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新潟・奥只見猛禽類生息地の保全

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1997.06.25

「クマタカやイヌワシの生息実態を、十分調査してから判断してほしい」

首都圏への電力供給のための揚水発電所、アセス審議会が今大詰め


NACS-Jは1997年6月25日、イヌワシ等猛禽類の重要な生息地の一つである新潟県只見地域内で計画されている発電所計画に係わる環境影響の検討に関して、慎重な判断がくだされるよう資源エネルギー庁発電課長・環境庁自然保護局野生生物課長・新潟県土木部河川課長・電源開発株式会社立地環境部長あてに、要請書を提出した。

 

越後三山只見国定公園の第2種特別地域に計画されているこの事業(「佐梨川総合開発事業(佐梨川ダム)」および「湯之谷揚水発電計画」)では、大型猛禽類の生息との関係が論議となっていて、新潟県による環境アセスメントの手続きが大詰めを迎えている。

 

NACS-Jでは山地性大型猛禽類の保全活動の一つとして、この事業に注目してきた。また、新潟県在住のNACS-J会員・自然観察指導員の方々から実状の説明と助言の求めが寄せられた。そこですでに実施された環境アセスメント等の資料をもとにこの問題の概要を検討したところ、クマタカやイヌワシ等の生息実態が十分に把握されないまま手続きだけが進められようとしてると考えられた。そこで以下の3点を理由にあげ、よりいっそう慎重な検討がされることを要請した。

 

1.当該地域のうち、特に下ダム改変区域南側のクマタカの生息実態が、現在の環境アセスメント調査等では十分把握されていないと考えられる。

2.同地域については、繁殖ペアを組むイヌワシの狩場として利用された記録があり、現在も活用されている可能性が高い。しかし、環境アセスメント報告書ではこのような事実がとらえられておらず、単純に高利用域の判定箇所からはずされている。

3.その状況の中で、各種資料類は下ダム開発の「影響は少ない」とすでに結論づけており、この点の再検討が必要と考えられる。

 

地元の自然保護グループによる「イヌワシの補食行動と複数の行動トレース記録」がある地域でも、アセスメント関連資料の中ではこのような記録はとられておらず、「改変区域上空には飛翔しない」と記述されていることなどを、実際の観察記録データを記載した図面をもとに指摘した。

 

十分なデータ量がない中で解析作業をしていること、観察ポイントに無理があることなども問題であるが、一方この地域では、アセスメント調査と同時並行ですでにダム建設地では「調査工事」が行われていることなども問題視している。

 

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