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大分・中津干潟の保全

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1999.11.22

「干潟の保全と希少生物等への影響を回避する具体策を示すよう県知事を指導すべき」

大分県・中津干潟の埋め立て事業に関し、運輸大臣等へ要望書提出(同日、記者発表も実施)



港湾計画の進む中津干潟


環境庁記者クラブでの発表(99.11.22)

運輸大臣  二階 俊博 殿
環境庁長官 清水嘉与子 殿
大分県知事 平松 守彦 殿

財団法人 日本自然保護協会
理事長 奥 富  清

大分県中津干潟の保全と
中津港の
港湾計画に関する要望書

関門海峡から国東半島にいたる周防灘には大規模な干潟が広がっており、なかでも大分県中津市から宇佐市にかけての前浜干潟は約5000haに及ぶ。とくに中津港を中心とした中津干潟は約1600haの面積があり、全国的に数の少ないズグロカモメの渡来地、絶滅危惧種のカブトガニ、アオギスの生息地として知られている。

中津港は本年6月に国の重要港湾指定を受け、10月に地方港湾審議会で港湾計画が審議され、11月26日には中央港湾審議会で港湾計画の審査を受けることとなっている。中津港の港湾計画によれば、年間360万トンの貨物増加のため63.6haの干潟と浅海を埋め立て、航路を水深12m幅300m長さ約5kmに拡張する予定であると聞く。

この影響を評価するための環境アセスメントは、公有水面埋立法において県知事の認可ですむぎりぎりの48.8haという面積で実施されたが、昨年縦覧された評価書には水産庁が絶滅危惧種に指定しているアオギス、カブトガニの記述はなく、その後の追加調査でも、港湾施設が計画されている地区から東側の調査が不十分である。コアマモについては、移植という安易な代償措置がとられているが成功していない。さらに航路拡張に伴うシルテーションとそれが干潟に与える影響が十分に予測評価できているとは言い難い。

運輸省がエコポート事業として認定している中津エコポート計画については、来年度予算は見送られたものの、健全な泥質の干潟を航路掘削で出た砂と入れ替えるという計画を含むものであり、日本でも数少ない泥質の干潟の価値を正当に評価していない。

以上のことから、

1.運輸大臣は、中津港港湾区域内の干潟の健全な状態での保全と、干潟および浅瀬を生活史の一部として利用するカブトガニ・アオギス等の希少生物、干潟に渡来するズグロカモメ・オオソリハシシギ等の鳥類、コアマモ群落等への影響を回避・低減する具体策を示すよう大分県知事を指導すべきである。また泥質の干潟を砂質干潟に置き換える計画を含む中津港エコポート事業計画を根本から見直すよう指導すべきである。

2.環境庁長官は、中央港湾審議会において、周防灘の干潟、とりわけ中津干潟の重要性に鑑み、干潟および浅瀬に棲む希少生物、干潟に渡来する鳥類、コアマモ群落等に与える影響を回避・低減する具体策を示すよう、環境保全の視点から指摘すべきである。

3.大分県知事は、干潟および浅瀬に棲む希少生物、干潟に渡来する鳥類、コアマモ群落等への影響、航路拡張に伴う干潟への影響に関する調査をやり直すべきである。それに基づき、中津港港湾計画および中津港エコポート事業計画における自然環境への影響を回避・低減する具体策を示すべきである。

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