2012年11月アーカイブ

 赤谷の森(赤谷川上流域の国有林)で、生物多様性の復元と持続的な地域づくりを進めてきた赤谷プロジェクトは今年で9年目となります。地元の方々にプロジェクトの取り組みをより深くご理解いただく為に、今年度2回の現地明会を行っています。2回目となる今回は、茂倉沢における渓流環境の復元と防災の両立を目指した、治山ダムの中央部撤去の取り組みをご紹介します。

 当日は雨のため予定を変更して、室内で資料を使った解説を30分ほど行ってから、時間を短縮した現地説明会として、その後、感想や質問などを含めた意見交換会をいました。

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 プロジェクト関係者を含めた25名で現地説明会を行いました。地元の赤谷集落から参加された方から、茂倉沢に治山ダムができる前の昭和16年頃には、伐採した木材の運搬のために沢を使っていたことや、そのための、沢に堤をつくって一旦水を溜めてから一気に木材を流す方法が東北から出稼ぎに来ていた山師によって伝えられたことなど、茂倉沢の歴史を物語るお話をして頂きました。

 10月1日と今回の2回にわたって、地元の方を対象とした現地説明会をはじめて行いました。今後も、年3回発行している「赤谷の森だより」を含めて、様々な機会を利用してプロジェクトの取り組みをわかりやすく紹介していきたいと思います。(NACS-J出島)

 今年度、赤谷プロジェクトは(株)資生堂の社会貢献活動「花椿基金」からご支援を頂いています。その一環として、今回、赤谷プロジェクトが毎月開催している「赤谷の日」を資生堂社員の方と行いました。

 当日2日間は生憎の天気でしたが、明るく元気な資生堂の皆さんと、楽しく2日間を終える事ができました。1日目は通常の赤谷の日と同様にホンドテンモニタリング、木の実豊凶調査、薪集めの3班に分かれて活動しました。2日目は、旧三国街道の三坂茶屋跡付近に残されたゴミ(主に一升瓶)を、三国山の会とも協力して回収を行いました。


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↑ホンドテンモニタリング調査の様子。見つけたホンドテンの糞について解説中。

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↑木の実豊凶調査の様子。樹木の下に設置したネットから、ち葉や木の実を回収して、その中身を分けているところ。


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↑小出俣の自然林復元試験地に残されたミズナラなど、炭や薪にするのに適した木材を適当な大きさに切って搬出作業中。"薪ガール"ということばも生まれました。

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↑1日目の最後にみんなで集まってそれぞれの活動の様子を情報交換中。

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↑2日目は旧三国街道三坂茶屋跡に放置された一升瓶を回収。この一升瓶を人力で国道まで運搬します。国道との標高差約200mです。

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無事にみんなで運搬完了。その後の計測によると総重量約120kgとのことです。
資生堂の皆様、三国山の会・みなかみ町役場・環境省万座自然保護事務所の皆様、ご協力ありがとうございました。

以上です。
(NACS-J出島)





日時:2012年11月12日(月)13:30~17:30
場所:日本自然保護協会 大会議室

<出席者>(敬称略、順不同)
【委員】 亀山章(座長/日本自然保護協会)、土屋俊幸(東京農工大学)、中井達郎(国士舘大学)、山﨑亨(日本イヌワシ研究会)、安田剛士(獣医・群馬県ニホンザル保護管理検討委員)、[欠席]足立高行(応用生態技術研究所)
【関東森林管理局】 池田直弥(計画部長)、入澤和彦(調整官)
【赤谷森林環境保全ふれあいセンター】 廣橋潤(所長)、石坂忠、栗田喜則
【日本自然保護協会】 横山隆一(理事)、志村智子(部長)、出島誠一、藤田卓

