自然観察会などでご活用ください。

今日からはじめる自然観察「カエル なぜ鳴くの?」(PDF/1.99MB)

カエルなぜ鳴くの?
田んぼには、命を次の世代につなぐためにカエルたちが集まってきます。
川や渓流などに集うカエルもいますが、ここでは田んぼに集うカエルをご紹介します。
合戦する?
それとも合唱する?

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オスが鳴いてメスが選ぶ、というのがカエルの繁殖スタイルです。そのため、オスの喉には鳴(めい)のうと呼ばれる音を反響させる器官が発達し、大きな鳴き声を出せるようになっています。普段、私たちが耳にするのはオスの鳴き声なのです。
カエルには2つの繁殖タイプがあり、タイプによって鳴き声に違いがあります。ひとつ目のタイプはまだ寒さの残る早春に繁殖するカエルにみられます。このタイプのカエルの繁殖期は数日から2~3週間しかありません。多くのカエルが短期間に集まるので、繁殖個体の密度は高くなります。オスの周りにはメスがたくさんいるので、大きな声で鳴く必要がありません。それでもオスが鳴くのは、鳴き声が同種のオスであることのサインになるからです。このタイプの繁殖では、たくさんのオスが狭い範囲で動き回るので、オス同士の小競り合いやメスの奪い合いが頻繁に起こります。これがいわゆるカエル合戦です。
ふたつ目のタイプは、田植えのころから繁殖を始めるカエルに見られます。繁殖期は1カ月以上になり、産卵の準備が整ったメスから順にやってくるため、繁殖場所では相対的にメスが少なくなります。どのオスもメスに選ばれるために、大きな声で競い合うように鳴くことになります。こうしてたくさんのオスが一斉に鳴き合うのでカエルの合唱になるのです。
3月はヒキガエルが繁殖期を迎えるころです。日本にはヒキガエルと呼ばれるカエルが複数生息していますが、東日本の平野にはアズマヒキガエル、西日本の平野にはニホンヒキガエルが分布しています。ヒキガエルは、雨水のたまった田んぼや浅い側溝、神社やお寺、公園の池などで繁殖します。神経質なカエルではありませんので、すぐそばで観察できます。しかし、どこでも1週間程度しか繁殖は続きませんから、観察のタイミングは難しいかも知れません。うまく繁殖のピークにぶつかれば、日中でもカエル合戦を繰り広げるヒキガエルを観察することができるでしょう。
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●クイズの答え:B(耳腺)。※Cは鼓膜です。
福山欣司(慶応大学生物学教室教授)

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