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秋田・駒ヶ岳イヌワシ生息地の保全

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1994.09.01

秋田駒ケ岳のイヌワシ調査 最終報告が完成

「主要2地区が高頻度利用域の中に計画され、

計画通りの開発はイヌワシに多大な影響」

秋田駒ケ岳のイヌワシ調査 最終報告が完成

=月刊『自然保護』No.383(1994年9月号)より転載=


 

NACS-Jは、日本イヌワシ研究会と合同で行った秋田駒ケ岳でのイヌワシ調査の最終報告をまとめ、2月18日(1994年)に関係者に提供・公表した。

 

この調査は、秋田県とJR東日本が秋田県田沢湖町で計画していたリゾート開発と、イヌワシの生息環境の関係を調べるため、1991年から3ヶ年にわたって実施していたもの。最終報告は、本誌12月号の特集でご報告した中間報告に3年目のデータを加え、この結果に基づいた具体的な保護対策の提言を結論として加えた。

 

調査によって秋田駒ケ岳のイヌワシの行動圏は、

 

1.巣を中心とした占有地(281ha)

2.占有地の周囲で、繁殖期の主要な狩り場を含み、ここでの餌動物の増減が繁殖の成否に大きく影響する高頻度利用域(756ha)

3.繁殖期の行動圏(8900ha)・非繁殖期の行動圏(23700ha)の4地域に分かれることがわかった。

 

スキー場やゴルフ場などのリゾート計画地のうちの主要な2地区が高頻度利用域の中に計画され、計画通りに開発されるとイヌワシの繁殖に多大な影響を及ぼすと推測された。

 

そこでイヌワシの利用内容の位置づけにそって、高頻度利用域は「保護の徹底」、繁殖の行動圏は「大規模なリゾート施設などの新設は規制する」、非繁殖期の行動圏は「生物の多様性の保全を図りつつ、適切な人間活動を行なう地域」に、するべきと提言した。

 

この最終報告をJR東日本に提供したところ、秋田駒ケ岳のイヌワシ行動圏の核心部ではリゾート開発を中止する、また、全国各地で計画していたリゾート開発についても自然保護の視点から見直しを考えたいという返答が得られた。なお、最終報告の詳細や、報告に対する関係方面の反応などは、来月号(1994年5月号)で追ってご報告したい。

(編集部)

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