2006年10月赤谷の日レポート

10月赤谷の日レポート(2006年10月7−8日)

赤谷の日の2日間にこんなにしっかり雨が降ったことがあったでしょうか?2日間しっかりと雨に降られてしまいました。いつもよりもミーティングに時間を掛けながら、可能な範囲でフィールドワークも行いました。

赤谷川 赤谷川

↑左:川古温泉前の赤谷川の様子(10/9)。発電事業の取水のために普段は少ない水も、この日は十分な水量でした。
 右:いきもの村(青)と雨見山(赤)の10月1日〜7日の雨量です。※いきもの村の南西に6kmほど離れた雨見山にはアメダスが設置されています。



ホンドテン・モニタリング

サルナシが盛りの10月の調査ですが、悪天候のなか、両日とも3名体制で調査を行いました。
初日は、ムタコ林道を調査しました。 成果は24サンプル、うち動物食5サンプル、他はサルナシの植物食。動物食のサンプルにもサルナシが含まれ、この時期サルナシは欠かせないようです。ムタコ林道は集合時間前に下見を行い、その段階で雨の中でもサルナシ食のサンプリングが可能と判断したことと、サルナシ最盛のこの時期、他には何を食しているのか、またその比率を確認できればと考えました。結果的には、動物食は雨でアスファルトと同化してしまって、相当数の採取漏れがあったと思われます。
小出俣林道 増水しているムタコ沢 ムタコ沢林道
 2日目は小出俣林道とムタコ林道2ルートを調査。小出俣ではサルナシ食1サンプル。すごい雨と風の中の調査でしたのでサンプル数は上がりませんでした。小出俣林道は、調整池上流部で11月にカラマツの漸伐が施業されるので、施業以前の状況を把握しておく必要があったこと、それに加えて昨年度の調査では、サルナシ食のサンプルが皆無であったので、それを確認するため調査しました。1サンプルではありましたが、小出俣林道で初めてサルナシ食の糞をサンプリングすることが出来ました。
 ムタコ林道では4サンプル。全て前日の取り残しですが、動物食3、植物食1でした。指導者である足立先生からは、原則雨天時は調査を行わないように言われていますので、調査を行った理由を含めて、後日報告させていただきました。(サポーター青木)

木の実豊凶調査隊

 雨が降ったり日が差したり、猫の目天気の中、21個のトラップの回収と、回収物の分類、カウントを行いました。
10月は、大量の回収物が予想されましたが、思いの外少量でした。初日だけで、回収とカウントを終えてしまいました。
雨の中の回収作業 クラゲのようなキノコ ミズナラの下で集合写真

↑左:雨の中で回収作業   中:クラゲのような姿のキノコ   右:ミズナラの下で記念撮影

みんなで仕分け作業 記録中 みんなで仕分け作業

↑みんなで仕分けと記録作業中。木の実だけでなく、糞や食痕なども出てくるので、仕分け作業中もいろいろな発見があります。

唯一のブナ類 イヌブナの殻斗 ニホンザルの食痕 ムササビと思われる糞

↑左:唯一のブナ類 イヌブナの殻斗   中:ニホンザルの食痕   右:ムササビと思われる糞

カウント結果は、ブナ類はほぼ0(ゼロ)、ミズナラとコナラはトラップよってばらつきがありましたが、概ね9月の回収量の1/2〜1/10程度でした。気になるのは、ナラ類に、成熟種子が少ないことです。共に1%程度でした。ただ、回収物の中には、木の実の他に、ネズミやムササビなどの糞が多数見つかりました。トラップネット内に、少なくとも、ネズミが入り込んでいることが予想されます。成熟種子が少ない原因の1つかもしれません。トラップの設置方法の改善が必要そうです。(サポーター川端)

アトリエ整備

 7日のアトリエ整備では、9月の赤谷の日に横山さん、芝小路さん、石坂さんが作成されたテーブルとベンチの仕上げ及びイーゼル作りを行ないました。アトリエ入り口に使われていた古い扉を再利用したテーブルは、やすりをきれいにかけ、ラッカーを塗りました。扉の枠に当たる部分の木目も美しくレトロな雰囲気が出ています。
 ベンチは、座ったときの安定感を持たせるために、土台となる部分に釘を打ち込みました。イーゼルは、丸太を適当な長さに切り、イーゼルの形に組み立て、針金を巻いて固定をしました。(運良く次の日、法師温泉より黒板も戴くことができました!!)壁には、子どもの目の高さに合わせた雨具掛けも設置されています。作業を終えてベンチに腰を下ろし周囲を見渡していると、手作りの教室に子どもたちの楽しげなにぎやかな声が聞こえてくるようでした。(地域協議会 星野)




お弁当:岡村うどん

さて、11月は赤谷の森の秋がもっとも深まるとき、これを過ぎるとまた雪の季節になります。11月はいきもの村も冬支度をして、冬に備えましょう!!
林元保さんを師匠に向かえて、炭俵づくりを習うことも予定しています。


写真/文:鈴木誠樹、青木邦夫、川端自人、星野恵理子、出島誠一

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