左:赤谷の日の翌週に赤谷川本流で観察された3頭のツキノワグマ 右:紅葉には少し早い旧三国街道
今月も林道が崩落している小出俣林道を除く、いきもの村、雨見林道、ムタコ林道、赤谷林道、4ルートをサンプリング調査しました。
いきもの村:テン 2サンプル(サルナシ2)
雨見林道 :テン 1サンプル(動物食1おそらくネズミ類)
ムタコ林道:テン16サンプル(サルナシ16)
赤谷林道 :テン 4サンプル(サルナシ3、サルナシ+昆虫1)
以上の結果で、ムタコ林道については16サンプルのサンプルが採取されましたが、他のルートは依然少ない状態が続いています。赤谷林道を例にとると昨年は、サルナシのみとサルナシ+動物で23サンプル採取されています。林道上にはバラバラとサルナシが落ちているくらい実付きは良いのに、サンプルが出ない。原因が何なのか現段階ではわかりません。ムタコ林道は16サンプルと多いように思われますが、ここ数ヶ月調査ルートを伸ばした、ゲートより1200メートルより奥の採取がほとんどで、今まで調査対象としていた手前は1サンプルのみで、手前エリアはあまり利用されていないようです。水道施設の改修工事もまだ継続していますので、その影響もあるかも知れません。
食性に関しては、今月は圧倒的にサルナシ。雨見でネズミと思われるフンが採取されましたが、全体のサンプル数自体が1サンプルですので、特徴的な事象と言えるのかどうか。また調査日未明まで雨が降っていましたので、前週まで採取されていた昆虫食のみのサンプルなどは流失された事が考えられます。毎月不明なことが多いテンモニですが、サンプルがないと何も始まりませんので、今月も週末は可能な限り補完調査に入る予定です。(サポーター青木)
いよいよ秋。南ヶ谷へ向かう道にはクリの実がいっぱい。南ヶ谷でも大きなクリの木の下はクリのイガが敷きつめられていました。クリの実を拾おうとして見ると、実はパックリ割られ、中身がキレイになくなっているのです。クマの仕業らしいとのことですが、それにしても、渋皮はきちんと残して、おいしいところだけ食べているのには感心してしまいます。負けずにと生栗を食べてみたのですが、あんなにキレイには食べられない・・どうやって食べているのでしょうか?家に帰ってゆでて食べました。ぷっくりふくれた山栗は、小粒とはいえ、とてもおいしいものでした。
今回は秋の風がさわやかな日、風が吹きわたるとミズナラのどんぐりがバラバラと落ちてきて、開いたお弁当に転がり込む!見上げる木の上にはま新しいクマ棚がみえ、幹にはクマの爪あともかすかに見えていました。クマのフンも何個か見られ、クマたちの動きが活発なようです。今回はセンサーカメラの設置場所を増やしました。今年の夏は雨ばかりで不順でしたが、秋の実りは豊かなようです。
中井先生により湿地を詳細に測量した地形図が作成されました。その図上に湿地の水、動植物等の分布の位置を記録して保全を考える資料を作ることになり、2日目にはその作業も行いました。また、みんなであらためて湿地を見て、どのようにしたら保全がすすめられるか、お互いに意見を出し合いました。
湿地はすっかり秋の色。その中にウメバチソウの白い花がポツポツと。湿地に枝を伸ばした大きなアオハダの木には赤い実がたわわにつき、光をすかしてみると透明感のある美しい色で輝いていました。一足早い秋を感じさせる南ヶ谷でした。・・・・・
水の多い場所に生えていた植物が実をつけていたので写真を撮ってきましたら、どうやらコマツカサススキというもので、群馬県の絶滅危惧種とのこと(採集は困難な場所でした)。これは大峰沼にもあるようで、共通点を感じさせるものがまた一つ増えました。他にも数々の絶滅危惧種の生息が確認されていますので、保全についてはなんとか考えていきたいところです。またよろしくお願いします。(サポーター和田)
サポーターの坂口より10月4日に行った、自然誌調査(三国街道)の活動報告いたします。行程は、三国路自然歩道を辿って、新潟県側三国トンネル口登山口より歩き始め、群馬県側永井宿国道17号入り口まで歩きました。参加者は、竹村さん、高野さん、林さん、星田さんと私。朝8時に歩き始め、13時半頃に到着のペースでした。
