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2017.08.31(2017.08.31 更新)

木曽のヒノキの厳正な利用ルール決定

解説

専門度:専門度4

人工林が広がる中に天然ヒノキの大径木が点在する木曽悠久の森。

テーマ:自然資源森林保全

フィールド:森林

岐阜、長野両県にまたがる「木曽悠久の森」は、2014年から自然のヒノキを中心とした温帯性針葉樹林の復元の場とすることになった国有林で、その約1万6600haを林野庁中部森林管理局が管理しています。

木曽地方は、関西地方の太い天然ヒノキを古の時代に建築材で使い尽くした結果、天然ヒノキの唯一の産地となってきました。しかし、ここも長年の伐採により今では直径60㎝を越えるような天然ヒノキの大径木は数えられるほどになっています。

ヒノキは成長が極めて遅いため、まったく持続的利用ができないペースで使われてきました。日本固有種のヒノキが生育する温帯性針葉樹林を守り復元していくには、天然木の厳正な保護と植栽木利用を原則にすることが求められています。

この森一帯の資源管理方法を検討するため、外部委員による管理委員会が7月5日に岐阜県中津川市で開かれ、委員として参加しました。管理委員会は、国有林の管理にいわゆる林業関係者だけではない外部の意見、一般社会の意見を反映させるための新たなしくみです。

今回のテーマは、基本は「自然林の復元の場」としている木曽悠久の森においても、国宝級文化財の修復など極めて特殊な用途に対する資源供給の要望が今後も考えられるため、このような要望にどう対処したらよいかの対応策を審議しました。

委員会では、どうしても必要で、かつほかの場所や資源では賄えない場合などの考え方の原則と、審査・検討手順を定めました。資源としての供給の検討対象にできるのは、①国民的と考えられる伝統行事と、②国宝・重要文化財級の建造物の修復に限定。該当する伝統行事は、おそらく伊勢神宮の式年遷宮にかかわる儀式のみで、次回の遷宮(2033年)に向けて今秋に予定される「斧入式」が、この手順による検討第1号になります。

 

特殊用材として第一の候補とされるのは、既に高齢級(大径木)に達したと思われるヒノキの植栽木(テープを巻いたもの)。天然ヒノキの大径木はあくまでも保護が原則。特例の審査と判定は今年からは委員会で行うことに。

 

担当から一言

参事 横山隆一
これまでは役所だけで決めてきたことに、外部委員として社会の審査を加えられるのは大きな改良です!

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