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2017.03.28(2017.04.02 更新)

赤谷のイヌワシペアが7年ぶりに子育てに成功しました!

専門度:専門度1

巣立ち後10日程度の赤谷のイヌワシの幼鳥(2016年6月24日撮影 写真:折内耕一郎)

テーマ:生息環境創出

フィールド:奥山里山

狩場創出試験はこの9月でモニタリング開始から丸2年となりました。この試験は、20年間の観察記録に基づいて試験地が設定されていることと、草原のような開けた環境を好むイヌワシの特性を踏まえて皆伐によって狩場を創出したことにおいて日本初の取り組みです(詳細はこちら)。

 

伐採から1年が経過した第一次試験地。少しずつ植生が回復している(2016年9月17日撮影)

第1次試験地として設定した2haのスギ人工林を2015年9月に伐採し、伐採前の1年間と、伐採後1年間のイヌワシの行動を比較したところ、試験地周辺に出現する頻度は、伐採前よりも顕著に高くなりました。
また、伐採前には試験地の上空を飛翔して獲物を探す行動は見られませんでしたが、伐採後は15年12月と16年2~4月に計4回観察されました。このことから、イヌワシは第1次試験地を狩りができる環境として認識しており、科学的根拠に基づいてイヌワシの行動範囲内に皆伐による狩場を創出することがイヌワシの生息環境の向上につながる可能性が高いことが示されたと考えています。

現時点で、第1次試験地でイヌワシが狩りに成功した事実は確認されていません。しかし、今後、草や低木が繁茂し獲物となるノウサギなどの生息に適した環境が整い、イヌワシが狩りに成功することが期待されます。来年には第2次試験地として新たな狩場をつくります。この第2次試験地を第1次試験地の周辺に設置することでイヌワシが獲物を探す効率が良くなり、第1次試験地を利用する可能性もより高まると考えています。
イヌワシを絶滅から回避させるためには、全国で生息環境が悪化しているイヌワシの行動範囲や、かつてイヌワシが生息していた場所で同様の取り組みを進めていく必要があります。NACS-Jでは、宮城県南三陸地域でもイヌワシの生息地を復活させる取り組みを進めています。同様の取り組みを地元で進めたいとお考えの方はぜひご連絡ください。

 

この取り組みには、会員の皆様はじめたくさんの方からのご支援をいただきました。また、㈱ニコン、資生堂花椿基金、㈱千趣会など企業の皆様にもご支援いただき、第2次試験地は楽天㈱の協力により“楽天の森”の一環として進めていきます。皆様のご支援で2年間継続でき、ひとつステップアップすることができたと考えています。本当にありがとうございます。引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。

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