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徳山ダム建設問題と猛禽類生息地保全

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2000.04.21

「水準の高い対策、価値のある効果を発揮する対策は、残念ながら取り得ないと思われる」

岐阜県の徳山ダム建設事業をすすめている水資源開発公団は4月21日、新たに「徳山ダム環境保全対策委員会」を設置すると発表しました。同公団はこれまで「徳山ダム環境調査会」「徳山ダムワシタカ類研究会」を設置し、徳山ダム建設工事による自然環境への影響等の検討を行ってきましたが、平成12年度にダムの本体工事が開始されることから、ダム建設事業に関わる環境保全対策について、より総合的な観点から専門家による指導・助言を得ることを目的として設置するものとしています。

しかしNACS-Jでは、昨年末に発表された、同公団による猛禽類の生息環境利用状況の調査の不備・問題点を多数指摘しており、今回の委員会の設置に関しても以下のようなコメントを発表しました。

この事業においては、人やテーマを変えながらいろいろな委員会が作られてきた。しかし、事業を計画どおり、かつ予定通り進めるという前提が何より強いため、自然環境の保全に優先順位をおく考え方は、常にしりぞけられてきた。

 

今回、資料では「効果的な保全対策の実施」と説明されてはいても、ダムによって計画どおり流域を広範囲に水没させること、長期にわたって環境を撹乱せざるおえないダム本体建設を中心とする工事が既に日程として組まれている中では、水準の高い対策、価値のある効果を発揮する対策は、残念ながら取り得ないと思われる。大型の猛禽類に関していえば、それは、生息する個体数が十分でかつ繁殖ペアにおいてはその成功率が高い状態にある自然環境の維持である。

 

今からでも、そのような状態を目標とした論議をするべきではないか。また、そのような議論が交されてそれが実現するか否かが、この委員会の価値を決めるもっとも重要な要素と思われる。

(横山隆一/総務部長  猛禽類保護・徳山ダム調査資料検証担当)

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