2007年2月赤谷の日レポート

2月赤谷の日レポート(2007年2月3−4日)

 1月赤谷の日を中止したため、2007年最初の赤谷の日です。

たくみ小屋のムササビ 冬芽
炭窯からモクモクで出る煙" 炭窯に点火 猿ヶ京で見つけたハイタカ

↑上段(左):たくみ小屋のムササビ。以前は、赤谷の日の一日目の夜に外出したまま戻ってこなかったのですが、私たちに慣れたのか、最近はちゃんと2日目の明け方に戻ってきます。『ドン!ドタドタドタドタ・・・』と大きな音を立てて戻ってくるので、私たちの目覚まし代わりになっています。(画像は赤外線ビデオカメラで撮影)「毎月第一土日はうるさいなー」 by ムッサー  (右):カエデの冬芽  
 下段:(左)炭焼きの煙。  (中)この炭窯に点火するのも3回目になります。  (右)猿ヶ京で見つけたハイタカ



炭焼

窯の口を開ける  1月の赤谷の日が、天候不順で中止となり、炭材を窯の中に置いたまま、2カ月経っての火入れになった。今回は飾り炭も焼くために、窯の中にはカボチャやリンゴ、バナナなども入れてある。この2カ月が、どのように影響してくるか、楽しみでもあり、気がかりでもある。今回は、着火から、窯の口を閉じるところまでの作業を、若干詳細に紹介します。

2月3日(土) 晴れ

今回は、師匠である笛木さんに用事があったため、点火後不在となり、サポーター炭窯隊だけでの、窯のお守りになった。さて、うまくいきますか。
 11時00分に火入れの準備開始。窯の口を開け、煙突を取り付ける。
 11時40分に点火。炎の誘導用の波板を取り付けた。口火は順調に燃える。
 12時00分、窯の前で昼飯にする。
窯の口を開ける 煙突を取り付け 火入れ用の薪を置き、着火 波板をかぶせる

↑左:窯の口を開ける  中左:煙突を取り付ける  中右:着火  右:この波板が火の回りを良くする

火が炭材に燃え移ると、窯の中に、強い空気の流れができるのだろう。煙突からモクモクと煙が出る状態が、次のポイントである。それまでは口火を切らさないようにしながら、待つしかない。口の蓋を閉じるための粘土も用意して待つ。
煙は出たり引っ込んだり 煙い。何も見えない 口火の薪を何度も補充する やっと流れはじめた

↑左:(13時40分)2時間経過、そろそろなのだが、煙は出たり引っ込んだり。  中左:(13時50分)空気が流れず淀むため、煙い。何も見えない。  中右:(14時20分)口火の薪が足りなくなり、何度も補充する。  右:(15時10分)やっと火が回りはじめた。

これからが忙しく、サポーター炭焼隊だけでやる、初めての窯の口閉じである。ま、何とかなるだろう。
急いで粘土も準備 ブロックと粘土で口を閉じていく 15時30分。ブロックを積み上げたら粘土で隙間を埋める

↑左:口火の燃えかすを取り除き、水を撒く。  中:ブロックと粘土で口を閉じていく。  右:(15時30分)ブロックを積み上げたら粘土で隙間を埋める。

16時20分。空気口を狭くした 同時に煙突も狭くする 作業終了

↑左:(16時20分)空気口を狭くした。  中:同時に煙突も狭くする  右:一旦、今日の作業はここまで。(17時頃)

2月4日(日)雪のち晴れ

 朝起きるとあたりは雪景色だった。炭焼き小屋も雪化粧。昨夜は、窯の蓋の確認を怠ったため、ひび割れが多く入っていた。今日は一日、このひび割れをふさぎながら過ごすことになる。

「7時00分。朝の雪」 「7時30分。前回の2日目の朝と比べると、煙が白い気がする」 「9時40分。ひび割れの修復」

↑左:(7時00分)朝の雪  中:(7時30分)前回の2日目の朝と比べると、煙が白い気がする。  右:(9時40分)ひび割れの修復

「9時40分。ひび割れの修復」 「9時40分。ひび割れの修復」 「11時10分。薄くはなったが、まだ白い煙」

↑左:割れ目を埋めるには、粘土を水状にして使う。 中:煙の湿気を手で感じ取る。  右:(11時10分)薄くはなったが、まだ白い煙

後は、煙が透明になるまで、穴埋めを続けながら待ちます。(サポーター川端)

