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2004.06.28

愛知万博・海上の森南地区の県道計画変更を評価~3団体でコメント発表

NACS-JとWWFJ・日本野鳥の会の3団体は、愛知県に要望した愛知万博・海上の森南地区に対する愛知県からの回答を、「残された課題の解決を前進させるものとして評価する」というコメントを発表した。

海上の森は、開幕が来年に迫った愛知万博の当初の開催場所とされ、里やま環境の価値を軽視した扱いに対してNACS-Jは改善を求め続けてきた。

会議や個別の議論の場を通じて解決された問題点も多いが、まだ残されている課題もある。それが、今回3団体が求めていた「海上の森の長期的な保全策」と「海上南地区における県道計画」についてである。

今回の回答で、課題が完全になくなったわけではないが、解決に向けての前進が始まったと受け止めている。今年2004年11月には、タイで第3回世界自然保護会議が開かれる。愛知県・日本政府には、IUCNと加盟団体に対して勧告への対応状況の報告を望む。

2004年6月28日

県政記者クラブ(愛知県)御中

(財)日本自然保護協会
(財)世界自然保護基金ジャパン
(財)日本野鳥の会

愛知県による海上の森南地区県道計画の変更に対するコメント

 

愛知県は、自然保護3団体に対して、3月30日付の3団体からの要望書に対する、6月24日付の回答を送付した(6月26日着 下記★参照)。また2005年日本国際博覧会協会は、海上地区会場計画モニタリング委員に対して、同日付の通知を送付した(6月27日着)。このたびの愛知県の回答文書は、南地区の道路計画、海上の森の長期的保全という残された課題の解決を前進させるものであり、これを評価したい。

 

愛知県の回答によると、県は海上の森南地区の里山遊歩広場につながる県道(県道広久手八草線)のうち、市道との交差部以北の整備計画を見直し、博覧会閉幕までは必要最小限の暫定的な整備にとどめることとしている(これまで幅員11mの道路を計画していたが、緊急車両の通行に最低限必要な幅員4mとする)。この県道計画の変更は、海上の森南地区が、ムササビをはじめとする生物の生息地であり、従来の県道計画がその生息に重大な影響を与えるという自然保護団体の主張を受け入れ、影響への負荷の低減をはかったものであり歓迎したい。なお愛知県は、博覧会閉幕後もこの姿勢を堅持し、里山学びと交流の森の整備にあたっても、道路整備は必要最小限とされることを強く期待する。

 

愛知県の回答文書は、里山学びと交流の森に関する県条例の整備にあたっても、有識者、自然保護団体、一般県民の意見を聞きながらすすめることとしており、評価に値する。海上の森が県条例にもとづいた保護地域となり、県民参加によって保全活用されることを期待する。

 

自然保護3団体は、愛知万博の誘致の段階から、新住宅市街地開発事業や都市計画道路と結びついた博覧会のあり方を批判し、海上の森の保全に対する意見を述べてきた。また2000年10月にヨルダンのアンマンで開催されたIUCN(国際自然保護連合)の第2回世界自然保護会議では、住宅・道路開発の中止を評価しながらも、海上の森の長期的保全が未解決の課題となっていることを指摘する勧告を提案し採択された。
国および愛知県は、2004年11月にタイのバンコクで開催される第3回世界自然保護会議にむけて、世界自然保護会議の勧告に対する対応状況を、IUCNおよび加盟団体に報告すべきである。


 

★愛知県から自然保護3団体への回答文書(2004年6月24日付け)の要約

1.里山学びと交流の森県条例(仮称)について
条例の基本的な考え方ついて、有識者や自然保護関係団体等、一般県民の意見を聞きながらすすめていく。

2.県道及び駐車場の建設等について

(1)県道広久手八草線について
博覧会会期中は緊急車両等の進入路として、必要最低限の暫定的な整備(幅員4m程度)とし、閉幕後は、車両の安全確保や植樹帯、歩道の必要性などを再度検討し、必要最低限の整備としていきたい。
(2)里山遊歩広場(駐車場)について
博覧会会期中は、緊急車両等の活動場所となり、閉幕後は普通乗用車10台分程度の駐車場とし、いずれの利用形態においても、必要最低限のスペースと考えている。

なお、工事については、環境に配慮をした工法、重機を使用する。また、野外照明を設置しないなど動植物の生息、生育環境への配慮を十分に行っていく。

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