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2017.10.05(2017.10.05 更新)

オオルリシジミの食草クララの移植作業を行いました。

イベント報告

専門度:専門度2

マメ科の多年草「クララ」は、根がくらっとするほど苦いことから「クララ」と呼ばれる。クララは株分けしやすく、種子で育てるより簡単に増やせる。

テーマ:生息環境創出絶滅危惧種

フィールド:草原

 生物多様性保全室の福田真由子です。

 

草原を代表する絶滅危惧種のチョウ「オオルリシジミ」の保全のために、日本自然保護協会では皆様からのご支援により、長野県安曇野市に残された個体群の状況について研究者の方々と協力して調査を行いました。

その結果、保護区のほかにもう1カ所生息地があることがわかりましたが、その間にオオルリシジミの食草である「クララ」がないためにオオルリシジミが生息地を拡大・移動することができない状況となっていました。また、例年以上に成虫の個体数が少なく危機的状況にあることもわかりました。そこで、2カ所の生息地をつなげ、オオルリシジミの生息地を拡大するために、食草クララを移植するイベントを9月30日に地域の方々と共に開催しました。

当日は長野県内や山梨県、岐阜県の日本自然保護協会会員14人もご参加いただき、地域の方々と共に総勢60人で、北アルプスの峰々が見渡せる青空のもと作業を行いました。
はじめに、安曇野オオルリシジミ保護対策会議の那須野雅好氏より20年以上地域で保全活動に取り組まれてきた経緯や、オオルリシジミとクララの関係についてお話いただきました。そのあと、各自持参のスコップで掘り取り作業を開始。大きな株になったクララも、参加者の皆さんの力によってあっという間に掘り上げ、2つの生息地の間をつなげるよう、株分けして増やしたクララ100株以上を分散して植えつけていただきました。

 

▲保護区周辺の畦にクララを移植。来年花をつけるでしょうか。

 

お昼は炊き出しのご飯と具沢山の汁物をいただきながら、参加者同士での交流会を行い、普段の活動などを紹介しあったり、オオルリシジミのレプリカを見せてもらったりと楽しく語らいました。

 

午後からは江田慧子先生によるオオルリシジミの生態を学ぶイベントも行われ、この季節、蛹になっているオオルリシジミに思いを馳せました。参加者から「よく観察して、他の方に伝えていきたい」「来年成虫も見に行きたい」「また保全活動に参加したい」など感想をいただき、今日一日を振り返ることができました。

クララはマメ科の多年草で全体に毒があることから蛆殺しとし利用され、田畑の畦に刈り残されてきました。また、野焼きがオオルリシジミの卵に寄生するメアカタマゴバチを減少させる効果があるなど人の暮らしに寄り添って生息地を広げてきました。しかし、クララが使われなくなり草地も減少したことから、オオルリシジミも危機的状況となっています。

オオルリシジミを守るためには、今回移植したクララの効果を検証するモニタリング調査のほか、草刈や野焼きなどの草地の保全管理も必要です。日本自然保護協会では、遠方の方も一緒になって保全活動ができるよう、取組みを進めていきますので、引き続きご支援・ご協力をよろしくお願いします。

草原を守ってチョウの絶滅を止めよう!

 

▲クララの蕾だけを食べるオオルリシジミ(絶滅危惧IA / 環境省レッドリスト)。

 

 

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