2006.1.26 掲載
いきもの村の「たくみ小屋」の屋根裏にはムササビが暮らしています。
日中は、屋根裏に持ち込んだ巣材の上で寝ています。夜になると屋根裏から抜け出し、森へ出かけ、
また明け方にたくみ小屋に戻ってきます。センサーカメラを使って観察した彼の様子をご紹介します。
↑(左)たくみ小屋、 (中)塒のムササビ、 (右)外出前のムササビ
ムササビはたくみ小屋の1階屋根裏を塒(ねぐら)にしています。出入りする際は、1階屋根裏から2階屋根裏に登り、2階屋根裏の通気口から外に出ます。そして一度、たくみ小屋の屋根上に上り、そこからたくみ小屋北側のスギの木に向かって滑空します。
2005年8月16日〜20日の様子をご覧下さい。 ※[1]から矢印に沿って番号順にご覧下さい。画像をクリックすると拡大します
たくみ小屋から、北側のスギ林へ向かって滑空する姿も何度か撮影できました。
↑(左)2005/08/23 20:12頃 (右)2005/08/22 20:18頃
このようにセンサーカメラで記録した、塒立ち、塒入りの時間をグラフにまとめました。
2005年7月下旬から12月中旬まで、毎日の塒出入り時刻の記録です。季節によって少しづつ変化しています。何が決定要因なのでしょうか?
※データが途切れている部分は出入りの確認ができなかった日です。たくみ小屋以外にも塒を持っているようです。
※塒空き時間が1時間以内のときは、一晩に2回たくみ小屋を出入りした場合が多いです。
↓ベニヤ板を開けるとムササビの寝床です
たくみ小屋では、お昼寝中のムササビをそっとのぞくことができます。
たくみ小屋の中にも何箇所か寝床を持っているようなのですが、そのうち2つはわかっています。一つは、右のように、階段裏側のベニヤ板を開けると、アクリル板一枚を隔ててすぐ向こう側でムササビが寝ています。もう一つは、1階屋根裏ですが、脚立を使って屋根裏に顔を出し、そっと懐中電灯で照らすと、巣材の中でうずくまっているムササビの姿を見ることができます。
↓(左)1階屋根裏。巣材の中に埋もれていますが、尾が見えています。 (右)階段下の塒。お昼寝中を起してしまいました。。。
↓(左)12月12日の燃料小屋 (右)12月13日のたくみ小屋
2005年12月12日以降、ムササビがたくみ小屋に戻ってこなくなりました。はっきりとした理由はわかりませんが、たくみ小屋の屋根に積もった雪が影響しているのではないかと考えています。
センサーカメラの記録によると、12月12日の夕方18:27に小屋を出るまでは毎日小屋に戻ってきていたことが確認できています。また、赤谷センターの記録に12日と13日のいきもの村の画像があります。12日分はたくみ小屋の画像ではありませんが、燃料小屋に積もった雪の様子から考えると、たくみ小屋の屋根上にはほとんど雪が無かったと考えられます。
先ほど紹介したとおり、ムササビは小屋への出入りに屋根上を利用していますので、屋根上に積もった雪の影響で小屋に戻れなくなってしまったのではないか?と私たちは考えています。屋根上の雪が融けて、また小屋に戻ってくるのを楽しみに待ちたいと思います。
※ムササビの様子を含め、いきもの村の最新情報はブログ「いきもの村日記」で紹介しています。