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欧州日記6~IUCNヨーロッパオフィス~

2006.12.04
活動報告

さて、ドイツのボンからケルンに移動し、インターシティーエクスプレスに乗って2時間ほどで、ベルギーのブリュッセルに到着しました。

ブリュッセルは、ここ数年で経済的にも政治的にも激変した都市の一つです。いずれも欧州議会・欧州委員会がこの町に作られたことに起因します。IUCNヨーロッパオフィスも同様で、2001年には5人程度のスタッフが働いていたのが、2005年夏頃には20人、現在は27人のスタッフが働くという大所帯となりました。写真を見ていただきたいのですが、4階建てですが建物は古く、階段を上り下りする音を聞きながら会議をしているので、まるでヨーロッパの大家族を訪れたような錯覚を覚えました。

ヨーロッパオフィスは、プロジェクトよりもリエゾン(連絡調整)機能が強いところです。欧州委員会や欧州議会へのロビー活動のほか、ヨーロッパ・ハビタット・グループというネットワーク組織の事務局などを担っています。

この事務所の中核事業は、「カウントダウン2010」というイニシアチブの事務局を担っていることです。生物多様性条約で合意された「2010年までに生物多様性の消失スピードを劇的に抑える」という目標に向けて、機運を盛り上げようとするもので、仕組みはいたって簡単です。
このカウントダウン2010に参加したい団体は、「2010年目標」に向けて努力すると書かれた宣言に署名するとともに、特に自分たちの団体でできることを書き込むだけです。私の理解では、2010年目標を意識し、行動する人々に共通のシンボルを提案・提供することがこの活動の目的のひとつで、そのためロゴの使用もかなりの柔軟性があります。団体について条件がある訳ではなく、NGOは当然ですが政府や省庁、地方自治体、企業もパートナーとなっています。これまでヨーロッパを中心に展開してきましたが、世界中でカウントダウン2010への参加を呼びかけることになりました。

聞くところによるとやはりここ欧州でも「2010年目標」はおろか「生物多様性条約」を知っている人はほとんどなく、政府の関係者(環境大臣すら!!)も「生物多様性って何?」という認識のようです。面白いことにヨーロッパオフィスでは「生物多様性Biodiversity」という言葉を使うことをさけて「自然Nature」を使うようにしているそうです。
(保護研究部・道家 2006.11.29)
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ヨーロッパオフィス正面

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