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東京湾・三番瀬をめぐる議論が始まる

1998.11.01
活動報告

県の計画策定懇談会発足、NACS-Jも正式参加

=月刊『自然保護』No.431(1998年11月号)より転載=

 


 

東京湾奥部に残された干潟・浅海域「三番瀬」。ここを埋め立て、コンテナふ頭や住宅・公園・下水道終末処理場などを造成する「市川2期地区・京葉港2期地区計画」が千葉県によって計画されている。

県は、この計画における土地利用の必要性、埋め立ての妥当性などについて、さまざまな立場の人からの意見を聞く「市川2期地区・京葉港2期地区計画策定懇談会」を設置することを決めた。1998年10月19日、第1回の会議が開催される。経済や都市整備、海生生物の専門家など19名の委員が参加し議論が行われる予定だ。NACS-Jも環境分野の専門家として出席し、三番瀬保全の重要性を主張することになる(編集注・発行日の都合からこの原稿は懇談会開催前に書かれました)。

1990年にこの基本構想が発表されてから2年。この間、NACS-Jは三番瀬の保全と計画の撤回を求める意見書の提出など、地元のNGOとともにその保護活動に取り組んできた。その中で、1995年、千葉県は県環境会議からの提言を受けこの計画を一時凍結し、環境保全と自然保護に配慮するために三番瀬の自然環境現況把握のための補足調査と、計画の必要性について検討することとなった。

そして今年9月28日、千葉県環境会議に2年半におよぶ補足調査の結果が報告された。調査結果は、これまで言われてきた、三番瀬の持つ高い浄化能力や多様な生物の生息地であ
ることなどを裏付けるものとなった。この結果をもとに、計画の必要性について検討がすすめられることになる。

NACS-Jでは、三番瀬の干潟や浅瀬の自然が持つ多様な価値への認識を広く高め、その保全に向けて取り組んでいく。

(開発法子・保護研究部研究担当部長)

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