<次第>  
主催者:あいさつ 
議題1.「赤谷の森の望ましい中長期的な将来像」の策定手順の決定 13:30~14:30 
議題2.各ワーキンググループの今年度の進捗状況の報告と、次期計画策定年(2015年)に各WGが達成すべき目標と行動計画の検討 (第一回)
議題3.成果報告会の検討

以上
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日程 :2012年11月10日(土)-11日(日)
<出席者> 
座長:山﨑亨(自然環境モニタリング会議委員)
委員:水上貴博・松本文勝(日本イヌワシ研究会AKAYAプロジェクト担当委員)、横山隆一(NACS-J)
メンバー:松井睦子(赤谷プロジェクト地域協議会)、廣橋潤・石坂忠(赤谷森林環境保全ふれあいセンター)、入澤和彦(関東森林管理局計画課)、島内厚実(ASTR)、藤田卓・出島誠一(NACS-J・事務局)

===11月10日(土)===
会議(1) 13:00-16:30(長生館・会議室)
A.エリア1に設定するイヌワシ赤谷ペアの試験地について (13:00-14:40 100分)
1)前回議論の確認 資料1
2)試験地の設計と具体的な進め方 資料2
―――休憩(10分)―――
B.猛禽類WGの基本方針と2015年までの計画 (14:50-15:30 40分)
1)「赤谷の森の中長期的な将来像」の検討の進め方(報告) 資料3
2)猛禽類WGのモニタリング基本方針ver2 資料4
3)2015年までの目標設定と計画ver2 資料5
.その他 (15:30-16:30 60分)
・猛禽類WGの成果を発信するツール・方法の検討 資料6
・次回WG(1/21月)の検討事項の整理
■現地視察②(※視界があれば・・・) 14:30-15:30
-クマタカの新たな営巣地(相俣・湯宿)の確認

===11月11日(日)===
現地視察(1) 9:00-13:00
-過去(1993-95年頃)に観察されたイヌワシのハンティング場所と環境の確認
~試験候補地の検討~ 資料ア・イ・ウ
会議(2) 14:00-15:00
-現地で確認したことの整理と今後の進め方

以上

11月赤谷の日(11/3-4)

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11月赤谷の日に参加された皆様お疲れ様でした。夜に雨は降りましたが、二日間良い天気の中で少し遅れた紅葉を楽しむ事ができました。

同日、たくみの里の情報発信ブースも無事オープンを向かえました。
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↑たくみの里にオープンした「赤谷プロジェクト情報発信ブース」ぜひお立ち寄り下さい。

1日目は、テンモニ、南ヶ谷湿地、木の実豊凶調査の3チームに分かれて活動を行いました。テンモニはムタコ・雨見ルートをサンプリングして、ムタコで25サンプル、雨見は0サンプル、内容物はサルナシが主でした。南ヶ谷湿地は周辺の間伐が終わり、林内はまるで別の場所のように明るくなりました。大変丁寧に綺麗に作業して頂いたことが良くわかります。今後、森がどのように変化して行くのか楽しみです。

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↑間伐した南ヶ谷湿地周辺のスギ林(TH)

木の実豊凶調査は、川古台地の上だけですが回収を行いました。
ツキノワグマの痕跡がとても多く、実りのあるコナラの枝はひどく折られて、トラップの周りにも散在している状況でした。ブナとイヌブナのトラップついてはトラップの撤収も行いました。

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↑トラップの周辺に散在したコナラの枝・・・幹にはしっかりツキノワグマの爪あとがありました。


2日目は、旧三国街道をカエデに注目しながら歩きました。既に長岡藩士付近の紅葉は終わりを迎えていたため、三坂線から大般若へ下るルートを歩きました。カエデの綺麗な落ち葉を集めながら歩きましたので、今後の旧三国街道マップづくりの素材のひとつとしたいと思います。

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↑紅葉の三国街道三坂線

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↑南ヶ谷湿地の紅葉(TH)

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↑集めたカエデを整理中

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↑大峰林道のリンドウ(TH)

以上