今回、主の観察対象は、観察目的は、1.クマ棚の状況、2.木の実の状況、3.鳥類としました。
クマ棚の状況は、昨年は、このルート上にクマ棚が多く見られましたが、今回は、4つしか確認できませんでした。一般的に落葉前は熊棚が発見しずらい状況ではありますが、今回ここの状況としてはクマ棚が昨年に比べて極端に少ないことがわかりました。
木の実の状況ですが、ルート上には、ブナ、ナラ類が多く、路上にミズナラの実は、沢山落ちているところと、ほとんど落ちていないところに別れ、全体として豊作か凶作か判断ができませんでした。旧三国街道の地面に落ちているミズナラのどんぐりは少なく、落ちているものは未熟果が多い印象で、前日の南ヶ谷での状況と比較すると顕著違いました。またブナについては、実をつけているものもほとんどが、しいなと虫害でした。数少ない中身のある種を試食してみましたが、苦味がなく、おいしく食べられました。その他、クリは平年以上の豊作ではないかと思いました。ツキノワグマはミズナラが悪い分、クリに依存するのではないかと推察します。落ちているクリの中には、きれいに渋皮を残して食べられているものも散見されました。更に歩いて、永井宿の手前では、クマのフンを見つけました。
鳥類は、高野さんによると、16種ほど確認したとのことです。鳥類分類順にアオゲラ♀、コゲラ、ビンズイ、ヒヨドリ、ミソサザイ、ウグイス、キクイタダキ、エナガ、コガラ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、キバシリ、カケス、ハシブトガラスの16種です。ビンズイ以外は通年生息している種で、季節移動の時季にしては種類が少ない結果でした。(サポーター坂口)
サポーターの坂口より10月3日に行った、ヒル対策の活動報告いたします。9月の活動に引き続き、ヒルの棲息・活動状況の調査及び実験を行いました。参加者は、星野さん、星田さん、坂口です。
ヒルの活動は、早朝と夕方に活発になるとのことなので、午後3時頃、いきもの村県道上部にある9月に下草を刈った場所にまず向かいました。日差しも傾いていたため、直接横から、差し込んでくる状況でした。前回、棲息調査(動き回って、ヒルが付着する数を確認)でも、1匹しか付着してこない場所でしたが、今回は、まったく付着してきませんでした。ヒルが棲息しやすくするために、刈り取った草を積んだ山の中も確認しましたが、ヒルを1匹も目視できませんでした。どうも、この棚場は、湿気も少なそうですし、日差しも当たりやすいように見えましたので、ヒルも棲息しにくのかもしれません。
そこで、ここより1段上の棚場に場所を変え、前回と同じように、2m×10mのエリアで、下草を刈り取ることにしました。この場所は、以前の経験では、侵入したとたん、数匹のヒルが付着してくる場所で、じっとしていると、付近のヒルが徐々に集まってくるのが、目視できる程、棲息密度が濃い場所でした。刈り取った草は、前回と同じように、山積みしておきます。
この場所は、樹木で覆われている訳ではありませんが、周りの木からの落葉で地面が覆われており、また、落葉も湿っていて、格好のヒルの棲息場所になっているようでした。前回の場所は、樹木が生え、落葉が地面を覆っていますが、落葉自体が、湿っていませんでした。乾燥しやすい場所なのかもしれません。
次回は、流石に11月ですので、気温も低く、ヒルの活動も低下していると思いますが、また棲息調査を行います。ヒルの活動の指標となるのは、地表面の温度・湿度であるとの報告もあり、ヒルが棲息しにくい場所としやすい場所の違いを確認するために、今後もヒルの活動状況と温度・湿度の関係を追っていきたいと思います。これから冬場に向かって、どこで冬越しをしているか突き止めることも課題となります。(サポーター坂口)
作成中
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写真/文:和田晴美、竹村秀雄、青木邦夫、坂口浩幸、高野丈、星野理恵子、前田修、茅野恒秀、出島誠一
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