2月5日(月)晴れ

穴埋めを続けます 「11時10分。薄くはなったが、まだ白い煙」  4日の夜も穴埋めを続け、翌5日の朝7時頃、煙は透明で、煙突にマッチをかざすと10秒ほどで発火。そうしている間に(8時30分頃)笛木師匠が様子を見に来てくれました。煙突の煙に手をかざし、「ちょっとすぎたなー」とつぶやいて、急いで窯口を塞ぎ、煙突も外して完全密閉。
「夕方までは、煙が漏れれば補修をつづけて」「これはいい窯になりましたよ。火が良く回る」「3月には中の炭を出すように。湿気るから」とのこと。
 その後、何度か補修をして、17時頃に最終の補修をして終了としました。
さてさて、中身は来月のお楽しみです。(NACS-J出島)



ホンドテン・モニタリング

1月の赤谷の日は悪天候で中止になったため、今年初めての赤谷の日です。
一日目は参加者が少なかったこともあり、1チームでムタコと合瀬ルートを歩いて来ました。昨年の3月は除雪した雪が胸の上まである状況だったが、2月だと言うのに積雪は僅か、新ためて雪の少なさに驚かされました。サンプルはテンのものだと確信がもてるものが、ムタコ・合瀬とも1サンプルずつで、合瀬ではツルウメモドキのフンが散乱していましたが、今までのテンのものと違う状況(径が細いなど)なので、鳥のものだと思われます。またムタコに関しては突然サンプルが少なくなりましたが、雪解けの水で流されたという感じではなく、狩り場が変わったような印象を受けました。
 二日目は早朝からの新雪で足跡すら消えている状況でしたので、小出俣林道にセンサーカメラを一台設置して終了しました。センサーカメラは今回ムタコに1台、小出俣に1台、計2台仕掛けて来ましたが、普段からやってないと忘れてしまいますね。今後、継続的に仕掛けていき、ホンドテン姿を捉えたいものです。(サポーター青木)



↑上左:ムタコ沢の橋に残されたトラック  上中:小出俣の通称「蜂の巣岩」  上右:ムタコ沢で見つけたとても新しいトラック
 下左:小出俣の蜂の巣岩にセンサーカメラを設置  下中:春を待つヤマツツジ  下右:小出俣林道をサンプリングする様子


エンカウンタースペース整備

 1日目は、2005年秋に作っていきもの村内に掛けた「フクロウハウス」の位置を少し変える作業を行いました。当時組み立てた巣箱も、1年以上掛けておいたので、だいぶ新品のニオイがとれてきました。そろそろ使ってくれると嬉しいのですが・・・。
 一つは、鉄塔そばのオニグルミの木に掛けてあったもの。ちょっと高さが足りなかったので、巣箱の中に落ち葉を敷き詰めてから、1〜2mほど上に掛け換えました。もう一つは、上の水場の脇に掛けてあったもの。水場の奥にあってちょっと観察しづらかったので、入口の木に掛け直しました。これなら、道路からでも観察できます。ついでに、“クリスマスツリー”と呼んでいるモミの木にかかっているノスリの巣が、猛禽類観察テラスから見えるように、視界を遮っていた周りの枝を少し落としました。
フクロウハウス フクロウハウスを再設置 クリスマスツリー
 2日目は、雪に見舞われたので外での作業は控え、法師温泉長寿館から昨秋頂いた立派な配膳台を猛禽類観察テラスの足場に使えないかと、ガレージ内で加工作業を行いました。この作業は途中までしかできなかったので、また次の機会に続きをやりたいと思います。(NACS-J芝小路)


 今年は本当に雪が少なく、気温も高いです。赤谷の森ではツキノワグマ親子が歩いている姿も確認されています。この暖かい冬が、赤谷の森にどんな変化をもたらすのでしょうか。。。水不足も心配です。来月は3月3-4日で行います。(NACS-J出島)


写真/文:青木邦夫、川端自人、芝小路晴子、平井希一、丹羽牧人、出島誠一

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