トラップ数 | 成熟 | 未熟 | しいな | 虫害 | 獣害 | 殻斗 | |
ブナ | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
イヌブナ | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
コナラ | 5 | 267 | 19 | 0 | 31 | 0 | 334 |
ミズナラ | 4 | 78 | 18 | 1 | 1 | 0 | 94 |
クリ | 3 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 |
トチノキ | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
コナラ、ミズナラは、このひと月にドングリの雨を降らせていたことが分かります。もう未熟も無いようです。ブナは、三国峠の方まで行くと、数本に1本の割りで、実っている木がありました。高標高では実りがあるようです。来年のトラップ設置の検討課題です。
ブナとミズナラ、コナラのドングリ(種子)を拾ってきて、即席のプランターに蒔き、落ち葉をかぶせました。発芽の様子を観察するためです。ミズナラは、既にほとんどのドングリが、発根を始めていました。来春に、何本の実生を見ることができるか楽しみです。(サポーター川端)
↑左)トラップの種子を回収 中と右)回収した種子をみんなで仕分けしてカウント中
11月のテンモニルートは、落葉が多くサンプルを見つけるのに苦労させられました。
各ルートのサンプル採取数は、以下の通りです。
11月3日 雨見林道/0サンプル、
ムタコ林道/3サンプル(全てテン)、
小出俣林道/5サンプル(テン4、不明1)
11月4日 いきもの村/3サンプル(全てテン)、
赤谷林道/4サンプル(テン3、不明1)
食性はほとんどがサルナシで、動物食が1サンプルでした。今まで同様、昨年までとはちがう傾向が続いています。落葉が多くサンプル採取が難しいとはいえ、全体のサンプル数が少なすぎます。しかも、動物食が少なすぎます。植物質を食べたテン糞は、雨などで流失しやすいので、これが全体のサンプル数に影響しているのか、テンの行動圏が昨年とは異なっているのか、現時点ではわかりません。
そろそろツルウメモドキを食したサンプルが出るかと思っていましたが、今回は確認されませんでした。ちなみにツルウメモドキの結実状況は、概ね良さそうで10月赤谷の日以降各ルートで、林道上に落ちている果実が多く目に留まりました。
来月はもう、12月です。昨年の12月赤谷の日には、ムタコ林道でツルウメモドキを食したサンプルを100以上も採取しました。さて、今年の12月はどうなるでしょうか。(サポーター鈴木)
気持ちよく晴れた日、山では落ち葉を蹴散らして走りまわった動物たちの足跡がいっぱい。湿地ではたくさんの足跡で、ぬかるんだ泥がまるで耕されたかのような姿。大型動物たちの気配がいっぱいの秋の日、竹村さんと和田で南ヶ谷湿原を訪ねました。
木々の間にぽっかりと空がひらけてあらわれる小さな湿地、そこの浅い水の中に今年7月、水草のタヌキモを見つけていました。ほとんど流れのない水域で、春にはクロサンショウウオの卵塊のあった場所です。ところで以前タヌキモとよばれていたものは2種に区別されるようになったそうです。タヌキモとイヌタヌキモです。区別点は冬を迎える前につくられる越冬芽の違いなので、今の季節に判定ができます。今回の観察でわかったことは、南ヶ谷のものは「タヌキモ」。タヌキモのほうが自然度の高いところに分布するとのことで、ちょっとうれしい。先月にはいっぱいに繁茂していたタヌキモも、今月は個体数もわずか。水面をおおった落ち葉の下からやっと探し出すありさまでした。冬が近いのですね。
ところでこの湿地、地すべりによってできたゆるやかな斜面が起源です。斜面の上部には小さな滑落崖があり、崖の下部では数箇所から水が湧き出て湿原に流れ込んでいます。斜面下方の湿地には水がたまっていますが、そこでは大きなミズナラとカラマツの木が、根っこごとひっくり返っています。なぜ倒れたのか・・・もしかして地すべりが原因?ふだんは止まっていて、時々ゆっくりと動くことを繰り返すのが地滑り。倒れた木はまだ葉をつけているので、ごく最近動いたのではとか推察したり・・でも確認できるかなあ・・・
モウセンゴケのはえるこの場所は、どんな歴史をたどってきたのでしょうか。この小さな湿地をながめていると、大地と水と、そこに生きる植物・動物たちの織りなす世界が垣間見えてくるようです。(サポーター和田)
3日は法師線〜永井宿、4日は三国トンネル脇〜三坂線のルートで、センサーカメラの電池とフィルムの交換を行いました。3日は快晴、4日も曇り〜晴れとわりあい天気にも恵まれ、気持ちの良い山歩きでした。
4日には旧三国街道を初めて歩く参加者もいたので、少し寄り道で三国峠まで行ってみました。ただし、残念ながら雲で下の景色は見えず。紅葉は、下の国道沿いでは丁度見ごろくらいでしたが、三国峠付近ではほぼ終わりのようでした。(サポーター渡辺)
↑左)「村の家」での室内講習の様子、 中)偶然現れたクマタカを観察、 右)講習中に赤谷林道に出現したジムグリ(講習会に参加した2人のうち1人は、生まれて初めてヘビに触ったことに感動していました。)
今回、初めて「赤谷の日」に参加したお二人を対象に、AKAYAプロジェクトのこと、「赤谷の日」の活動のこと、「赤谷の森」の魅力などを知ってもらうため、初回講習会を実施しました。「村の家」でAKAYAプロジェクトについて、詳しく解説しました。その後、「いきもの村」を歩きながら、サポーターの活動内容を紹介しました。また、川古展望台や赤谷林道を歩きながら、「赤谷の森」の魅力を感じてもらいました。「赤谷の日」では、初めて参加する方のために、初回講習会を実施しています。「赤谷の日」は、初めての方も、気兼ねなく参加していただけます。(サポーター島内)
写真/文:島内厚実、和田晴美、鈴木誠樹、青木邦夫、竹村秀雄、平井希一、渡辺晶、川端自人、出島誠一
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