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「キャンプシュワブ沿岸部浅瀬案の杭打ち桟橋方式」の問題について

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2010.04.28

米軍普天間飛行場移設事業
「キャンプシュワブ沿岸部浅瀬案の杭打ち桟橋方式」の問題について

普天間飛行場移設事業で考えられていたV字滑走路・沿岸案の位置や規模・工法・構造を変更した「浅瀬修正案<杭打ち桟橋方式>」と呼ばれる案を防衛相が提案し、米国と協議しているという報道が、2010年4月28日にありました。この新たな案について、日本自然保護協会(NACS-J)はコメントを発表しました。

 

米軍普天間飛行場移設事業
「キャンプシュワブ沿岸部浅瀬案の杭打ち桟橋方式」の問題について
(コメント)

2010年4月28日

 

                             (財)日本自然保護協会
                       保護プロジェクト部 部長 大野正人

 

普天間飛行場移設事業に関し、V字滑走路・沿岸案の位置・規模・工法・構造を変更した「浅瀬修正案<杭打ち桟橋方式>」を防衛相が提案し、米国と協議していると報道されている。日本自然保護協会は、辺野古・大浦湾の海域の調査・保護活動に取り組んできた経験から、以下のように考えコメントする。

 

2002年から市民参加型調査(ジャングサウォッチ)を行い、シュワブ前の浅場には良好な状態の海草藻場が分布していることを把握し、2004年にはジュゴンの食跡を確認している。環境省・防衛庁の調査でも食跡や糞が記録されており、ジュゴンの生息に重要な海域である。

 

杭打ち桟橋方式の問題点として、
・光の遮断・減少によって光合成が阻害され海草藻場が消失する。波浪や海流の変化によって、リーフ内の海草藻場の分布面積が減少する。
・リーフ内の「海水の流れ」は、林立する支柱によって複雑化し海中~海底の環境が攪乱される。
・浅場の海草藻場や砂地を利用する貝類・甲殻類などが消失する。
・サンゴ礁生態系の一つの攪乱が、辺野古・大浦湾の全体へも影響を与える。
他にも、工法・構造の変更にともない、台風や荒波、機材からの有害物質の処理や騒音など、改めて検討・検証しなければならないことは多い。
また現行案と位置・規模及び工法が異なるのであれば、明らかな事業の見直しであり、環境アセスメントを方法書からやり直すことは必須である。

 

このように、杭打ち桟橋方式であっても自然環境の問題は多くあり、「埋立て方式より影響が少ない」、「環境に配慮している」と単純に評価できるものではない。
そもそもが、この生物多様性豊かな海域で大規模な米軍飛行場をつくること自体が問題であり、首相が言う「埋立ては自然への冒涜」と何ら違いはない。
日本政府は、これまで指摘してきた環境上の問題の所存を何も踏まえられていないこの修正案をもって米国との協議に入るべきではない。

 

以上

 

米軍普天間飛行場移設事業「キャンプシュワブ沿岸部浅瀬案の杭打ち桟橋方式」の問題について(コメント)(PDF/90KB)

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